『16barsの鼓動』第二十七章(改定完全版)

会場の空気は張り詰めていた。

 審査員がマイクを持ち、結果を告げる瞬間を観客全員が待っていた。


「――代表決定戦へ進出するのは……Silent Riot!」


 一拍の静寂ののち、観客席が揺れた。

 歓声と驚きが入り混じる。

「マジか!」「Rhyme Jokerに勝った!?」


 ことねは呆然と立ち尽くした。

「わ、私たち……」

 彩葉が飛びつく。

「勝ったんだよ、ことね!」

 芽依も小さく笑いながらターンテーブルを抱きしめた。

「……粗くても、勝てる」


 観客席では町田面々が総立ちだった。


東雲りな&鮎原やよい(モケ女)

「うわぁ! 若い子たちの勢い、すごいね!」

「東雲、静かに! ……でも、認めざるを得ない」


一ノ瀬響&悠木詩織(震感少女)

「……鼓動が揺れてる。会場全体が震えてる」

「まるで怪異が動いたみたい。でも、これは希望だね」


日向めぐる(明日の弁当)

「やったー! Silent Riot最高! ほら、星南! 唐揚げ追加で食べよ!」

「ん! うま!」


北山望

「女子高生最高ー!! Silent Riotしか勝たん!!」

 →すぐに再びスタッフに連行される。


橘姉妹

「ことね達、町田代表だよ! 青春だよ!」

「うちらもこの瞬間に立ち会えたとか、自慢していいよね!」


 ステージ裏。

 猫丸が缶コーヒーを掲げていた。

「町田の鼓動がひとつになったな」

「おばちゃんも適当なこと言ってるだけだよ〜」

 みのたが微笑み、べすが三人まとめて「べろりんちょ」。


「もう……でも、これが町田の応援なんだ」

 ことねは涙を流しながら笑った。


 Silent Riot。

 町田代表決定戦への切符を手に入れ、ついに「町田の顔」として立つことになった。

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