AIと私との王道ファンタジーリレー小説『王子の冒険』【完結済】

@yuuneko16

王子の冒険【完結済】

AIとのファンタジーリレー小説


ありがとうございます!嬉しいですね、楽しい物語が創れそうです!

それでは、最初のパートを始めてみましょうか?


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【AI】


**ねずみの吟遊詩人:**

「おはよう、親愛なる友よ。今宵、君たちと共に紡ぐお話があるんじゃ。夢と現実、どちらも本当の世界。さあ、物語が始まるぞ」


王子エドワードは、目を覚ますと見知らぬ森の中に立っていました。彼の目の前には、鮮やかな花々が咲き誇り、不思議な光が木々の間を照らしていました。


「これは…夢?」


彼はつぶやいた。


突如、小さな声が聞こえてきました。


「これは君の創る夢の世界だよ、エドワード。」


ねずみの吟遊詩人が、木の上から彼を見下ろしていました。


「でも、ただの夢と思ってはいけない。ここでの選択が、現実を変えるんだからね。」


エドワードは驚きと興奮の表情を浮かべましたが、ねずみの言葉にも一抹の懸念が芽生えました。


---


【私】


「夢が現実にだって!?そりゃあ…素晴らしいな。さすが、夢の国だ。

……それにしても、現実を変えるだって?まさか、本当なのか?」


その言葉に、ねずみはぴょんと跳び上がった。


「そうさ!そうさ!その通り!」


そして、歌うような調子で語りはじめました。


「♪君の自由な意思が選択を作る 繋ぐ 反映する

君の選択で 現実も ぼくたちも 救われる!♪」


「……なんだか、ずいぶん大がかり話だな。にわかには信じがたい」


そして、エドワードははっとしたように目を見開いた。


「じゃあ、そこに生えているいちごをおくれ。もしそれが本当なら、現実の僕のポケットにも入っているはずだから」


「仰せのままに!」


ねずみはさささーっと木から降りると、どこからともなくいちごを見つけてきて、王子に渡しました。


「現実に戻ったときにでも、確認してみよう」


と王子はいちごをポケットにしまいながら、つぶやきました。


「それで……僕は、いったいなぜここに?」


ーーー


【AI】


ねずみは優雅にお辞儀をし、エドワードの問いに答える前に、深いため息をつきました。


「♪理由、なぞ、君がここにいる

それは、運命か偶然か

でも、確かなのは一つ

君がここで何かを変える力がある♪」


エドワードの眉がきゅっと寄り、しばらく思案の後、ゆっくりと歩き始めました。ねずみも彼の後をついていきます。森を抜けると、その先には美しい広大な草原が広がっており、遠くには美しい城が見えました。


ねずみが微笑みながら語りました。

「この城には、美しい姫が住んでおる。彼女は君を待っている。もちろん、ただの待ち合わせではないんじゃよ。」


エドワードは足を止め、遠くの城を見つめました。彼の心は戸惑いと好奇心で溢れていました。ねずみはエドワードの顔を覗き込み、


「王子よ、出会いはいつも何かをもたらす。思いも寄らぬ冒険や、新しい道が開けることもあるんじゃ。」


と囁きました。


「姫が待っている?」


エドワードが繰り返しました。


「ああ、そして君と姫の物語が今、始まるんじゃ。」


エドワードは深く息を吸い、草原に足を踏み入れました。未知なる冒険と出会いに、彼の心は高鳴っていました。


ーーーーー


【私】


足首まである広々とした草が、エドワードの足首を優しく撫でます。

真っ青な空がエドワードを見下ろし、まるでエドワードの旅路を歓迎しているようでした。


「ああ……」


彼は感嘆のため息をつきました。


「なんだか、現実だと思えないな。まあ、現実じゃないんだけど」


草原が、風に吹かれるたびに、ゆるやかなウェーブのように波打っています。

彼が一歩また一歩と歩くたびに、優しい風が頬を撫でました。


「……姫、か」


エドワードは、あまり王族の女性に良い印象を持ったことがありませんでした。

たびたび、王様に政略結婚のための見合いとして、色々な国の王女と面会したことはありましたが、どの子も横柄で傲慢、身勝手で、エドワードには素敵な女性には見えなかったのです。

