役立たず解呪師の獣耳娘ハーレムライフ~呪いで発情した彼女たちが毎晩迫ってくるんですけど?

古池ケロ太

第1章 狐耳お姉さん・ミルフィ編

第1話 えっちな治療、して♡


「おねがい……えっちな治療、して♡」


 彼女はそう甘くささやきながら、僕の腰にまたがってきた。

 花の蜜みたいな香りがふわっと鼻先をくすぐり、熱っぽい息が頬にかかる。

 ぎしり、とベッドのきしむ音が、胸の鼓動と重なった。


「カラダが熱くて……もう、ガマンできないの……」


 うるんだ瞳で見つめられ、僕は思わず喉をごくりと鳴らした。

 色っぽい声と、まとわりつくような芳香が混じり合って、頭の中が熱くなってゆく。


「だ、ダメですよ。僕なんかと、そんな……」

「キミじゃなきゃイヤなの……♡ 解呪師かいじゅしクン♡」


 視線をそらすと、彼女は逃さないとでも言うように、両手でそっと顔を包んできた。


 すぐ目の前にある彼女の顔は、息を呑むほど綺麗だった。

 赤く染まった頬に、熱っぽく揺れる赤い瞳。

 肩に流れる金色の髪はキラキラ光っていて、その間から、ふわふわの三角耳がぴょこんと立っている。

 狐の獣人である証の獣耳――それまでもが、彼女の美しさを引き立てていた。


 こんな綺麗な人の視線を独り占めしてる――そう思うと、胸がドキドキして止まらない。


「ねぇ、はやくぅ……このままじゃ、おかしくなっちゃう……♡」

「ちょっ、うわっ!?」


 柔らかな重みとともに、ベッドに押し倒される。

 目の前に、開いた胸元からこぼれそうな二つの膨らみ。ふわっと、なんとも言えない甘い匂いが立ちのぼる。

 下半身がじんじんと熱くなるのが自分でもわかった。


 僕の反応に気づいたのか、彼女はふふっと笑った。


「キミも、もうガマンできないんでしょ? 一緒に気持ちよくなろ?」

「ダ、ダメですって! だって僕たち、今日会ったばっかりですよ!」

「そんなの関係ないわよ。これは治療なんだから」

「で、でも、こういうのは――」

「うるさい♡」


 言葉を奪うように、彼女の唇が重なってきた。


「んんっ!?」


 信じられないくらい柔らかくて、温かくて、しっとりしていて――気持ちいい。

 彼女の舌がぬるりと動いて、僕の唇をやさしくなぞってくる。

 ちゅっ、ちゅくっ――小さな音を立てながら、キスはだんだん深くなっていった。


「んっ……はぁっ……あむっ……♡」


 彼女の吐息が混ざってきて、舌も絡んできて、頭がカーッと熱くなる。

 まるで毒でも飲まされたみたいに、思考がぼやけてゆく。


 もうろうとする意識の中で、ふと疑問が浮かぶ。


(……なんで、こんなことになってるんだっけ?)


 その答えを探すように――僕の意識は、数時間前へとさかのぼっていった。















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