底に残る聲
木下
第一章 いじめ
1-1 怪しいアルバイト
俺という人間を一文で表すとこうなる。
『人生終わり』。よく学生の頃とかテストで悪い点をとった時とかに「じんおわ」と口にしていたものだが、今の俺は本当に人生が終わっている。
定職に就かず日銭を稼ぎ、稼いだ金をすぐにパチンコ・スロット・競馬に使って溶かしてしまう。
負けるたびにもうやめようと思うが、次の日には手元にある金をかき集めてすぐにギャンブルをしている。
今日という日は、悪い意味で記念すべき日になってしまった。
ヤケクソになった俺は借金返済用の金と家賃水道光熱費など支払い用の金を全て持って朝から場外馬券売り場に出かけ、ついさっき全財産を失った。
最後の馬券が外れた瞬間に、背筋がゾクっとした。
『自殺』
自らの命を絶ち、この状況から逃げることができる唯一の手段。死んでしまえばもう借金のことで悩む必要もないし、ギャンブル依存症に苦しむ必要もない。
全部が楽になる一発逆転の選択。
もしも今日全てを失ったら、死ぬしかないと思っていた。
でも心の中ではここまで覚悟してるんだから負けるはずがないって、そんな甘い考えがあった。
世の中はそんな甘くないって、俺よく知ってるはずなのに。
頭の中が真っ白になって、どうやって死ねばいいかをひたすら考えながら帰路についた。
アパートまでつき自室に入った瞬間、俺の中の理性がぷつりと切れた。
「ああああああ!!! なんで! なんで!!!」
自分の頭をガンガン叩き、拳を振り上げて体と足を思いっきり殴った。殴らずにはいられなかった。
自分で自分が憎くて仕方なかった。なんであんなことをした? 今日ギャンブルをしなければ支払いは問題なくできて、節約さえすれば次の給料日まで生活できたのに!
「死ね! 死んでしまえ! 消えろ!」
叫びながら力の限り自分のことを殴った。痛みとともに、自分への怒りも増していく。
じんじんじん、と肌が脈打つ感触が今は心地よかった。少しだけ罪が軽くなった気がするから。
「ははっ。......何やってんだ。意味ねえのに」
その勢いのまま包丁で首でも切れたらどんなに楽なことか。
いつもこうだ。自分を殴っただけで済ませてしまう。
結局俺は自殺もできない臆病者なんだ。こんな状況のくせに。
「はあ」
一通り暴れたおかげで、急に冷静になった。
明日からできる日雇のバイトを探さないと。
できれば夜間の警備員とかが望ましい。日中もバイトよりも多く稼げる。
帰ってきた時壁に向かって投げたスマホを拾い上げ、バイト探しのアプリを立ち上げる。
「少し割れちゃったか。俺が悪いんだけどさ」
スマホの右角が割れて画面に少しヒビが入ってしまった。勢いよく投げた割には被害は最小限に済んだ。金がないのにスマホまで壊れたらバイト探しもできなくなるところだった。
もう贅沢は言ってられない。どんなにきつい仕事でも、時給が高いものを選ばなければ。
条件を入力して、表示された募集要項を次々確認していく。
どれもこれも一般的な金額のバイトばかりだ。どんなに頑張っても今の俺にとってはまるで足りない。
一番稼げそうなのは...工事現場の警備員か。時給は1300円。夜間は1650円になる。ーーだめだ。支払いは少なくとも10万円以上かかる。
完全に詰みだな。おしまいだよ、もう。
力の抜けた指でスマホの画面をスクロールする。
「なんだ、これ」
とある一つの募集要項が目に入り、スクロールしていた手を止めた。
【短期アルバイト募集】神代神社 境内清掃・雑務スタッフ
仕事内容
・神社敷地内での簡単な雑務
・時期により夜間の作業をお願いする場合があります
雇用形態
・アルバイト(短期・6日間)
給与
・時給 4,000円
・夜間作業は別途割増あり
・給与は勤務終了後にまとめて支給
勤務時間
・7:00〜17:00(休憩1時間)
・時期によって夜間作業あり
応募資格
・健康で体力のある方
・勤務期間中、まじめに取り組める方
待遇・備考
・勤務期間中は保険加入あり
・敷地内での飲酒・喫煙は禁止
・制服の貸与なし(動きやすい服装で勤務してください)
勤務地
・神代神社(白峰市青柳町4丁目)
見るからに怪しい。神社での雑用だけで時給が4000円なんてありえない。詐欺とか、闇バイトとかを疑う。それに夜間の作業の部分は詳細が書かれていない。もう全部が怪しい。
でも、もしもーーもしも本当だったら?
