見つめて
ビト
第1話 第一印象
妹によく似ている。遠巻きに一目見た時にはそう思った。大きな、といっても大きすぎない、コケティッシュな目、セミロングの黒い髪、桜色の薄い唇、病的の一歩手前で立ち止まっている細い手足。そしてなにより、背丈がそっくりだった。私と並ぶと、彼女が少し私を見上げる格好になるだろう。庇護欲がそそられるような、理想的な背丈。彼女は、美鈴の外見は、本当に妹そっくりだった。
でも、実際にこっちから喋りかけて友達になってみると、やっぱり美鈴は妹じゃないんだな、ってことがすぐに分かった。美鈴はいわゆるお喋りで、社交的なタイプだった。広く浅い交友関係と、少し深い友人を作る、いわゆるうまい生き方が得意だった。人は見かけでだいたい決まるというけれど、こんなにそっくりな見た目をしているのに、妹と美鈴はあんまりにもかけ離れているものだから、なんだか世の無情を感じる。あの子がもっと器用だったら、なんて考えてもせんないことを考える。
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