「初めて好きになった女の子は吸血鬼だった?!」

吉田みき

第1話

「初めて好きになった女の子は吸血鬼だった?!」「吉田みき」


俺の名前は「犬神はる」と言う。高校生になって一年がたっていた。

今日から俺の学校に新しく1年生が入ってくる、でも一つだけ俺には誰にも言えないことが

ある、家族しか知らないことだ。

それは、俺が女の子ってことなのだ。

みんな俺の事を男の子だと思っている、 いやそう思わせていた。

どうして男の子のふりをしているのか?そんなの決まっている、俺が中学の時にいじめられていたからだ、どうしていじめられていたのかはわからない、いつの間にかいじめられていた。俺はただみんなと仲良くしたかっただけなのに、結局いじめられてしまった。手は出していなかった、もし出していたら・・・。

そんな事を考えると心が凄く苦しくなる、だから考えないようにはしているつもりだけどやっぱり考えてしまう。もう中学の時の人達とは関わらないために遠い高校に通っている。

できるなら会いたくないから、もうあんな思いは絶対にしたくない、それにもし俺が手を出していたら相手は大怪我をしていただろ。

昔近所の人を助けた時相手を大怪我をおわせてしまった。その日から人を助けるのをやめた。助けたらまた誰かを傷つけてしまうから、今は普通に笑っていたい。

今の学校は凄く楽しいから毎日楽しい、笑って過ごすことができた、そうしてくれたのは高1の時に友達になってくれた「榊時雨」と言う名前の友達がいる、時雨は今も仲良くしてくれている。

でも突然時雨に「僕実は妹がいるんだよね」と言ってきた。

突然のことで頭が回らなくなってしまった、妹?って思ってしまった。初めて妹の存在を知ったからだろう、流石に名前を聞くことは出来なかった、歳すら聞くことも出来なかった、もし俺の高校に入ってきたらどうしようかなって思ってしまう。

時雨は女の子なのに俺に普通に話しかけてくれた。それが嬉しくて毎日俺から話しかけてしまう。それにいつも話を返してくれる。その日からずっと一緒にいるようになった。

そんな友達に妹が居たなんて・・・、ちょっと辛くなってしまった、もし時雨の妹と会ってしまったらと思うと気まずい、それに俺にも姉妹がいる出来れば誰にも会わせたくない、俺の姉は俺の事が好き過ぎて毎日そばにいる。

姉とは一つしか歳は変わらない、変わらないはずなのに姉はなぜか凄く年上にしか見えない、姉とは高校は違うけど俺の学校の子の噂で話を聞く、本当は聞きたくないけど時雨からよく聞かされる、姉の名前は「犬神ましろ」と言う。

出来れば思い出したくない、思い出すと辛くなるから、こんな気持ち誰にも分かってもらえないだろ、それでも今は楽しまなきゃ。

「お母さん学校行ってくるよ」

俺が話しかけても返事はない。いつものことだから寂しいとは思わない. 慣れてしまったからだろう。

歩いていたら時雨を見つけて話しかけてしまった。

「時雨おはよう!」

「はる、おはよう!朝から元気だね」

「時雨を見つけたら元気が出たよ」

「それは嬉しいよ」

時雨は照れくさそうに顔を隠していた、いつものことだけどいつ見ても可愛い、それに振り返ったときの笑顔が眩しかった、そのおかげで元気が出た。

「ねぇはるー聞いてよー」

「どうした?」

「妹がね学校に行かないんだよー」

「まじで!?️やばいじゃん!」

「そうなんだよーどうしたらいいんだろーって感じだよー」

時雨は頭を抱えながら悩んでいた、でも俺には何もしてあげられない、本当は何かしてあげたいけど・・・どうせ俺は他人だから何もできない。

俺にも何か出来ることを考えないと・・・考えないと・・・、友達だから、大切だから、

「時雨、俺に出来ることは無いか?」

何故こんなこと話してしまったのか全然俺には分からなかった、分からないけど今は力になってあげたい、本当は助けると嫌な記憶が蘇るけどそれでも助けたい!。昔の自分には戻れない。

「じゃー今日の帰りに僕の家に来てくれる?」

「え?えぇぇぇぇぇ?!」

急な誘いに俺は驚いてしまった。

驚いている俺の事なんて気にせず時雨はすたすた前に進むそれを走って追いかけることしか出来なかった、俺が追いかけている事をちょこちょこ確認をしながら前に進む、気がついたらもう学校に着いていた。