スマホの電卓アプリを開いて給料を計算する。
7時から17時まで休憩を抜いて9時間の勤務。それが6日間だから、21万6千円の給料になる。
金額の大きさに目が眩む。怪しいとはわかっていても、もしも本当だったら今の状況が全て解決する。それどころか、支払いをしてもお金が余る。
「どうせもう、どうしようもないんだ」
自分に言い聞かせるように言葉を発した。怪しいとわかっていても、もうこのバイトに縋るしかない。もうどうにでもなれという気持ちだった。
アプリに保存している履歴書を送ると、僅か数秒後に返信が来た。
『明日の午前10時に面接をする』
そのメッセージと共に住所が送られてきた。地図アプリに入力すると、本当に神社が出てきた。
神代神社。電車で20分くらい先か。結構離れてるな。
それに今の俺には電車賃すらもない。明日は自転車か。
わかりました。よろしくお願いしますと返信して、シャワーを浴びた。
*****
太陽に照らされながら自転車を漕ぎ続けて1時間と10数分。ようやく面接の場である神代神社へ到着した。
自転車を鳥居の近くに停めて一息つく。ずっと足を動かしていたので汗が止まらない。
シャツの着替えを持ってくるべきだったか。汗臭いせいで落ちたらどうしようとしょうもない考えが巡る。
とりあえず入るか。
神社に来るなんて、何年ぶりだろうか。子供の頃は初詣でおばあちゃんや両親とよく行ってたな。
初めて来る場所なのに妙な懐かしさを覚える。
鳥居をくぐった瞬間、空気が変わった。外の道路の喧騒も、遠くから聞こえていた車のエンジン音も、全部切り取られたみたいに消える。
まるで異世界にでも迷い込んでしまったかのような、不思議な気分に思わず背筋を伸ばした。
石畳で作られた参道は長く、道なりに木が植えられている。
少し歩くと右手側に水飲み場のようなものが見えた。四角い石で囲まれ、竹の管から澄んだ水が絶え間なく流れている。
透明すぎて、底に敷かれた小石が光を反射してきらきらしているのがわかる。
近くに柄杓があるのが見えたので、喉の渇きを潤すために近づき、一杯すくってその水を飲んだ。
冷たくて美味い。ここまでの疲れが和らいだ気がする。
柄杓を洗って元の場所に戻し、再び歩き出す。一歩一歩前に進むごとに、これから面接なんだという緊張が増していく。
いくら怪しいとはいえ、これは一応仕事の面接なのだ。改めて気を引き締める。
正面に姿を現した拝殿は、近くで見ると想像以上に立派だった。
周りに人の影は見えない。スマホの画面で時間を確認する。9時50分。ちょうどいいくらいの時間だ。早過ぎず、遅すぎない。
俺の方が先に到着しているのは印象がいいだろう。あとは面接官が来るのが待つだけだ。
この場合、神社の神主? が面接をするんだろうか。まだわかんないけど。
「おーい、おーーい!」
「え?」
声が聞こえた。どこから? 周りに人はいないはずだ。まさか神社にいる神様の声か?
