祭り囃子
金星タヌキ
祭り囃子
祭り囃子
※作中に一度も【いくら丼】が出てきませんが
この作品は〈いくら丼にフィーチャーした作品〉です。
最終判断は 主催者様に委ねます。
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ヨイサッ ヨイサッ ヨイサッ ヨイサッ
若衆達の威勢のよい掛け声に合わせて神輿が熱気に浮かされたように上下する。
屋根に付けられた宝玉が周りを囲む幾多の提灯の映り込みで朱く輝き
欄干飾りの金具は 観光客のフラッシュに白銀に煌めく。
祭りのフィナーレ。
神輿環御の儀に沸く 朱色の大鳥居前。
その喧騒の横をキミと2人抜け 100軒近い夜店が並ぶ参道へと入る。
今日のキミは 緑地に熱帯の樹々をあしらった浴衣姿。
SF好きのキミが持つと手に下げた赤い水風船も まるで火星に見える。
10日前 祭りのはじめには閑散としていた境内は 今は押すな押すなの人だかり。
どの貌も笑顔に溢れている。
キラキラとLEDで煌めくカチューシャとステッキを持った魔法少女。
こっちの少年の被ったお面は ロボットか? それともサイボーグ?
朱色と金に光る小魚を透明な袋に入れた女の子は
「この金魚 大きくなるまで育てるの」
と 母親に熱心に話し掛けている。
色んな店が出てる。
そぞろ歩くキミは ホントに熱心に一軒一軒 見て廻る。
お化け屋敷。
随分怖いのもあったらしい……。
不思議な色と味のスムージー。
一体何が入っているのか 正体不明。
でも 美味しかった。
それで いいじゃないか。
見る角度によって
男の子が女の子に変わるボール。
こっちの店は『環境に配慮した材料使用』って大書きしてある。
夜店も時代に合わせてなのかもね。
キミの笑顔につられて ボクの心にも そぞろ神。
勧められるままに 一軒の屋台を覗く。
『星つかみ』
どーせ いつも大して取れやしないから……
そんなこと言いながらも キミに少しいいとこ見せたくて。
グッと掴んでみたら 驚くほどの煌めく星々。
明日の朝には アクリルの只のオモチャに戻るって知ってるけど。
人混みの参道の一番奥。
朱色の社殿に辿り着く。
豊漁祈願の幔幕に 積み上げられた米俵。
この豊穣に感謝する 年に一度の秋大祭。
柏手を打って
熱心にお祈りをするキミの横顔をチラッと確かめてから
ボクも眼を閉じ お祈りをする。
『また 来年も こんな楽しいお祭りに キミと来れますように』
ありがとう みなみ。
大好きだよ。
祭り囃子 金星タヌキ @VenusRacoon
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