第33話 アメリカと錬金術師
「Hello、こんにちわ、私はアメリカのダンジョン庁からきたケビンです」
「日本語がお上手ですね、日本のギルド本部統括の小早川です」
と最初は和やかなムードだ。
「まずはオークションを楽しみましょう」
と椅子に座って見ているが面白くない。
ドレスコードがあるからしょうがないが、スーツ着てオークションなんて見てても面白くないだろ。
あー、早く家に帰ってビール飲みテェな。
「おぅ、始まりましたね」
と見てみると画面いっぱいに商品が出ていて何が何だかわからないな。
「タクミさんの出したものはちゃんと売れてますね」
「そうですか、それは何より」
これで売れないなんてことあるのか?
「日本のオークションは凄い、錬金術師が作ってるのですよね?」
「そうですね、ほとんど錬金術師の作品ですね」
「そんなばかな!TSポーションに視力ポーション?それに結界石なんかもうちにも欲しいくらいだ!」
「おい!それを買え!いくらでも良いから買え!」
「ふぅ、ワイフの機嫌を損ねるところでした」
若返る美容液を買ってたな、とにかく動きが派手で凄い熱いな。
「よし、買うものも買えましたし、お話をしましょう」
「はい、なんでもウチから錬金術師を出せと?」
「いえ。貸してもらえないかという話ですね」
「はっきり言ってしまうと無理ですね」
「なぜですか?」
「彼がウチに卸してくれてる錬金術師です。そして一般人でもあります」
「初めまして、一ノ瀬拓実といいます」
「それは話が早い!一ノ瀬さん、アメリカにぜひ来てくれませんか?」
「答えはNOですね」
ケビンが怪訝な顔をする。
「何故ですか?」
「私はこちらにパーティーもいますしレベルを上げている最中です。ギルド本部にも顔を出さない日が多いですね」
「問題ありません、パーティーごと来てくれれば」
「えー、はっきり言います。日本を離れるつもりはない」
一瞬凍りつく気配がする。
「私は貴方を連れて戻らなければならない、何故なら錬金術師が必要だからだ」
「そうですか、では他の錬金術師を探してください」
「貴方じゃなければこんなに素晴らしい品は作れないでしょう。だから貴方はアメリカに来るべきだ」
はぁ、いかねーっつてんだろうが!
「はぁ、行きません」
「無理にでも連れて帰りますよ?」
「レベル130超えてますが?」
「は?げ。限界突破」
「そうですね、今は上級の20階層を突破しましたね」
「……それなら尚更アメリカに欲しい人材ですね」
「だから何度も言うが、行かない」
はぁ、めんどくさくなってきたな。
「ふぅ。私は譲歩して貴方にきて欲しいと頼んでいます」
「ここは日本で俺は一般人、無理やり連れて行けば拉致ですね?」
「ケビンさん?この辺でいいですか?」
と、サネミがやっと入ってくると、
「貴方はアメリカとの外交にヒビを入れるおつもりですか?」
「私は一般人でもお願いしてここにきてもらったんです。外交がうまく行かないのは貴方の説得が横暴だからじゃないでしょうか?」
「これで帰ったら私は笑い物だ!とにかく一度アメリカに」
「行きませんね」
「と言うことでこの辺で終わりにしましょう」
「最後です。アメリカに来ませんか?」
「行きません」
すると動き出す男達が取り囲むが。
「貴方が悪いんですよ?」
と言ってる間に『瞬歩』で男達をぶっ飛ばす。
「はぁ。これでわかりましたか?」
久しぶりに殴ったから拳が痛いな。
「な、今のは」
「私達ではないですね、貴方達は一般人に負けてるのですか?」
「はぁ、わかりました」
「良かったです。こちらに無理な注文は辞めてくださいね?」
「私には今のが見えなかった、ですので今後もよろしくお願いしますよ」
「はい、出来る限り」
とサネミはケビンと握手をして別れる。
帰りの車の中ではケビンの話題だった。
はぁ、やってしまったが後悔はない。
「良かったです、ケビンの顔面に殴りかかりそうになってましたよ」
「ですね、高圧的で傲慢な態度」
「でもあの顔が歪むのはとても痛快でしたがね」
と、馬鹿にしているが俺が手を出すのを黙って見てたな?
「俺が一般人だからってみてたな?」
「そんなことは、結局はそうなったってことですよ」
「サネミ?この代償は高くつくぞ?」
「私は貴方が行かなくていい最善を尽くしただけです」
「はぁ。ついてきたのが馬鹿らしいな」
まぁ、アメリカが今後どんな対応をしてくるかだな。
「わかりやすいハニートラップに引っかからないで下さいね?」
「今はそんなことにかまけてらんないですからね」
「それはよかったです」
ユカリが前でほくそ笑んでいる。
はぁ、ほんとに俺は何をやってんだか。
いっそアメリカにでも逃げたい気分だよ。
「明日は休みだ。もういやだ!」
と言ったらみんなが笑っていた。
明日は休みにしよう、アンとグータラしよう。
そしてこんなことはさっさと忘れてしまおう
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