「こっちだよこっち!」
さっきよりも大きな声。女の人の声だ。拝殿の横に聳え立っている大きな木。
この神社に生えている中でも一際大きく太い。そこから聞こえた。木がしゃべった? まさかな。
神社の雰囲気に呑まれそうになりながら、俺は木に近づいた。木の幹は人1人が隠れれるくらい太い。だから後ろに誰かいるんじゃないかと思った。
しかし予想とは裏腹に、木の後ろには茂みが広がっているだけだった。
「上だよ!」
その声に反応して上を見ると、枝に腰をかけている女の人がそこにいた。無邪気な笑顔とは裏腹に、普通の人とどこか違うものを感じる。
上下真っ赤なジャージと腰の辺りまで伸びている長い黒髪が特徴的だ。
彼女は枝の上で立ち上がると、あろうことかそのまま地面に向かって飛び降りた。
「危ない!」
なんてことだ。少なく見積もっても地上5メートルくらいはある高さから飛び降りるなんて無茶すぎる。しかも着地の先が石畳の上だ。
けど俺の想像とは裏腹に、彼女何事もなかったかのように歩いている。飛び降りた時、足音ひとつ立てなかった。
やっぱりこの人普通じゃない。本当に人間なのか? 幽霊とかじゃないよな?
彼女は顔にかかった髪を手で払うと、じっと俺を見た。整った顔立ちの女性と目が合い、心臓がどきりと跳ねて緊張する。
「君、10時から面接の子?」
「......あ、はい。そうです」
目の前で起きた出来事に脳がフリーズしていた。面接という言葉が俺の意識を現実に引き戻す。
「ふーん」
彼女は俺に近づき品定めするような目でグルグルと俺の周りを回った。なんでかわからないけど、全てを見透かされているような気持ちになる。
気まずさに耐えかねて俺は口を開いた。
「あ、あのこれはどういう状況なんですか」
「採用」
彼女が発した一言にまた脳が固まる。展開が予想外すぎてついていけない。
そんな俺を置いてけぼりにして彼女は拝殿の柱に近づき、そこに立てかけている箒を手に取った。
「はいこれ」
「へ?」
「今日の仕事」
「ちょ、え?」
俺が驚いていることなんて気にも止めず、彼女はその場を去ってしまった。
「マジか」
箒一本渡しただけで説明もなしかよ。なんだこれ。
••••••とりあえず掃除するか。
箒でできることっていったら掃除くらいだし。けど仕事ってこんなことでいいのか? 仮にそうだったとしても4000円の時給に合わないと思うんだけど。
まあ気にするのはよそう。求人にも雑用って書いてたし、案外こんなことでいいんだろう。俺が警戒しすぎただけだ。
顔を上げて辺りを見渡す。目の前に広がる参道には落ち葉がたくさん落ちている。まずはここから掃除するか。
*****
「ふう、まあこんなもんでいいか」
10時から始めて現在15時過ぎ。参道の脇に大きな落ち葉の山が4つできた。
俺の感覚で4つに区分けして、歩行の邪魔にならないように落ち葉を集めていたらいつのまにかそうなっていたわけだ。
我ながら結構頑張ったと思う。時々水を飲んで休憩もしたが、ほぼ動きっぱなしで掃除をしていた。
ずっと箒を握っていたせいで手がジンジンと痛む。でも不思議とその痛みが心地いいと思った。なんだか生きてるって感じがした。
「お疲れ!」
その声に振り向くと、俺に箒を渡した張本人がいた。
「あ、お疲れ様です」
「うんうん、いい感じに落ち葉集まってんじゃん」
「あの、これでよかったんですか? 特に指示がなかったので勝手に掃除だと思ってやったんですけど」
「あれ? 私なんも言わなかったっけ?」
「はい」
「あーそう! ごめんね! でも君は私の思ってた通りのことをやってくれたわけだし結果オーライってことで!」
バシバシと肩を叩かれる。女の人とは思えない力強さだ。
「青年、ちょっと待っててくれ」
彼女はそういって神社の奥に消えていった。自由すぎる。
そして数分後片手に大きな箱を持って戻ってきた。木でできた手作りっぽい箱だ。
彼女はそれを地面に置き、ポケットから軍手を取り出して俺に渡した。
「その箱に落ち葉を詰めてくれ」
「わかりました」
最終的に落ち葉をどうするか聞こうと思ってたからちょうどよかった。流石にこのままにしておくわけないだろうし、どこかに捨てに行くのかな?
