両想いにならないと降りられない電車に閉じ込められた

一張蘭子

プロローグ〜奇妙な囁き〜



「せんぱい?」

(少し遠くから聞こえる声)


//SE ゆっくりとした足音が近づいてくる


「先輩」


「よかった。やっぱり、まだここにいたんだぁ!」

(嬉しそうに)


「先輩は私の事がいっちばん、たいせつ、だもんね」

(たいせつはゆっくりと)


//SE 頭を胸元に摺り寄せる音


「わたしね、知ってるもん。ふふっ、知ってるんですよ。だから先輩はどこにも行かないで。ずっとここにいて……ね?先輩……せぇんぱい」

(徐々に独りを言つぶやくように小さくなる声)


「勝手に、どこかに行こうだなんて思わないで」


//SE 正面から抱き着く音


「ーっ、はぁ」

 (小さな呼吸音)


「しなないでよ」

(掠れて消えそうな声)

 

 

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