「お願い・・・死んで？」

「一度死んでるんだって・・・もう死ねないからな・・・魂になってから

俺、君のこと気に入っちゃったから、次に死んで魂になっても、また君に入っ

ちゃうよ」

「やめて！！他の人にして」

ひとつの体にふたつの魂・・・元々雛の魂は雛が産まれた時から宿ってるもの

だから後から入った壮介の魂は雛の体に間借りしてるって状態なんだろう。

「そんなことより自己紹介しない？・・・まずはそれが先でしょ？」

「俺、「吉野 壮介（よしの そうすけ）」高校生、17歳」

「ああ、私「桃山 雛（ももやま ひな）」高校生、17歳です」

「つうかさ、俺君のこと知ってるよ・・・クラスは違うけど・・・」

「私もあなたのこと知ってます・・・吉野ってめちゃアホ男子がいるって・・・」

「アホ男子ってなんだよ・・・成績も運動も平均点以上だよ」

「名前だよ・・・それ他のクラスにいる芳野 公介のことだろ？」

「あれ？・・・そうだったの？・・・ごめん」

ふたりはお互いの生い立ちやプロフィールを紹介しあった。

「じゃ〜君のこと雛（ひな）ちゃんって呼んでいい？」

「いいよ・・・私はあなたのこと壮介さんって呼ぶから」

「さんはいらない・・・他人行儀だから」

「他人でしょ？」

「いいの・・・雛ちゃんとはもう他人じゃないから・・・それに俺の

ダチはみんな俺のこと壮介って呼んでるから」

「そうなんだ・・・じゃ〜壮介って呼ばせてもらうね・・・じゃ〜

私のことも雛でいいから」

「分かった・・・雛」

「壮介、こうなった以上しかたないから私の体にいていいけど、遠慮してよね」

「あのね世の中遠慮なんかしてたら、どんどん取り残されて行くの」

「弱肉強食って四字熟語あるだろ・・・・それだよ」

「俺は焼肉定食のほうが好きだけどな・・・」

「うん、まあそこは賛成・・・焼肉は私も好きだから・・・」

「俺が雛の体に入っても体が拒否反応示さないみたいだから相性はいい

みたいだな？」

「私の魂が拒否反応、示してるけどね・・・」

「大丈夫だよ・・・そのうち俺に慣れるから・・・だから早く受け入れた

ほうがいいよ・・・これからラブラブな同棲生活がはじまるんだから・・・」

「なにがラブラブ？・・・それに同棲じゃなくて同居です」

「いやいや・・・これが本当の一心同体なのだよ」

「なに、えばってるの・・・あなた自分を肯定して生きてるタイプでしょ？」

「そうだよ、まず自分を信じること認めること、そしてそこから何ができるのか

を考え、実行する、するとかならず答えにたどり着く・・・それが大事なのだ」

「まあいいです、期本的には私の体だからね・・・壮介は私の体を間借りしてる

だけだから・・・」

「へいへい、だけど家賃は払えないからな・・・」

「まあ、俺がいる限り雛の体はもう難病に悩まされることないから」

「壮介だって心臓悪かったんでしょ？」

「お互い様じゃないの？」

「まあね・・・けど今は魂だけで肉体ないから、そんなの関係ないの」

「でも雛の体に入ったから今は魂じゃなく意識に変わってるけどな・・・」

「だけど、これからが大変だな」

「雛が生きてるって分かったらご家族も医者もびっくりするだろ？」

「まあ、それは生き返っちゃった〜って笑っとけばいいと思うけど・・・」

「この先、俺は雛の家で暮らすことになるんだよな？」

「俺が雛の家に行って雛のご家族にクチ出ししちゃったらマズいよな」

「うちの娘は今度は難病じゃなく精神を患ったって思われるかもしれないし・・・」

「だから俺は雛にしかし話しかけないから・・・今後一切」

「それでいい？」

「よくしゃべるね・・・」

「まだしゃべるよ」

「だからさ、これから一緒の生活が始まるわけだから雛が風呂に入ったりトイレに

行ったり着替えたりするだろ？その時は悪いけど俺の存在忘れてて」

「ああ〜憂鬱・・・そう言う時だけ冬眠とかできないの？」

「クマじゃないんだから・・・だから言っただろ？雛は早く俺を受け入れた方が

いいって」

「俺はもうとっくに雛を受け入れてるよ」

「壮介とは立場が違います・・・私、女だし・・・もうめちゃ恥ずかしい」

「羞恥心、あるからいいの・・・恥かしいって気持ちがなくなったら女の子は

おしまいだよ」

「雛の恥ずかしいって気持ち、俺にとってめちゃ新鮮・・・いいと思う」

「何がいいのよ・・・ああ、もう何かあるたびに喧嘩になっちゃいそう」

雛はまだ気づいてないが、もともと霊感が強かった雛は壮介の魂が体に入った

ことでさらにパワーアップしていて、普通の感も鋭くなっていた。

つづく。