村に行った話
氷喰数舞
廃村
福岡西部の糸島と唐津の間の山の奥にある廃村に行った。地図に無い村としてもあまり知られてもいない部類に入っており、市役所に行っても、図書館に行っても、これといった明確なデータも残っていないような、あるのかないのかもわからない村。
幻と言えば聞こえはいいが、それは嘘と隣り合わせだ。
実際、あった。家はボロボロになって崩れ落ちているものばかり。雨宿りにさえならないくらいに屋根は無くなっているし、木造の腐った壁が生命力のある木の枝に突き破られている。舗装されていない地面は、どこが道だったのか、その名残すら残っていない。
しかし家はいくつもあった。
木造ながらまだ家としての体裁を保っているものもあった。
数え切れた。
片手で五本。指の話ね。厳密には五軒。
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