目の前にあった落ち葉の山を箱に詰めると、ちょうど箱がパンパンになった。
「それ持ってついてきて」
「はい」
落ち葉が詰まった箱を持ち上げる。結構重い。箱自体も木製だからそこそこ重いし、落ち葉も枯れて水分をあまり含んでないとはいえ、大きい木箱を埋めるほど入ってる。普段あまり動かない俺には結構きつい。
そしてこの人、歩くに早すぎだろ。置いてかれないように必死に跡をついていく。
拝殿の前まで来ると、そこで右へと曲がった。そのまままっすぐ進むと竹藪があり、人が2人並んで通れるくらいの幅の道があった。竹藪を通り抜けると、立派な日本家屋があった。
「そこに落ち葉の山を作っといて。あっちにあったやつ全部集めてね」
彼女はそう言って庭にある池の前を指さした。
「わかりました」
「じゃあよろー」
彼女が家の中に入っていった。そうか、ここがあの人の家なんだな。
俺は池の前で木箱をひっくり返し、落ち葉を出した。あと3山あるから3往復か。きついな。
とはいえやらないと終わらないので、からの木箱を持って神社へと戻る。
「はぁ、はぁ」
全ての落ち葉を運び終え、地面に倒れ込んだ。マジで疲れた。
でもこんなことで息を切らすなんて、俺って本当体力ないんだな。情けない。
そう言えば募集要項には体力がある人って書いてたけど、こういう仕事ばかりだからなのか? 今日よりきついのがきたらどうしよう。
「あはは! バテバテじゃん!」
「すいません、ちょっと立ってるのがきつくて」
つい寝っ転がってしまったが、冷静になってみればこの状況やばいよな。
俺は慌てて起き上がった。もう遅いかもしれないけど。
「さて、大きい山ができたわけだがこれから何すると思う?」
「落ち葉の回収業者が来て捨ててくれるとかですか?」
「何それ、ハズレだけど」
「ですよね。でも捨てるんじゃないんですか?」
「もったいないでしょ。正解はこれ」
「マッチと着火剤? 燃やして処分するんですね」
「そういうこと。でもそれだけじゃない。じゃーん」
「さつまいも? まさか!」
「焼き芋をします」
ドヤ顔である。
彼女は今見せたものを手提げ袋にしまうと、袋ごと俺に渡した。あとはやっといてくれってことか。
なんとなく彼女のことがわかってきた気がする。
「できたら声かけますね」
彼女はにこりと笑うと再び家の中に戻っていった。
さて、焼き芋なんかやったことがないわけだからまずは調べるか。スマホでいつでもネットが見れる時代でよかったと現代の科学に感謝した。
*****
落ち葉を燃やし始めてから1時間経過した。調べた感じだと大体1時間経てば完成らしいので、一度芋を手に取ってみることにした。
軍手をつけてさっき拾ってきた木の枝で落ち葉をかき分け、アルミに包んだ芋を取り出す。
アルミを剥がして芋の先端を割ってみると、力を入れなくても崩れるくらい柔らかくなっていた。これは完成だろう。
全部で3本あった芋を全て取り出した。火はまだつけっぱなしでいいのだろうか? 芋を渡しに行きがてら確認するか。
玄関に近づくと、古風な見た目に反して最新のカメラ付きインターホンがあった。
ボタンを押すと、すぐに家主が現れた。
「できた?」
「はい。熱いのでお皿とかがあれば持ってきたほうがいいですよ」
「大丈夫だって」
俺の忠告も聞かずに彼女は俺が持っている芋を一本素手で取った。だが全くリアクションを取らない。熱くないのかよ。俺は軍手越しでも結構熱いんだが。
そのままアルミを剥がし、勢いよく齧り付く。
「うまーい!」
満遍の笑みを浮かべる彼女を見てるとなんだか嬉しい気分になった。頑張った甲斐があったな。
