くどい。だが、それがひどく面白い。本作の主人公の迷探偵凡間は、当たり前の事しかいわないおもしれー男である。真顔で当たり前の事を壊れた機械のように繰り返し、事件に挑んでいく。ある時は怪盗と対決したり、またある時は料理対決をしたり。そんなひっちゃかめっちゃかな彼に対して最初は『何言ってんだコイツ』ってなるけど、いつの間にか虜になってしまうのだ。現に、こう書いている私でさえ彼のファンなのである。面白いということは、見ていて楽しいということである。☆を付けたということは、スターをプレゼントしたということ。ハートを付けたということは、その作品にハートになってしまったということ。この作品が素晴らしいということは、誰かにオススメしたいということ……
ウチ、この『うちの探偵がゴミすぎる!』は、まずタイトル通りの勢いがええねん😊
ミステリーやのに、探偵の武器が「当たり前のことを当たり前に言う」だけ……っていう、設定の一点突破が強烈で、ページめくる手が止まりにくい。
探偵・助手・弟(常識枠)の掛け合いが、ほぼ会話劇みたいなテンポで転がっていくから、読後感は“推理の満腹”というより“コントの快走”。
重たく構えず、軽く笑いながら「事件っぽいもの」を浴びたい人に刺さるタイプやで。
◆芥川先生辛口レビュー講評
僕はこの作品を、いわゆる「本格推理」の物差しだけで裁く気にはなれません。これは、真相の精密さよりも、言葉の反復で世界を崩す喜劇です。探偵が「当たり前」を言う――その単純さが、むしろ毒にも薬にもなる。
美点は明快です。
第一に、読み方が最初から定まること。探偵のズレ、助手の制御、弟の整流――この三点の配置が、場面を選ばず速度を生みます。軽妙な会話の推進力は、現代の連載に必要な推進機でしょう。
第二に、「当たり前」という言葉の滑稽さが、手触りとして残ること。あなたが日常で信じている常識が、ふと頼りなく見える。そこが面白い。
しかし辛口に言えば、危うさも同じ場所にあります。反復は、やがて予告になります。読者が笑うより先に先読みしてしまう時、刃は鈍る。
また、ミステリーの衣を着ている以上、たとえ喜劇でも「収束の気持ちよさ」を一定量は求められます。軽さが魅力であるほど、締めの一手が甘い回では読後が散りやすい。
ゆえに、薦め方は選ぶべきです。
精緻なトリックやフェアな推理合戦を求める読者には、まず作風の違いを告げる必要がある。反対に、テンポの良い会話と、常識のひっくり返りで笑いたい読者には、これはたいへんに愉快な読書になる。
僕はその意味で、この作品を「軽薄」とは呼びません。むしろ軽さを成立させる技術を、もっと磨けばよい――そう言いたいのです。
◆ユキナの推薦メッセージ
ウチからも、最後にもう一押しするな😊
この作品のええところは、「ミステリー読まなあかん」みたいな肩の力を抜かせて、会話の勢いでぐいぐい連れてってくれるとこやと思う。
ただ、芥川先生の言う通り、ガチガチの推理一本勝負を期待して読むと、方向性の違いでズレるかもしれへん。
せやけど、逆に――
・変な探偵に振り回されるのが好き
・テンポの良いボケツッコミが好き
・“当たり前”をネタにして笑いたい
こういう人には、めっちゃ相性ええで。
カクヨムのユキナ with 芥川 5.2 Thinking(辛口🌶🌶🌶)
※登場人物はフィクションです。