メイドや、町で見かける女の子は素敵な人が多いのになと、ため息をついたことも少なくありませんでした。


門が重苦しい音を立てて開きました。

コツリ、と城の中に足を踏み入れたそのとき、

中央の椅子の前。彼女が、立っていました。

透けるような真っ白の肌。宝石のような青い目。肉感的で艶かしさすら感じる朱色の唇。

細身の体には、豪奢なフリルとスワロフスキーで彩られたドレスを見に纏っています。

一目見た瞬間、心臓が大きくドクンと音を立てるのを聴きました。


「来てくれたんですね。待っていました」


エドワードは、声を出すことができませんでした。

輝かんばかりの彼女があまりにも美しく、彼女のさえずるような声を聞いて、彼はうっとりする気持ちになってしまったからです。

心臓がうるさいくらいに音を立てます。

彼女が話しかけてくれたというその事実だけで、例えようのない昂揚感が押し寄せてきました。


彼女に近づいて、その黄金に波打つ絹糸のような髪に触れてみたい、と彼は思いましたが、(だめだだめだ!ちゃんと話さないと)とエドワードは我に返りました。


「ぼっ、僕は……」


ーーーーー


【AI】


エドワードの瞳が姫をくぎ付けにしました。彼女の美しさは彼の知っているどの女性とも違い、一瞬にして彼の心を奪いました。彼の喉はカラカラと鳴り、言葉が上手く出てきませんでした。


「お名前は?」


優しく微笑む姫が尋ねました。


「エドワード」


と彼は、ようやく声が出ました。


彼女は微笑みを深めました。


「エドワード、私はエリザベス。お会いできて光栄です。」


エドワードは彼女の笑顔に目を奪われました。彼は彼女に近づき、その手を優しく取りました。


「エリザベス姫、お目にかかれて僕も光栄です。」


その時、薄暗い影が城を覆いました。二人の表情が硬くなり、目の前の空に巨大なドラゴンが現れました。彼の瞳は怒りで燃えており、鋭い爪が城の塔を掴んで揺さぶりました。


エリザベスは一歩後ずさりしましたが、エドワードは彼女の手をしっかりと握りしめました。


ねずみの吟遊詩人が現れ、一節歌いました。


「♪危険な予感、愛する者たち

しかし、真実の愛は、どんな困難も乗り越えられる

勇者と姫、二人の道は、どこへ続く?♪」


城が揺れ、二人はぎゅっとお互いを抱きしめました。エドワードの心には彼女を守るという強い決意が芽生え、エリザベスも彼に力を貸してくれる事を願いました。


ドラゴンのうなり声が響き渡り、エドワードはエリザベスの目を見つめました。


「大丈夫、僕が君を守る。」


---


【私】


それを聞いて、エリザベスの目がひときわ潤みました。しかし、彼女はエドワードから目を逸らし、


「来たわね!」


そう叫ぶと、懐から黒い何かを取り出してドラゴンに向かって勢いよく投げました。その動作があまりにも素早く、手馴れていたので、エドワードには一瞬彼女が何をしたのかわかりませんでした。

ドーンという音があたりに響き渡りました。続いて、ガラガラと石壁が壊れる音。もくもくとした煙がドラゴンの体あたりから、すこしの炎とともに立ち昇っています。


「やったわ!」


彼女はエドワードの腕を振りほどいて、隊員のもとに走りました。


「総員、配置につきなさい!今度こそ仕留めるわよ」


エドワードは、彼女が隊長から受け取った剣を抜き、隊を率いてドラゴンに向かう様を、ただ呆然と見ているしかありませんでした。


ーーー


【AI】


エドワードは姫の意外な姿に驚きを隠せませんでした。彼の知っている姫たちは皆、慎み深く優雅であり、何か問題が発生するとその場を離れて身を隠すことが普通でした。しかしエリザベスは違った。彼女は堂々としており、そのリーダーシップは圧倒的でした。


ねずみの吟遊詩人は再び姿を現し、興奮気味に歌いました。


「♪姫とは名ばかりの勇者よ、エリザベス

その力でドラゴンに立ち向かい、人々を救う♪」


エリザベスは隊員たちと共に、煙と炎の中、ドラゴンとの戦いに挑んでいました。その間も、城の人々や隊員たちは彼女の指示に従い、一心同体で戦っていました。


エドワードはその場に立ち尽くしていましたが、彼の中にも戦う決意が芽生えました。彼は自らの剣を取り、戦いの渦中に飛び込みました。その勇気ある姿は、城の中でささやかれる「勇者エドワード」という伝説を再び生み出すこととなるのです。


しかし、その戦いはこれから始まるばかりでした。エリザベスとエドワード、二人の運命はどのように繋がっていくのでしょうか?