「何見てんだ? お前も食えよ。まだ2本あるだろ?」
「いいんですか? じゃあいただきます。うん、おいしいです」
「だろ? 中で食おうよ。ついてこい」
彼女が背を向けて歩き始めた。
「お邪魔します」
靴を脱いで俺もあとに続く。
見た目でもわかっていたことだけど、この家かなり広い。そして人の気配が全く感じられない。
古風な家の雰囲気もあってか神社と同じような神秘的だけど少し不気味なように感じてしまう。
やがて数あるうちの一つに部屋に到着した。
部屋はかなり広い。俺の住んでいる6畳のアパートの倍以上はあるだろうか。
中央に木製の丸いテーブルがあり、壁際には大きなテレビがあった。部屋の雰囲気に似合わないテレビだ。
「そこ座っていいよ。食べ終わったら少し話をしよう」
「わ、かりました」
「ちょっと飲み物持ってくる」
話? 今後のことについてか?
もしかしたら夜間の勤務について説明があるのかもしれない。俺の予想だと、夜の見回りとかを考えている。神社にいたずらに来たり、不審者が来た時のための見回りだ。これは夜間の仕事として十分あり得る。
ただ時期によってって書いてたのが引っかかる。もっと別の何かをさせる予定なのか?
「お茶でいいか?」
ペットボトルのお茶を渡される。
「ありがとうございます」
芋を食べて喉が渇いていた。ありがたくいただくことにする。
やがて芋を食べ終わると彼女がテレビに向けていた視線を俺へ移した。
「自己紹介がまだだったな。私は神代千早(かみしろ ちはや)。この神社の神主だ。今日は外の掃除をしてもらったわけだが、明日は拝殿の中を掃除してもらいたい。これが結構大変でな。バイトを募集してやってもらおうと思ったわけだ」
「わかりました。ちなみに夜間の作業っていうのは何をするんですか?」
「ん? ああそれか。ないかもしれないから今は気にしなくていい」
「そうですか」
この言い方的に夜間作業はないと思っておいたほうがよさそうだ。
「さて、今日の勤務時間はもう終わったわけだがーー」
神代さんが時計をチラリとみる。俺もつられてみると、すでに17時をすぎていた。あまりに忙しい1日だったのであっという間に時間が経っている。
「お前、1週間ここに住み込みで働けよ。そっちの方が楽だろ?」
「いや、え? いきなりどういうことですか?」
「だってお前、家帰っても飯を食う金も碌にないんだろ?」
その言葉に俺はドキリとした。なぜこの人は俺が金に困っていることを知ってるんだ?
笑ってはいるが、全てを見透かしているかのような目。俺は神代さんのことを怖いと思った。
「なんで知ってるのかって顔だな。こんな怪しいバイトに来る奴なんざだいたい普通じゃない。お前、昼食も取らずに水で腹を膨らませて飢えを凌いでいたな? そこで確信したよ。こいつは金に困ってるって」
「はぁ。そうです。その通りですよ、全部」
「そこでだ。神社の雑務のほかに、住み込みでうちの家事をしてもらう。私は重度のめんどくさがりでね。可能なら家事なんてしたくないのさ。どうだ? 家事をするだけで衣食住が手に入る。そして私は楽ができる。お互い悪くない条件だと思うんだがな」
神代さんのいうとおりだ。家事をするだけで全て好条件になる。どん底の俺には選ぶ選択肢が一つしかなかった。
「お世話になります。よろしくお願いします」
俺は頭を下げた。この日から俺の神社暮らしが始まった。
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