BLというタイトルが高らかに謳っているように、本作がクローズアップするのは、男同士の熱い関係を劇の中で取り上げ、青年貴族に愛のソネットまで捧げた「業の深いおっさん」としてのシェイクスピアの側面である。現代日本に転生したシェイクスピアは、自分が偉大な文豪として崇められていることに大激怒。同じく転生していたエリザベス一世の命を受け、悲劇の『ハムレット』を抱腹絶倒のコメディにして配信する一方、ハムレットとホレイショーとクローディアスの濃厚な三角関係を描いたBLを小説投稿サイトに上げていく。一見やりたい放題の本作だが、実際『ヴェニスの商人』や『十二夜』など、シェイクスピア作品にホモエロティックな欲望の可能性を読むのは今や常識と言って良い。シェイクスピアを偉大な文豪として敬遠しがちな人も、本作を読めば、自分の好きなものを自由に表現しようとするクリエイターとしての彼の姿が見えてくるのではないか。