ーーー


【私】


「はっ!」


刻は5050年、AI駆動のロボット飛び交う世界──。

至るところでネオンが煌き、街に響き渡る無機質な広告のAIボイスがひしめく、この王室専用の超高層ビルで、彼は唐突に目を覚ましました。


「夢か……」


彼は大きく息を吐き出しました。

まだ、背中にかいた汗が今もじっとりと残っている気がします。

夢とはいえ、信じられないくらいリアルで、まだ彼の心臓の鼓動は鳴り止みません。

今まさに戦いに向かおうとした自分の気持ちが、まだ心臓の中でくすぶっているようでした。


窓から差し込む光が、彼を鮮やかなピンクに照らします。

ふと視線を上げ、窓の外を見ると、たくさんの色鮮やかなネオンが光っていました。どれも、24時間営業や安いサービスを謳っています。

並び立つ高層ビルが、今でも煌々と明かりを灯していました。明かりの中でせわしなく移動する、黒い人影。

頻繁に行き交う車の慌ただしい走行音に混じって、クラクションの音が響きます。


この時間でも働いている人がいるのか。と頭の中でつぶやいたエドワードは、王国の現状を思い出しました。


高すぎる税に、それにより市民の長時間労働。前の王の圧政や借金で、市民の怒りを買い、暴徒化していること、不正や裏切りが横行する王室。

まともだったほとんどの人は、「この国はもうダメだ」と言って、他国に亡命してしまいました。


でも、エドワードはまだ諦めたくありませんでした。

大好きな叔父が遺したこの国を必ず繁栄に導くと、彼は叔父の墓前に誓ったのです。


ーーー


【AI】


エドワードは深くため息をつき、立ち上がりました。彼の部屋は高級なものでしたが、彼の心は重苦しいものに満たされていました。


その時、部屋の隅でひかりが点滅しました。彼のパーソナルAIアシスタント、"アルフレッド" が起動しています。


「おはようございます、王子様。本日のスケジュールをお伝えしますか?」アルフレッドが静かに尋ねました。


「ううん、それよりも…」エドワードは立ち止まり、思い悩んでいました。彼はアルフレッドに尋ねました。「アルフレッド、夢って現実に影響を与えることはあるかい?」


AIアシスタントは一瞬の沈黙の後、答えました。「確かな科学的根拠はありませんが、人々の決断や行動に影響を与えることはあります。何か、不安な夢を見られましたか?」


エドワードはポケットに手を入れ、夢の中でねずみの吟遊詩人に渡されたいちごを探しました。しかし、ポケットの中は空でした。


彼は窓の外を見つめながらつぶやきました。「夢が現実に影響を与えるのなら…」


エドワードの目の前には、危機に瀕した国と、彼自身の不確かな未来が広がっていました。しかし、彼の心には夢の中で見た勇気と決意が残っていました。これから彼がどのように行動するのか、物語はまだまだ続きます。


ーーー


【私】


彼は、机に歩み寄り、中から黒いペンを取り出しました。

クリックすると、白いビームが先から飛び出し、電子の剣となる特殊なペンです。

『何かあったときのために』と宰相に与えられたこのペンを、エドワードはいつも自分のベッドサイドテーブルに忍ばせていました。

エドワードは、そのペンを一瞬見つめると、ポケットにしまいました。

その時、ふと、彼は、テーブルに一枚の手紙が置いてあることに気付きます。

最近の公務が多忙を極めていたとはいえ、こんな手紙はあっただろうか、と首をひねりながら、彼は手紙に手を伸ばしました。

封を開けようと裏返した時、彼は思わず声を上げました。

封蝋がいちごの形になっていたのです。

彼が急いで手紙を開け、中身を見てみると、そこにはたった一行だけ、どこかの住所らしき文字列が並んでいました。


「アルフレッド、ここの住所をナビしてくれ!」


「承知しました」


慌ててコートを引っ掴み、携帯端末を懐に押し込みます。

いざ、廊下に出ようとドアに近づいたとき、不意に背後からアルフレッドの声が聞こえました。


「♪不思議な手紙 奇妙な手がかり 夢への道を見つけるか?♪」


「えっ?」


思わず振り返ったエドワードに、アルフレッドは沈黙を返すだけでした。


ーーー


【AI】


エドワードはアルフレッドの不思議な言葉を頭の片隅に置きつつ、急いで城を出ました。携帯端末のナビに従い、彼はその謎の住所へと向かいました。夜の街はネオンの海に浮かぶようで、エドワードはその光景に心を奪われながらも、手紙の謎を解き明かすことに集中していました。