「はぁはぁ・・・疲れたー」

「はるはやっぱり足が早いね」

「本気は出してないけどな」

そう俺は何もかも全て本気を出していない、出したら目立ってしまうから、姉みたいにはなりたくない。

俺は普通の学校生活がしたいだけだから、だから目立つことはしたくない、それに本気を出すのは面倒くさい。



ゆっくりと下駄箱に向かう。

下駄箱を開けると毎日思い出してしまう、いじめられてたことを思い出してしまう、いじめられてたことは親しか知らない。  

つい手が震えてしまう、呼吸が苦しくなってくる、だめだ、だめだ。

前に進まないと。

ゆっくり下駄箱から上履きを取り出して履き替える。

「はるー早く教室に行こーよ」

 「時雨が早いんだよ」

「だってさ早くはるに妹を紹介をしたいんだよね」 

「仲良くなれる気がしないんだけど」

「大丈夫だよ!はるだからね!」

 何が大丈夫なんだろう、逆に心配になるんだけど・・・。

そう思いながら教室に向かう。

教室に入っても誰からも話しかけてはもらえない、嫌われているわけでは無い。

時雨から話を聞いたら、「はるを見たら緊張して話せないらしいよ」と言われた、

。どうして緊張するんだろ?。

普通に話しかけて欲しいんだけど、ちょっと寂しいんだけどな、でも俺の雰囲気的に話かけづらいのかもしれない、それなのに時雨はよく話しかけてくれるんだろ?。

嬉しいけど・・・嬉しいけどさ、なんか辛いかもしれない、涙は出ないけど辛いって言う気持ちがあるのは分かる、でもこの気持ちは誰にも話せるわけない。

すたすた机に向かい、席に座って窓を眺めていた。

「犬神!」

うとうとしていたら先生に名前を呼ばれて、ぱっ!と目が覚めてしまった。

「はい!」

「何寝ているんだ!」

「すみません・・・」

「もしかして話何も聞いていなかったのか?」

「はい・・・すみません・・・」

「だからな他の先生達と話し合ってだな犬神を生徒会に入ってもらいたいんだ」

「えっ?!」

急に生徒会に入ってもらいたいって言われても俺は生徒会に入れるような人では無いのに、どうしてだろ?もしかして・・・、姉のましろの事のせいなのだろうか、もしそうなら俺は姉を恨む・・・、絶対に許さない。

断ろうと思ったけど断ることは出来ない、もし断ったら先生が何を言うか分からないから、姉のことを話されたら困るから。

断ることが出来ないって事は・・・入るしか無いじゃん!。

話が終わって授業が始まったと思ったらもうお昼休み先生に呼ばれたと思ったらすぐに生徒会室に連れて行かれた、生徒会室に着いて中に入ると人が何人か居た、でもその中の3人だけ雰囲気が違った。

