気分転換の創作 ―掌編集―

猫屋比奈

秋の始まり

里山の紅葉樹たちが色付き始める。

ある者は黄色に、ある者は赤に。

それぞれが、思い思いの衣装を纏う。

それまで全員が揃って、緑の衣でお揃いだったのに──

まるで「私を見て」とでも言うように、自己主張を始めるのだ。


一瞬の艶やかな舞台が終わると、

皆がまた、同じ装いに変わる。

すべてを脱ぎ去り、眠りにつくのだ。


私は、その一連の演劇がとても好き。

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