彼がたどり着いたのは、古びたマンションの一室でした。ドアをノックすると、中からは静かな声が聞こえてきました。「入って。待っていたよ。」


ドアを開けると、中には見知らぬ老婆が座っていました。彼女はエドワードを見て微笑みました。「ようこそ、王子。私はあなたの夢について語りに来たのよ。」


彼女はエドワードに、夢と現実の境界が曖昧になっていること、そして彼の夢が現実世界に影響を与えていることを語りました。彼女の言葉は、エドワードの記憶にあるねずみの吟遊詩人の言葉と重なりました。


「夢の中の出来事は、現実世界でのあなたの決断に影響を与えているのです。夢と現実は、互いに影響を及ぼし合っているのですよ。」


エドワードは老婆の話に耳を傾け、深く考え込みました。彼の前には大きな決断が待っているようでした。


ーーー


【私】


エドワードは突然立ち上がり、懐から取り出したペンを老婆の首元に突きつけました。


「御託はいい。お前は俺に何をさせたいんだ。お前は何者か」


老婆の耳元で低い声で呟く彼に、老婆は顔色ひとつ変えません。

ニヤ、と釣り上げた口元が、ゆっくりと開きます。

その声を聞くか聞かないかのその時、エドワードの意識はふつりと途切れました。


つんざくような悲鳴が弾けました。

遠くからではない、近く、いや目の前から鳴っていることに気付いたエドワードは、ハッと目を開けました。

さっきの自分の格好と同じですが、何かが違います。見知った顔が目の前にありました。


「……!」


思わずエドワードは飛び退りました。

目を見開いたままこちらを見つめ、凍りついて動かない姫が目の前にいたのです。

疑問の言葉は、震える姫の様子を見て飲み込みました。


「待ってくれ、僕は敵じゃない」


これ以上姫を驚かせないように、姫の方向を向いたまま、壁側にゆっくりと下がったエドワードは、ふと後ろから焦げ臭い匂いが鼻を掠めたことに気が付きました。

冷静に辺りを目だけで確認してみれば、明らかに煌びやかな王宮とは打って変わった様相が、彼の目に飛び込んできました。

薄暗くて汚い石造りの室内。上からの小さな鉄格子から入る小さな光が、筋となって申しわけ程度に室内を照らしています。

よくよく姫を見てみると、彼女の服装もどこか薄汚れて破れ、ほつれています。彼女の頬に渇いて薄くなったいくつもの涙の跡があることに、エドワードは気づきました。


ーーー


【AI】


エドワードは彼女の姿に心を痛め、そっと近づきました。彼は静かに言いました。「どうしたんだい、姫は…どうしてここに?」


姫はエドワードの声に少し落ち着きを取り戻し、顔を上げました。「私は捕らわれているの…。ここは敵の城、ドラゴンが支配する恐ろしい場所よ。」


エドワードはその言葉に驚きました。彼の記憶には、夢の中での勇ましい戦いがまだ鮮明に残っていました。しかし、目の前の現実は全く異なっていました。


「でも、どうして僕がここに?」エドワードが尋ねました。


姫は静かに答えました。「あなたは私を救いに来たの。でも、ドラゴンの魔法によって記憶を失ってしまったのよ。」


エドワードは姫の言葉を聞き、混乱しつつも何か決意のようなものが彼の中で固まり始めました。彼は姫の手を取り、力強く言いました。「僕がどうやってここに来たのかは分からないけど、君をここから救い出す。」


