古代幻想と恋の宿命が静かに交錯する和風伝奇譚──流麗な文体で描かれる「花の国」は神話の余韻と人の情が共存する澄むような美しい舞台。神に見捨てられた帝の祟り孤児として育った青年そして悲しみを秘めた女性との邂逅――淡い恋心と血に刻まれた宿命が少しずつ絡み合いやがて神々の祀られた静寂を震わせていく花弁が舞うような繊細な筆致と古典和歌の調べが物語に格調を添え読後には切なさと余韻が長く残る一作です