「他人の体に入るのもめちゃ抵抗あるけど、誰にも知られずに消えて無くなっ

ちゃうなんてイヤだよな・・・意識を持ったままいられるなら、この際女性

でもいいや」

「分かりました・・・今、その人は遺体のまま病室にありますから善は急げ

・・・・すぐに行きましょう」

「善はって・・・今のはダジャレじゃないですからね」

「面倒くさ・・・ダジャレでもいいんじゃないの善次郎さん」

雛の家族が彼女の遺体を引き取る準備をするため家に帰っていたから雛の遺体は

まだ病院に残ったままだった。

そのスキに死神、善次郎は壮介の魂を雛の病室に連れて行った。

ってことで、死神「異死神 善次郎（いしがみ ぜんじろう）」が壮介に紹介した遺体の持ち主が桃山 雛（ももやま ひな）

だったのだ。

だけど雛は今、仮死状態・・・まだ死んでない・・・。

善次郎はそのことに気づいていないから、てっきり雛は死んでると思っていた。

「よろしいですか・・・魂を器に移す間は壮介さんの意識をしばらく止めます

からね・・・余計な雑念つまりスケベなことを考えられると困りますので・・・」

「んなこと考えないよ、そんなの時と場合によりけりだろ？」

「今から少しばかりスケベなことを考える状況になるからです」

「意味、分かんねえ」

「とにかく雑念が入るとうまくいきませんから・・・」

「分かったよ・・・いいようにしてくれ」

雛は死んでない訳だから自身の魂はまだ体に残ったままの状態・・・そこに

壮介の魂が入ろうとしていた。

「俺は女になるのか？・・・生活感変わるよな」

「まだビビってるんですか？・・・この際、贅沢は言っていられませんよ」

「チャンスは今しかないんです」

死神、善次郎は雛のパジャマのズボンを脱がすとパンツまで下にずり下ろして

しまったので雛の下半身は丸出しになった。

「え〜死体になにしてるんですか？」

そして善次郎は雛の両足をガバッと開いて言った。

「あまり見ないように・・・」

「壮介さんの魂がこの子の体に入るための準備ですからね」

「いいですか・・・ここ・・・ここから入れますからね」

善次郎は雛の性器を指差した。

「ここ？・・・ここって？まじ？・・・ここから入るのか？」

「ああ・・・そうかスケベなことを考えちゃいけないって、このことだったのか？

それは無理ってもんだろ・・・俺にチンコがあったらもうとっく勃ってるよ」

「つべこべ言わずに・・・私があなたの魂を入れますから・・・いいですか？

しばらく意識止めますよ」

雛はなにかのショックでハッと目を覚ました。

体がぞわっとしたかと思ったら気を失いそうなくらいのエクスタシー「快感」が

身体中に走って息ができず金縛りみたいになって体が反り返ったと思ったら気持ち

よくなって悶絶しながら・・・

「ああっ・・・イっちゃう」

雛は堪えきれず思わず声を漏らしてしまった。

と同時に壮介も雛の体で意識を取り戻して同じような快感を覚えていた。

壮介がふっと気がつくとの目の前に白い天井が見えた。

「俺イっちゃったか？・・・めちゃいい気持ちだったけど・・・」

「ってことは、この子の体に俺の魂が体に入ったのかな？」

なんで雛と壮介がエクスタシーを感じたかって言うと善次郎は壮介の魂を雛の

性器から体の中に入ったからだ。

本来、人は亡くなって体から魂が抜けて行く時、男も女も性器から抜けて行く。

だから入る時も性器から入って行く訳で・・・それでふたりともエクスタシーを

感じたのだ。

ってことは壮介と雛は肉体じゃなく脳でセックスしちゃったのかな。

壮介がもし雛の体から出たり入ったりすることができるようになったら・・・

それはクセになっちゃいそうだね・・・。

「あなた誰？・・・私の体でなにしてるの？」

「あなた？・・・私の体？・・・・え？お前こそ誰？」

「私は私・・・この体は私の体」

「なに？俺が入った体って？まだ生きてたのか？」

「え〜俺は間違って生きてる体に入ったってこと？」

「お〜い死神・・・善次郎〜これどうなってるんだよ？」

「むむむ・・・・どうやらこの子、仮死状態だったみたいですね・・・ですが

もう遅いです・・・入ってしまった以上この子の魂と同棲って形になります

ですね」

「なに、納得してんだよ・・・出してくれよ、間違って入ったんだから」

「死んだ人の魂が別の人の生きた体に入ったらもう出られません・・・現状に

甘んじてください」

「え〜〜〜〜〜〜って言うか、俺以外に女の子の先客がいるじゃん」

「なに言ってるんですか・・・私ははじめっからいます・・・私自身です」

「心も魂も体も全部私のものです」

「あなたが勝手に私の体に侵入してきたんじゃないですか、この侵略者

変態！！」

「お〜い、死神・・・この子、んなこと言ってるぞ〜」

「変態って・・・まあ当たってるけどな」

壮介の魂を仮死状態の雛の体に入れてしまった死神の善次郎、壮介と雛を放った

まま逃げるようにとっとと消えていなくなった。

「なんて無責任な男、いや死神なんだよ・・・責任取れよ」

「ほんとね・・・ひどい人」

つづく。