失業して事故物件に引っ越してきた主人公の、開き直ったような口調がテンポよく炸裂していて、ぐいぐい読まされました。怖がるどころか幽霊相手にストレス発散していく姿が、滑稽でもありどこか人間くさくもあって、笑いとヒリつきが同居した不思議な読み心地です。軽いノリの一人称なのに、空気の変化がさりげなく描かれていて、ページを追うほど緊張感が増していく感じも心地よく、最後まで読むとタイトルの意味合いがより印象に残る掌編でした。