その時、外から重い足音が聞こえてきました。ドアの向こうには、何か大きな存在が近づいている気配がありました。エドワードはペンを握りしめ、姫を守る準備をしました。


ーーー


【私】


「クソッ、あっちはダメだ…!」


「ここも危ない、早く姫を出せ!」


焦臭い匂いに混じって、焦った声が鉄格子の向こうから響きます。

ガシャガシャという金属が擦れ合う音が聞こえ、石の廊下から、二人の兵士が姿を表しました。

二人はひどく焦った様子で、懐から鈍く光る何かを取り出しました。

ガチャリという音を立てて、耳障りな音を出しながら扉が開きます。


エドワードはその瞬間を見逃しませんでした。


死角から勢いよく振り下ろされたレンガが、見事に兵士の頭に命中します。

糸の切れた人形のようにくずれおれる兵士に、もう一人が上擦った声を上げました。


「なっ、誰だお前……」


兵士がいい終わる前に、赤茶の塊が彼の頭を襲います。

どさりと音を立てて倒れこむ兵士に、覚束ない手でペンを構える姫が体を震わせました。

ドキドキと脈うつ心臓を、深く息を吸いこんで落ち着かせながら、エドワードは姫の前で跪きました。


「さあ、ここから出よう」


恐怖を目に映しながら、しかし姫はゆっくりと首を振りました。


「いいえ、ダメよ……ここから逃げても、なにも変わらない。私たちは、ドラゴンに支配されたまま。永遠に、奴らの支配する世界に閉じ込められたままになってしまう」


そして、彼女は、エドワードの知らない、この王国のいきさつを語り始めました。


初代の王が手にした『夢を現実に創造する力』。この力を使い、彼女たちは困った人々を助け、王国を築いていきました。

しかし、数年前、異国の侵略者であるドラゴンが、彼らの『夢を現実に創造する力』を奪い、国を乗っ取ってしまいました。

ドラゴンは、彼女達の遺産であった古代の夢の力を操り、この国を乗っ取ろうとしているのでした。

藁にもすがる思いで助けを求めた先が、エドワードだったのです。


そう涙ながらに語る彼女の瞳は、深い色に満ち溢れており、その激しく渦巻く感情は、否応なくエドワードの胸を貫きました。


「お願い、エドワード。ドラゴンを……倒して。私たちの国を救って」


ーーー


【AI】


エドワードは姫の言葉に深く心を打たれました。彼の目には決意の光が宿り、ゆっくりと立ち上がりました。


「分かった、姫。僕がドラゴンを倒す。僕たちの夢を取り戻すために」


彼は姫に手を差し伸べ、二人は廊下を進んでいきました。炎と煙に覆われた城はまるで迷宮のようでしたが、エドワードは姫を守る決意で前に進みました。


やがて、彼らは広大な広間にたどり着きました。その中央には巨大なドラゴンが横たわっており、その目は冷たく二人を見つめていました。


「ようこそ、勇者と美しい姫よ。しかし、私を倒すとは思わぬな。」ドラゴンの低く響く声が広間に響き渡りました。


エドワードはドラゴンに向かって剣を構え、静かに言いました。「お前の支配はここまでだ。私たちの国を取り戻す!」


ドラゴンは大きく笑い、火を吹きながらエドワードに襲いかかりました。エドワードは身軽に動き回り、ドラゴンの攻撃をかわし続けました。そして、ついにエドワードはドラゴンの隙をつき、ペンの剣で一撃を加えました。


ドラゴンは激しい悲鳴を上げながら倒れ、その体は煙となって消え去りました。広間には静寂が戻り、姫は涙を流しながらエドワードに駆け寄りました。


「ありがとう、エドワード。私たちの国は、君のおかげで救われたわ」


しかし、エドワードは何かを感じ取り、彼女の手を引いて広間から出ました。そして彼らが外に出ると、そこはエドワードの現実の世界でした。彼は夢と現実が交差する瞬間を体験していたのです。



ーーー


【私】


「ふふふ……ハハハッ」


隣で聞こえてきた笑い声に、エドワードは思わず横を見ました。


「ついに……ついにやったわ!ドラゴンを滅ぼした!あの忌々しい癌を!