なんだろう話しかけづらい。

先生が前に出て話しかけようとしたら1人の女の子が話しかけてきた。

「先生何の用ですか?」

「天下あき、月下かおるは居るよな、呼んでくれないか」

「幽鬼に聞いてみますよ」

「俺達はここに座って待たせてもらう」

そう先生は言って椅子に座る。少ししてから1人の女の子が来て先生の前に立ってため息をついた。この2人は仲が悪いんだろうなってすぐに分かった。

「先生また来たんですか?」

「幽鬼か、かおるはどこだ?」

「先生と会いたくないって言ってましたよ」

「あいつがか?」

「はい」

先生は何かをかんがえて下を見ていた。俺が話しかけようとしたら先生は急に立ち上がって俺の肩を掴んできて幽鬼と言う人の前に立たされた。俺も幽鬼も驚いてしまった。

逃げようとしても逃げれない。

俺は頑張って先生の方を見て小声で言った。

「先生俺は生徒会には入りませんよ」

そんな俺の言葉も気にせず幽鬼に俺を押し付ける。俺は嫌がることしか出来なかった、幽鬼も困っていたけどしぶしぶ他の部屋に俺と一緒に向かった。

「あっ、あの!離してください」

「ごめんね痛かった?」

「いえそういうわけではなく・・・」

幽鬼は凄く俺の事を気にしてくれていた、なんかもう申し訳なくて下を見てしまった、別に嫌いとかでは無く、不安でたまらなかった。

下を見ていても不安で手が凄く震えてしまう、こんなに震えるなんて思ってもいなかった、でも先生がうるさいから付いて行くしかない。



少し歩いたら1つの部屋があった。

部屋のドアを、ガチャリと開けて中に入ると、部屋の中は真っ暗だった。

奥に入ると黒いもぞもぞが動いた。

「かおる起きてお客様が来てるよ」

「またあの先生?」

「違うから起きて!」

バシッとかおると言う女の子の頭を叩いた、  

「いたっ!」

頭を強く抑えながら起き上がると、俺の方を振り返ってきて、じーっと見つめてくる。

そのまま抱きついてきた。俺はびっくりして尻もちをついてしまう。

 いい匂いがふわんとした、初めて姉以外の人に抱きつかれた、こんなにいい匂いがするんだな、なんか落ち着く・・・。

「かおる!困らせちゃだめだよ!」

「つい・・・」

かおるはゆっくり俺から離れて椅子に座る。そのまま真っ直ぐ俺の顔を見た。俺は驚いてしまって固まってしまった。

何でこんなに見られているんだろう?、逆に怖くなってきて、手の震えが止まらなくなってきた。またさっきみたいに下を見ていたらかおるがゆっくり近づいてきて手を握ってきた、そのまま抱きしめてくてた。

「あっあの?」

つい話しかけてしまったけど体ががちがちになってしまう。離れようとしても離してくれない。少しするとかおるは俺をかいほうしてくれて、そのまま何かを考え始めた。またまた椅子に座って俺の方を見てきた。

少し考えてかおるが口を開いた。

「君さ兄弟とかいるかな?」

「いません」

「そっか・・・幽鬼、ちょっとこの子と二人きりにしてくれるかな?」

「いいけどこの子後輩なんだからいじめないでよね」

「分かってるよ」

幽鬼は部屋から出て行ってしまった。俺も出て行こうとしたらかおるに止められてしまった。またガタガタと震えてしまった。なんだろう何かしてしまったんだろうか、すごく怖くなってくる。お願い何もしないで、そんな事を考えていたらかおるは優しく話しかけてきた。

「君さ犬神ましろの弟さんだよね?」

バレた・・・バレてしまった、どうしよう隠さなきゃ・・・隠さなきゃ・・、いや誤魔化さなきゃ・・・、考えろ、考えろ、早く考えなきゃ。頭を抱えていたら凄く頭が痛くなってしまってしゃがんでしまった。それに気づいたかおるが椅子から降りてきて俺の方に走って近寄ってきてくれてそのまま俺の背中を擦ってくれた。

呼吸がどんどんできなくなってきてしまった頭が全然回らなくなってきた。

バタンっといつの間にか俺は倒れてしまった。

「おい!大丈夫か?誰か救急車を呼んでくれ!しっかりしろ!」

かおるの声が聞こえてくる。でもなんでだろう楽になってきた。

いつの間にか俺は気絶をしていたみたいだ。気がついたら病院のベットで寝ていた。すぐに起き上がろうとしたら看護師が部屋に来て目を丸くしていた。でも焦りながら先生を呼びに行ってくれた。

まだ頭が回っていないせいか何も考えることが出来なかった。ベットに横になると部屋の外から声が聞こえてきた。この声どこかで聞いたことがあるきが・・・。

「私ははるのそばに居たいのだからどいてよ!」

「今は会わせる事は出来ませんと言っているじゃないですか!お帰りください」

「私ははるの姉なんですよ!」

俺は外の声を聞いてまた立ち上がった。手首に付いている点滴を取って走って部屋の外に出て姉を探して、見つけた瞬間抱きついた。姉は驚いていたけどすぐに理解をして抱きしめ返してくれた。

でもこれは姉からの命令である。この命令を破ったりしたら俺の友達を傷つけると言われている。だから破ることが出来ないんだ、辛いけどみんなを守るためには自分を犠牲にするしか無かった。友達が傷つくのが一番辛いからだから傷つくのは自分だけでいい。

姉に抱きつきながら泣いてしまった。辛すぎて涙が溢れてしまった。俺は姉には逆らえない、逆らったらどうなるのかわからないからだから絶対に逆らうことは出来ない。そんな事を考えていたとしても姉には通じない。

姉が何も言わずに俺の手を引いて看護師の横を通ろうとしたら看護師は姉を引き止める。それに切れて看護師を突き飛ばし、そのまま睨みつけた。こんな姉は見たことが無かった。

