あとひとつだ
@Stonemisaki29031952
あとひとつだけ
あらすじ
深夜、目覚めたあなたのスマホに届く奇妙な通知――「あとひとつだけ」。
画面に映るのは、自分の背後に立つ影。
誰もいないはずの部屋で、迫りくる視線と小さな笑い声。
逃げても、振り向いても、恐怖はあなたを追い続ける――。
じわじわと迫る恐怖と、見えない存在に翻弄される夜。
あなたは果たして、この悪夢から抜け出せるのか。
プロローグ
深夜、ベッドの上で目を覚ます。
雨音だけが窓を叩き、部屋は静まり返っている。
スマホの画面が点滅していた。
見慣れない通知――「あとひとつだけ」
指先が震える。画面に映るのは、自分の部屋を上から撮った写真。
でも、背後には誰もいないはずだった――
この夜、あなたは「振り向いてはいけない」恐怖と向き合うことになる。
第1章「深夜の通知」
深夜、あなたはベッドの上で目を覚ました。
時計は午前2時17分。雨の音だけが窓を叩き、部屋は静まり返っている。
スマホの画面が微かに点滅していた。
見慣れない通知がひとつ――
――「あとひとつだけ」
手が震えながら画面をタップすると、そこには一枚の写真があった。
ベッドの上から撮られた自分の姿。しかし、背後には誰もいないはずだった。
次の通知がすぐに届く。
――「あとひとつだけ、振り向いて」
息が詰まる。心臓の鼓動が耳にまで響く。
暗闇の中、微かに息づかいが聞こえた気がした。
振り向きたい――けれど体は思うように動かない。
スマホを見ると、次の写真が届いていた。
そこには、ベッドのすぐ後ろに立つ影のような人影が映っている。
⸻
第2章「背後の気配」
鼓動が早まる。
息づかいは、だんだん近づいてくる。
部屋の温度が急に下がり、寒気が背中を駆け抜けた。
――「あとひとつだけ…」
その声はスマホからではなく、耳元から聞こえたような気がした。
振り向くと、やはり誰もいない。だが、床に落ちる影が、微かに揺れている。
スマホの画面を見る。
今度は、自分の背中が映っていた。
影は笑っていた。
手が震え、息が荒くなる。
窓の外を見ると、雨の夜空に人影のようなものが、一瞬だけ浮かんだ気がした。
⸻
第3章「逃れられない視線」
あなたは立ち上がり、部屋を飛び出そうとした。
しかし、ドアノブに手をかけた瞬間、スマホが光を放ち、通知が鳴る。
――「振り向かないで」
恐怖で体が固まる。
息づかいは今や部屋中に響き渡り、壁の隙間から影が動くのが見えた。
逃げたい――でも、足は床に吸い付くように動かない。
スマホを手に取ると、画面に映るのはあなたの顔――いや、笑っているのは自分ではない。
その笑顔は、あなたの恐怖を知って楽しんでいるように見えた。
そして、通知が最後に届く。
――「あとひとつだけ…こっちを見て」
暗闇の中で、あなたは視線を感じる。
振り向くと…そこには、やはり誰もいなかった。
しかし、スマホを置くと、背後で小さく、あの笑い声が響いた。
⸻
エピローグ
雨は上がり、夜明けの光が部屋に差し込む。
スマホを手にしていたあの夜の出来事は、夢だったのか現実だったのか――
後に振り返っても確かめることはできない。
ただ、部屋の隅に微かに残る影だけが、あの夜の証人のように揺れていた。
あとひとつだ @Stonemisaki29031952
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