記憶障害

脳病院 転職斎

第1話

毎日毎日新しいことの繰り返し

人にした嫌なことも楽しかった思い出も

どんどんどんどん更新されて記憶から薄れる


人をいじめたことやキツく当たった経験ほど

記憶から遠ざかり

楽しかった日々もボンヤリとしか思い出せず

自分が受けた嫌な経験だけは覚えている


薬の飲み過ぎなんだろうか?


このまま何もかも全て忘れてしまうのか?


都合の良い脳みそ


記憶を遡ると18歳くらいの頃、

俺は、親父と対立した時に、昭和という存在そのものから全否定してしまったことがある。


俺は、ヒートアップすると罵詈雑言を浴びせる癖があり、自分の尊厳が傷つけられたと思うと容赦なく相手を踏み躙ってしまう(自分なりには正当防衛だと思ってる)。そして、それだけに留まらず、直接的な暴力も用いていた。


思い返すと、母親に手をあげたこともあれば、尊敬していた親父に殴りかかったこともある(返り討ちにあったが)。


しかし、どれだけ人の心を踏み躙っても、俺は自分の加害を心に閉まって記憶に封印してしまう。そして、そのまま記憶から消してしまう。


例えば、20代後半の時に付き合った女性から性行為を受けた時、それを男の力で弾き飛ばして拒絶してしまったことも、曖昧な記憶のまま思い出せないでいる。


その癖、最愛の女性と行為中に噛み付かれたことを愛情だと感じて、こう言うことは、はっきり覚えている。


ただ、こう言った経験も月日が経つと色褪せてしまって、そんなこともあったっけ?くらいにしか思えなくなって来た。


自分が人から理不尽な暴力を受けた時や、人格を否定された時も、自分から理不尽な暴力を振るったり、他人の人格を否定した時も、やられたこともやったことも全部忘れ去っていく。


自分の中の臭いものに蓋をして、綺麗な世界だけを見てしまう。そんな自分が許せないでいる。


このまま、自分の罪やトラウマから目を背けて良いのかな?


俺の腑はどうなっているんだろう?


心のカサブタを引き剥がしたい。

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記憶障害 脳病院 転職斎 @wataruze

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