俺は怖くなってしまって姉の手を離してしまった。なんでだろういつもより姉が怖い・・・、こんなにも怖いなんて久しぶりだ。

ガタガタ震えていたらまた姉が近づいてきて俺の頭を撫でてきた、俺の体はさっきより震えてしまった。

また呼吸が苦しくなってきてしまう、なんでこんなにも呼吸が苦しくなるんだろう・・・。俺の体はどうなってしまったんだろう・・・?。

一旦落ち着こう.。落ち着かないとまた倒れてしまうから、ゆっくり深呼吸をして姉を見た。姉は冷静だった。もう最初っから分かっていたみたいな顔をしていた、そんな顔を見たら動く事が出来なくなってしまった。

いつもそうだから俺は姉の顔が嫌いなんだ、みんなは姉の事が好きみたいだけどでも俺は好きにはなれない、だって姉の事は俺がよく知っているから分かるんだ、姉は基本俺の事しか考えていない。俺は姉から離れるために母に頼んで1人部屋を手に入れたんだ。

あの時は姉は反対をしていたけど何とか1人になる事は出来たけれど何故か姉が少し変わってしまった。

姉だって俺さえ居なかったらこんな風にはならなかったはずだ、だから俺が責任を取らないといけないそれが俺に出来る事だ。姉には笑ってて欲しいから。別に俺は本気で姉を嫌っている訳では無いから、ちゃんと好きではある。

昔はそこまで姉は俺に依存していた訳では無い、どうしてこんな事になったのか全然分からない、いや今は何も考えない方が良い。



姉は看護師と言い合いになっていたそれを聞いていた他の看護師が来てくれた、それなのに姉はずっと看護師と言い合いをしていた、俺が止めても少し俺の方を見て頭を撫でてまた看護師の方を見て言い合いを始める。

なんで言い合いをしているのか俺には全然分からない、きっと俺が眠っている時に何かがあったんだろう。

言い合いの声がどんどん大きくなって沢山の看護師が来て姉を止めていた。それなのに言い合いは止まらない、どうしたら止まるんだろう?誰でもいいから姉のましろを止めて欲しい。

誰でもいいから助けてよ!。

そんな事を考えていたらとうとう姉が看護師に手を出そうとした時、誰かが姉の手を止めた。振り返った姉は顔を真っ青にしていた。そのまま下を見始めた。こんな姉は初めて見た。それに震えている?。姉の顔の方を確認をしようとしたけど姉の前髪のせいで見えない。

揺らしても反応は無い。やっぱり様子がおかしいんだろう、もしかして手を掴んでいる人のせいか?。

俺は姉の手を掴んでいる人の方を見た。見た瞬間理解をした。この人は姉の知り合いだ。

でもどうしてここに居るんだろう、そうか多分姉の知り合いが連絡をしたんだろう、だからここまで来てくれたんだ。

俺は姉から離れて姉の知り合いの方に近づいた。それを見ることしか出来ない姉はまた下を向いた。

俺が近づくと姉の友達が口を開いた。

「ましろ、何してんの?いや何したのか分かってんの?」

「別に・・・何もしていないけど・・・?」

「嘘をつかないでもらえるかな」

「小雪には関係ない!」

「関係あるんだよ!俺はお前のお母さんに頼まれてんだよ!だから俺がはるを強くしてやったんだろ!」

「小雪のせいで!はるは変わってしまったの!小雪のせいで!」

小雪と言う子は姉の話をゆっくり聞いてくれていた。話が止まったら小雪は姉の近くに近づいて頭を撫でてあげる。撫でてもらったら姉は泣いてしまった。泣きながら俺の方を見てきた。でもすぐに顔を逸らして言った。

「はるはいつ死んでも・・・おかしくないんだって・・・」

「え・・・?」

俺が死ぬ?何を言ってんだ?なんで二人共泣いてんだ?、もしかして本当に俺はいつか死ぬのか?。まだやりたい事が沢山あるのに、もっともっと強くなりたかったし、もっともっと笑いたかったし、恋人だって・・・作りたかった・・・。

泣いていたら小雪が近づいてきて抱きしめてくれた。

でも俺は弱々しく言ってしまった。

「まだ死にたくない・・・」

「分かってるちゃんと分かっているから、もう泣くな」

「死にたくないまだやりたいこと沢山あるんだよ・・・」

「何とかするから俺達に任せてくれ」

小雪の言葉は凄く優しい言葉だった、でも俺には分からない事がある。俺は何の病気なのか、姉も小雪も教えてくれない、きっと教えたくないんだろう。本当は教えて欲しいけど我慢する。

