第7話 直樹の独白

ドサッ

ベッドに体を預けて、天井をぼんやり眺める。電気を消した部屋に、時計の音だけが響いている。


「疲れた」

自分の部屋に戻るとすぐ、シャワーだけ浴びて横になった。

来る日も来る日も、真理子さんのことが頭から離れない。会議室での出来事も電話を片手にもてあそばれた日も、真理子さんの指が、布越しに俺をなぞった出来事をを忘れられない。

電話口で普段通りに笑いながら、果てる寸前で終えられたあの残酷さ。



仕事後にそんなことを繰り返しながらも、翌朝には普段通り仕事をこなす彼女。仲間たちに囲まれ、はつらつとした彼女は、俺をもてあそぶ人と同じ人とは思えないくらいだった。



絶頂の寸前までしておきながら、スッと離れる彼女。

思い出すたびに、身体の奥がしびれる。

毎日毎日思い出す。


「また...」

――どうしようもなく、疼いている。

耐えきれず、ズボンの上から股間をなぞる。情けないほど、彼女のことを想像するだけで硬くなる自分がいた。布越しに彼女の手つきを思い出しながら、太もも、鼠径を撫で上げ、股間を優しく撫でる。

もう俺のものは硬く立ち上がり、下着を強く押し上げている。下着から硬くなったものを取り出した。


ブルン...

押し上げる布を取り除いた反動で、俺のものは飛び出してきた。

自分でも、どうかしていると思う。毎日毎日、真理子さんのことを考えて、自分で慰めることが日課になっていた。



俺の胸元に寄せてくる真理子さんの胸は、柔らかくも張りがある。黒ストッキング越しに触る真理子さんのパツンとした太もも、濡れた唇。上目がちに俺を見つめ目...

「んっ...」

彼女の悩ましい姿を思い起こすだけで、俺のものは硬くなり、先端からはヌルリと液を滲ませていた。

指に絡むぬめりに、呼吸が乱れる。

「……っ」

声を押し殺しながら、手を上下に滑らせる。

あの時の熱と、彼女の冷たい笑みを想像すると、動きは止まらない。

彼女はどうしてあんなにも俺を弄ぶのか。残酷な風で、甘い匂いをさせながら笑う彼女の顔が頭から離れない。

硬いものをグッと力を入れて掴み、上下に動かす。彼女の手で触れられていることを想像するだけで、腰が勝手に突き上げ、シーツの擦れる音がする。

何度も寸止めされた反動だろう。

高まりはあっという間に頂点へ達する。


彼女の張りのある太もも、キュッと締まった足首。指先に触れるショーツの段差。

彼女の身体を想像すると、自分でも熱い部分が脈打っていることがわかる。

喉を焼くような息の中で、痺れる波が全身を走った。

「うっ...」

白濁が掌に溢れ、ポタポタと落ちる。

声を堪えたせいで喉が痛い。

息が荒くて止まらないのに、胸の奥は空っぽだった。

――違う。

自分の手では足りない。

欲しいのは、あの人の手。

支配の言葉に縛られ、従わされる感覚。


触りたい...触って欲しい。もうめちゃくちゃにして欲しい。

俺は、もう逃げられない。

真理子さんに支配されたい――そう認めざるを得なかった。

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