常識人がいない会話は多分こんな感じ
「さて、僕の意見を語ろうか」
爽やかな笑みを浮かべた隼人が俺とメイちゃんを同時に見やる。
「そもそもVTuberがリスナーに会いにいくことについて、宵月さんはどう思っているんだい?」
爽やかな笑みを崩さないまま、隼人はメイちゃんに問いかける。
「愛です♡♡」
「そっか。じゃあしょうがないね」
「嘘だろお前!?それで良いの??」
「考えてみると、1人のリスナーのために行動を起こす人って中々いないよ?」
「お前、常識人ぶってただろ!ちょっとは何か言ってやれよ!!??」
「そりゃあ僕だって可愛い子がいれば地の果てまで追いかけることはするから、宵月さんの考えも否定できないんだ♩」
「ロリヲさんならわかって頂けると思っていました♩」
終わった……まともなやつが居ない。
よく考えると、隼人はロリコンだし、昨日盗撮に来ていたやつだ。
ちょっとまともそうだ!って思ったのが間違いだった。
いっそ、こいつらを警察に突き出しても良いんじゃないのかな??
多分2人とも逮捕できると思うんだが?
「まぁ冗談はさておき、宵月さんは恩人でもあるライカくんにこうして会うことが出来た。感謝も伝えた。それで良いんじゃないのかい?」
「まだです。同棲と結婚式をしないといけません」
「待って待って!?なんでそうなるの??」
「私、好きになったらとことん好きになってしまうんです。もはやライさんがいないと私は生きていけないくらいなんです!」
「じゃあしょうがないね!」
「だから隼人!?お前も止めろよ!」
「僕だって中学1年生が居なかったら生きていけないからだよ!」
「お前の場合はいっぱいいるだろうが!!!!」
「私は尽くしたいタイプなので、身の回りの事は何でもしますよ。ライさんが働かなくても困らないくらいにはお金もありますし」
「優良物件なんじゃないか?」
「隼人、お前は俺にどうして欲しいの??メイちゃんの行動を止めてくれるんじゃなかったのか?」
「まあそのつもりだったんだけど……話を聞けば、監視アプリまで入れられて追われるよりも、一緒に住めば良いんじゃないのかなって気がしたんだけど」
「ロリヲさんも良い事を言いますね!親友も認めているので、さあ一緒に住みましょう♡♡」
「ほらぁ、隼人のせいでこうなった」
「それなら1週間くらいお試しで住んでみてはどうかな?宵月さんはその間に彼を懐柔出来るのか、君も君でそこまで想ってくれている宵月さんをもっと知ることが出来るんじゃないのかい?監視されて落ち着かないよりは良いんじゃないのかな?」
言わなかったら監視アプリを入れられたことすら気づかなかったから、むしろ言わないでくれた方が良かったんじゃないのかって思うんだけど。
いや、それよりも!!
「いきなり男女二人はまずいんじゃないのか!?」
「いやん、ライさんったら♡いったい私に何をしようって言うんですか」
「拘束して外に放置」
「放置プレイですか?興奮します♡♡」
「ごめん隼人、俺無理かも」
「こうなると思って、もう1人監視役を呼んでるよ」
監視役?
お前じゃないの?
「イェーイ」
現れたのは黒髪の少女だった。
幼い顔立ちをしているため、中学生と思われても仕方の無い外見をしているが、圧倒的存在感を放つその胸部がアンバランス差を醸し出している。
そしてほんとに聞き覚えのある声だ。
昨日聞いたような……っていうかこの人もしかして。
「君の監視役の黒井りささんです」
「ブイッ」
まともなやつは居ないのか(泣)
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