記憶喪失もの、存在の探求ものが好きな読者にオススメ

元は王国で活躍していた女騎士。しかし今は魔道人形として、すべての記憶を失っている彼女。自分とは何か、自分自身であり得るのか、という問いを抱えながら旅を進める物語。
冒頭の目覚めシーンは、不安感と謎を同時に提示する構成で、「この世界は何か」を読む者に早く知りたくさせます。
主人公が“かつての女騎士”という背景を持っている点をぼんやり匂わせつつ、今の自我との断絶を感じさせる描写が続きます。
「私は私であり得るか」という問いをファンタジーの衣で纏わせた物語です。ミステリアスで静かな導入ながら、葛藤を据えた構成が効いています。
記憶を取り戻す展開に向けて、ヒントや伏線を織り込むなどすると、読者の“もう一歩先を読みたい”気持ちを惹きやすくできるかもしれません。