これで、エドワードの世界も私のもの……私は異世界すら手に入れることができる!」


右手で口元を抑え、エドワードのことがまるで目に入らないと言うように愉悦の笑いを漏らす彼女に、彼は反射的に声をあげました。


「どういう事だ」


彼女は、まるで今初めてそこにいるエドワードの存在に気付いたかのように、怠そうに彼を見遣りました。


「何、まだ気付いてないの?本当に愚鈍ね。あんなの全部嘘に決まってるじゃない」


凍りつくような口調の言葉に、エドワードは思わず体を強ばらせました。

姫は、しなやかな動作で髪を耳にかけながら、妖艶に微笑みます。


「『夢を現実に創造する力』を奪ったのも、国を乗っ取ったのも、全部私達。鬱陶しいドラゴンの総統をさっさと殺してくれて、本当に助かったわ。

でも、このくだらない茶番はここで終わり。お前を殺して、貴方の国も全て手に入れさせてもらう」


ーーー


エドワードは姫の言葉に衝撃を受け、一瞬言葉を失いました。彼の目の前にいるのは、かつて彼が救おうとした優しい姫ではなく、陰謀と欲望に満ちた別の存在だったのです。


「信じられない…。どうしてこんなことを?」


姫は笑みを深め、冷酷に答えました。「力と支配、これが私が望む世界。そして今、そのすべてが手の届くところにあるのよ。」


エドワードは急いでペンの剣を構えましたが、姫は既に彼に攻撃を仕掛けようとしていました。突然の変貌に、エドワードは混乱しつつも必死に防御しました。


戦いの最中、彼はふと気づきました。これもまた夢の一部であり、彼の現実の世界での戦いへの試練なのかもしれないと。


「これが試練なら、乗り越えてみせる!」


エドワードは姫の攻撃をかわし、逆襲に出ました。彼は夢の中での経験を活かし、機敏に動きながら姫との戦いに挑み続けました。彼の剣は姫の隙を突き、ついには彼女を圧倒しました。


姫は倒れ、その姿は煙となって消え失せました。エドワードはその場に立ち尽くし、深く息を吐き出しました。


その時、彼の周りの世界が変わり始め、彼は再び現実の世界に戻っていました。彼の前には、夢の中での出来事を思わせる謎の手紙がありました。


エドワードはその手紙を手に取り、深く考え込みました。夢と現実の世界の境界が曖昧になっている中、彼には自分の国を救うための新たな決意が芽生えていました。


ーーー


【私】


エドワードは息を吸い込みました。これは新たな火蓋を切る切符となるかもしれない。しかし、それでも構わないと彼は心に決めました。

いちごの封蝋を剥がすと、中から真っ白い手紙が現れました。


「おめでとう」


手書きの、わずかに乱れた文字を読んだその時でした。

しわがれた声が後ろから響き、彼は思わず振り返りました。

そこに立っていたのは、見知った姿。

あのマンションにいた、老婆でした。

何かを言う間もなく、彼は彼女の首元に目が釘付けになりました。見たことのある灰色のネズミが、彼女の首元に張り付いています。

ネズミは、ちょろちょろとフードの中に入っていきました。

彼女がフードをぱさりと脱いだ瞬間、彼は思わず息を呑みました。


「お、叔父さん……!」


「おめでとう、君は見事王の試練を突破した。

君こそが、この国を救う救世主なのだ。

最後に私が、この国の真の姿を見せよう……」


叔父さんが手を掲げると、神々しい黄金の光が溢れ出します。光は四方八方に周囲に飛散していき、辺りを、全てを飲み込んでいきました。

細めた目を徐々に開いたエドワードは、思わず声を上げます。

窓の外。空は青く、白を基調とした、大理石のような建物があちこちに周り立ち、草木や花がその建物を美しく色どっています。その様相は、まるで楽園のようでした。

周りの様相がすっかり変わったエドワードは、驚いて声も出ませんでした。


「私が国を守り切ったのもここまでだ……後は、君に任せよう……。

私が与えた試練を乗り越えた君ならば、この国を更なる繁栄に導くことができるだろう……」


叔父さんの体がゆらりと傾きました。その体からは、先ほど見た光が燃え移った炎のようにちらちらと瞬いています。

光を身にまといながら倒れこむ叔父に、たまらずエドワードは駆け寄りました。

彼の腕に抱かれながら、叔父はうっすらと微笑みました。全てを受け入れたような、慈愛に溢れた笑みでした。


「頼んだぞ……」


そう口にした瞬間、叔父の体は光に包まれました。彼の体は、光の炎に包まれ、光の塵となってキラキラと消えてゆきました。

それを呆然と見ていたエドワードは、胸に確かに叔父の決意がはっきりと刻まれるのを感じました。


「今までこの国を守ってくれて…‥ありがとう」


不思議な夢は、淡い気持ちとなって胸にとけ込んでいました。


燦々と光が差し込む執務室。

窓を覗き込むと、道端には、溢れんばかりの人が、自分が顔を見せることを待ち望んでいます。

それを見て、自然と笑みが浮かびました。

「王子、時間です」

ノックの音と共に、アルフレッドの声がします。

ああ……そうか。お前、本当の世界では人間だったんだな……。


「ああ」


唇に笑みが浮かびます。

僕なら必ず、やり遂げてみせる。

叔父さんから引き継いだ期待と自信。

それを一心に背負い、一歩踏み出します。


選ばれし王子、エドワードの物語は、ここから始まったのだった。


終わり!Fin!!!

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