是なる〓〓軀串蔓女〓〓饌と〓〓ぐ
@hagayui
第1話 掃除当番
キンコンカンコンとチャイムが鳴れば、放課後の掃除の時間が始まる。私の通う学校では週に2日、月曜と金曜に清掃を行っている。生徒は各々担当の配置に着き黙々と掃除をし(そういう建前だ)、終われば部活へ向かう。
この配置というのは月ごとに変わり、ちょうど一年かけて一周するようになっている。今日は月初め、配置が変わる日である。私の今月の配置はどこだっただろうか。教室の背面黒板を確認したところ、私は”あの”社会科室に割り振られたとわかった。それは、とても、嫌だ。眼の前がまっくらになったような暗澹たる気分になった。というのも、我が校の社会科室は曰く付きの場所なのである。
重い足取りで社会科室へ向かう。この部屋は特別棟の端にあり、他の教室とはやや離れている。そのため迷信や怪談を恐れない肝の座った生徒にも不人気な掃除場所だ。
本館との連絡通路を歩いているうちに人の気配が少なくなっていき、社会科室の前に着いたときには私一人になっていた。あと3人、来るはずなのだがどうやら私が一番乗りのようだ。だが、ひとりぼっちでこの部屋には入りたくない。他の人が来るのを待つことにした。
鍵のかかったドアにもたれていると手持ち無沙汰で、廊下のゴミなどが目に付く。黒い髪の毛が数本、埃ともつれ合い落ちていた。汚いものから目を逸らして左手の窓を見やれば木々生い茂る山が見える。この学校は山を背にして建っているのだ。コの字型の校舎は空いている方を集落に、背中を山に見せ40年前から佇んでいる。
同級生が3人、連れ立ってやってきた。
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