私が望むのは、自分だけが居心地のいい世界。だから……
- ★★★ Excellent!!!
ホラー大得意まさつきさんの最新作です。
わたくし自身はホラーは好んでは読まないので、カクヨムホラー界の様子には通じていないのですが、これはかなり優れた作品なのではないかと思います。
主人公の中2女子の愛華は、転校したての学校で、うざい美晴から様々な嫌がらせを受けます。どうも美晴の幼馴染の河野君が、愛華に懸想しているのが許せないようです。そこで、愛華は、「おばあちゃんに教わったアレ、『蟲毒(こどく)』で、美晴を呪っちゃおう!」と、大きな瓶を買ってきて、蜘蛛だのゴキだのコウロギだのミミズだの、一杯に蟲を詰め込んだのです。「ふふ、食い合って最後に残った蟲には人を呪う力が宿るのよ!」。それから瓶の中はグチャグチャのドロドロに、、そして美晴ちゃんは……。
気味の悪いホラーですが、不思議と読み味は軽く、ストーリーも構成もよく練られており、不自然な点もなく、一気に引き込まれます。それを支えるのは、丁寧で読み易い文章力です。17000字のかなり長い短編ですが、10分で読了できると思います。
虫嫌いな人はダメですが、そうでなければ一読の価値ありです。
是非どうぞ!