第23話 気づきの刻
戦いが終わった後、レイは深く息を吐き、戦場の残響を背に立っていた。
振り返れば、人類はただ生き延びるために力を追い求めたのではなく、世界そのものと繋がろうとしていたのだということに気づく。
生まれた子どもたちは、まだ言葉を持たない。だが彼らの存在は、声を超えた意思伝達の可能性を示していた。命そのものを媒介に、世界と世界、人と人を繋ぐ──それは、人類の進化の一形態だった。
一方で、古き世界の価値観からすれば、この変化は異端であり、畏怖の対象であることも間違いない。新しい力が、必ずしも安寧をもたらすとは限らない。
「……人類は、変わり始めているのか」
レイの口から漏れた言葉は、希望であり、不安であり、そして避けられぬ運命を告げる鐘のようでもあった。
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