小サレ記抄録

青切 吉十

編者の辞

表題について

 本書は、我が国の中世末期において、政治の実権を掌握していたオイルタン・サレの日記の一部分である。

 サレは、騎士身分ながら、貴族の慣習を取り入れ、暦記(その日の吉凶および過去の事歴を記した、祭儀用の暦)の余白に、日々の事柄などを記していた。歴史上の重要人物であるサレの日記は、当代を語るうえで最も貴重な史料である。名については、「小サレ記」という通称が一般的であるが、そのほかに、「三代(殿)記」と呼ぶ者もいる。

 現存する記録は、新暦九二八年十二月一日の条から死病に倒れる直前までであり、それがいつ頃から書きはじめられたのかは不明である。

 本書はその中から、史家であるソレブラカエ・ウリンハラが、前四代の乱に関するものを抜粋し、注釈をつけたものである。「小サレ記抄録」という名称で広がっているが、ほかに「前四代記」「続スラザーラ内乱記」とも呼ばれている。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る