始まりの物語
NiceWell
第1話「作家は初めから喰らえる」
作家とは本題を決め、自身に挑むものである。
リンカー・ジェントル著 不屈の未来より引用。
「先生、朝ですよ」
「な、白瀬、君は私が朝を知らないとでも思っているのか」
「ただ呼びかけついでに言葉を重ねただけですよ」
「そうか、ならいい、ところで私は何をすればいい」
「なるほど、先生は仕事をすると言う当然の義務を忘れているのですね」
「またまた、何を言う、仕事は大人の務め、しかとわかっている」
「なら、仕事してください、てか掃除もしてくださいね」
「私の職業は作家だ、給仕、世話は君の担当だろ」
「私はあくまで助手です、便利屋ではありませんからね」
「では早速だが、朝ごはんを所望する」
「まったく、致し方ありませんね、」
「がんばれよ、それでこそ私の生活は整うと言うものだからね」
「まったく、職があるだけで、行動はしない、甘んじて聞こえますね」
「いや、これは英気を養っているんだよ、私は頭で仕事をするものだからね」
「そうですか、ならば言いましょう、」
「なんだね、」
「売れてませんよね、」
「なんだ、私の発想が、しょぼくれてるとでも言いたいのか」
「いえ、しかし、頭を使っても、売れないとなれば、それはもう、弁明もありませんね、あらら」
「なんだ白瀬、君は、私がつまり、売れっ子なりえない才能無きものだと言っているのか」
「ええ、だって先生ってば、いつだって自堕落ではないですか」
「それでも、日々に邁進している、上を見ている、努力をしている」
「それほど尽力して結果がでないとなると、それはもう仏もごめんと言ってるのでしょう」
「なな、この私をそこまで愚弄するか、ならばいい、私が如何に凄いか、骨の髄までわからせよう」
「どうやってですか?」
「決まっている、今回の新人コンテストで優勝する」
「なるほど、いろいろとツッコミどころはありますが、しかしま、新人賞もらいにがんばりますか」
「そうだな、よし白瀬、題材を探しに、ラーメンを食いに行くぞ」
「いや、え?」
「わかっていないな白瀬よ、ラーメンとは心の原動力、すべてにまかり通った、最大のフードなんだ」
「ま、朝ごはんからラーメンなんて、しかし頑張ると言うなら、わかりました、行きましょう」
「よし行くぞ、白瀬!」
「はい、先生、必ず、新人賞とってくださいね、」
「ああ任せろ、神も仏も、皆誰でもに、私を認知させる、それが私、私の戦いだ」
「ええ、頑張りましょう」
「ああ、白瀬、君だって、置いていかれるなよ、互いに永劫の名をほしいままにしよう」
「わかりました、尽力します」
「では景気づけに、チャーシューましましのバターもトッピングで、行こう」
「そんなに贅沢して大丈夫ですか?」
「ああ、ここはそう、白瀬、君に払ってもらう、だから安心しろ、私は困らない」
「なんていう、自己表明、凛々しく聞こえませんよ」
「ハハ、いったろ、頭を使うのが私の役目、君は財布を開く、そういう役回りだ、」
「まーもう、いいです、だったら私も先生の出世に期待して、贅沢に食べちゃいますね」
「おお!おお!いいぞ、新人賞で稼ぎは入る、それで、すべてを覆してやる、心配せず、豪華に行こう!」
「わかりました、信じてますからね、」
「ああ、任せろ、これでも私は、勝てる気がする、気がするんだ」
「はーい」
「よしラーメン食うぞ、」
「美味しい」
「な、うまいだろ、」
「まったく、こんなコテコテのラーメンを朝からなんて」
「ハハ、最高にみなぎるだろ、これが、作家の贅沢、取材費による、横暴、最高だろ!!」
「あまり言うと、さっぴきますよ」
「すまない、これでも部はわきまえてる、しかと励むよ」
「はい、せんせ、応援してます」
「ああ、任せろ、やってやる、やってやるんだ」
「では。」
「おお。」
そして二人は新人賞を狙い、コンテスト優勝を目指す。
足がかりにラーメンを食らい、
次は何をするのか、
題材は、どこに
食い終えた先に何があるか
おっとっと、まだまだこれから
しかと御開帳あれ。
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