隣の席の地味子がおれの推し
あおじ
君は地味子?
放課後。校内にはほとんど
外から聞こえる野球部の掛け声、校内に流れる吹奏楽部の演奏の音。そのどちらにも負けない声量で彼女は澄んだ声を響かせる。
「
おれにそう言ってウインクし、細い人差し指を柔らかそうな唇に押し当てる彼女は今を時めく女子高生トップアイドルの"
「あたしがアイドルだってこと、誰にも言わないでね?」
彼女はいたずらっぽく笑って床に落ちている大きなフレームの眼鏡を拾い上げ、装着する。すると彼女の雰囲気がガラリと変わった。
皆の憧れである可愛くて明るいアイドルが、クラスでは「地味子」だなんてあだ名で呼ばれている陰キャ女子"
「でもよかったぁ~バレたのが植田くんで。植田くんって、見るからに硬派って感じで口が固そうだもんね! それに、アイドルとかチャラチャラしたのも嫌いでしょう?」
そう言って軽やかな足取りで階段を降りて行く彼女を、おれは唖然として見下ろすことしか出来なかった。
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