第42話 絶望の翼 ― 修繕士たちの連携
黒炎の嵐が森を焼き払い、空を覆った。
木々は灰となり、地面は黒くひび割れる。
まるで大地そのものが、彼女の翼に喰われていくようだった。
「これが……“終焉の修繕士”の力……」
セリーヌが防御の魔法陣を展開しながら、声を震わせる。
「世界を繋ぐはずの修繕を、終わらせるために使っているなんて……!」
「リオン、退け!」
ロイが叫ぶ。
「今のお前じゃ命を削り尽くすだけだ!」
だが僕は首を振った。
「違う! 一人じゃ無理でも、僕たちには仲間がいる!」
その言葉に、ルシアが剣を高く掲げる。
「私が道を切り開く! リオン殿は修繕に集中を!」
そしてアレンが一歩前へ進む。
かつて影に囚われていた彼の瞳は、今は確かな光を宿していた。
「……僕も、もう逃げない。奪う修繕しかできなかったけど……リオンが示してくれた。“繋ぐ”ために、この力を使う」
女魔導師の紅い瞳が彼を射抜く。
「愚か者め。お前は私の器であったはずだ。それを捨て、人間に戻ったつもりか?」
アレンは静かに答えた。
「人間に戻ったんじゃない。思い出しただけだ。“誰かを守りたい”って気持ちを」
その言葉に、僕の胸も熱くなる。
「アレン……!」
黒炎の矢が一斉に放たれる。
ルシアが剣で切り払い、ロイが盾で受け止める。
セリーヌの魔法が炎を相殺し、僕とアレンは力を合わせて大地を修繕し、崩れる戦場をつなぎ直した。
「行け、アークレア!」
僕の声に応じ、機神兵が巨腕を振り下ろす。
黒炎をまとった翼と激突し、轟音が森全体を揺らした。
光と闇が拮抗する中、女魔導師が嗤う。
「無駄だ。人の連携など脆い。やがて亀裂が走り、崩れる!」
僕は叫んだ。
「違う! 修繕は亀裂を繋ぐ力だ! どれだけ壊れても、何度だって繋ぎ直す!」
アレンも声を重ねる。
「奪うためじゃない! 未来を守るために!」
僕たち二人の修繕士の力が共鳴し、光の糸が空を駆け抜ける。
それは黒炎の翼を裂き、夜空に一筋の輝きを刻んだ。
一瞬だけ、女魔導師の瞳に苛立ちが走る。
「……ほう。少しは楽しませてくれるようだな」
次の瞬間、彼女の翼がさらに広がり、闇が夜空そのものを覆った。
まるで世界が終焉へと引きずり込まれるかのように。
「みんな……ここからが本当の戦いだ!」
僕は拳を握り、再び前へ踏み出した。
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