小雪は俺の手を握ってくれる、小雪も女の子だけど俺っ子だ。いつも俺や姉に優しくしてくれる、だから俺も姉も親も小雪が好きなんだ。

病院から薬を貰って家に帰る事が出来た。家についたら小雪は俺の手を離した。そのまま帰ろうとしていたけど一旦足を止めた。

姉と俺はどうしたんだろうと思って小雪に話しかけてしまった。

「小雪?」

「はるさ榊時雨の友達なんだよな?」

「そうだけど?」

「そうか・・・これだけは言っとく、妹には気をつけろ」

妹って・・・不登校の妹か、でも気をつけろってどういうことだろう。意味が全然分からない。妹に何かあるんだろうか。でももし何かあったとしても俺は気にしない。

もしかしたら俺と同じかもしれないから、同じだったら助けたいって言う気持ちがあるから。俺みたいな人を増やしたくない。

そう思ってしまうのはおかしいだろうか、いやおかしくてもいい否定されてもいい。誰かを助ける事が出来るなら俺は何だってする。みんなに笑ってて欲しいから。そう思ってしまうのは俺がおかしいんだろうか?。

「はる、お願いだから危ない事はしないで」

「姉さんには関係ないだろ」

「はるその話し方やめてって言ったよね?」

「ごめんなさい・・・お姉ちゃん」

「うんそれでいいよはる」

いつもの姉の顔に戻ってしまった、姉はまた俺に抱きついてくる、俺にはそれには逆らえない俺がいる、もし逆らえるなら逆らいたい。姉は俺の手を引いて自分の部屋に連れて行った。なんで連れて来られたのか全然分からなかった、逃げようとしても逃がしてくれない。

「お姉ちゃん俺そろそろ寝たいんだけど・・・」

「だめ今日はここに居て」

こんな弱々しい姉を初めて見た、つい姉の頭を撫でてしまう、きっと怖いんだ妹の俺が死ぬかもしれないから。死ぬのは怖い怖いけどもうどうにもできないから。だから諦めている。

だから今は姉のそばに居ることしか俺には出来ない。



気がついたら朝になっていた。起き上がると姉はまだ眠っていた。姉の寝顔が可愛くてつい頭を撫でてしまう。これじゃどっちが姉なのか分からなくなる。

ピロンッと俺の携帯が鳴る。メールの相手は時雨だった。

なんだろうと思って見たら昨日は大丈夫だった?って言うメールだった・・・そういえば昨日時雨の家に行く約束をしていた気が・・・。完全に忘れてた・・・。

すぐに時雨にメールを返します。返事はすぐ返ってくる。時雨からの返事は何かいつもと違った、何かに怯えているみたいに。

何に怯えているのか聞いても答えてくれない。俺は気になってしまって時雨に電話を掛ける事にする。

プルルッ、プルルッ。ガチャ。

無事電話に出てくれた。安心していたら震える声で時雨は言った。

「はる僕の家に来て・・・助けて・・・」

「えっ?」

ブチッ。

「時雨?おい!」

急に電話が切れて俺は焦ってしまう。どうしよう・・・時雨の家に行くしか無い。時雨の家に行くために自分の部屋に向かう。部屋に着くとすぐに着替えて時雨の家に向かう。いつもより本気で走るので、息が凄く苦しい。でも気がついたら時雨の家に着く。

ピンポーン。ガチャ。

「は・・・る?」

「時雨?!どうしたんだよ!それにその傷は何だよ!」

チャイムに出てきてくれたのは時雨だった、でも時雨の体は傷だらけだった。俺はすぐに近寄る。

「妹が・・・」

時雨は何とか俺に何かを伝えようとしていた、でも俺には分からなかった。どうしたらいいのか全然分からない。

「お姉ちゃんどこに行っちゃったの?ってお兄さん誰?」

「お前が時雨の妹なのか?」

「うんそうだけど何の用?」

初めて出会った時雨の妹・・・でもこの子はただの人間じゃない。どうして分かったのかそんなの分かるに決まっている・・・だって妹の目が赤かったからだ。時雨とは全然雰囲気が違うからすぐに分かる。

「時雨から話は聞いているよ」

「僕の事知ってるんだ」

「どうして学校に行かないんだ?」

「貴方には関係ないことでしょ」

全然話が進まないのはなんでだろう?、それにどうしてか俺の顔を見てくれない、いや今は時雨を助けないと、俺が時雨に触れようとしたら妹が焦って俺から時雨から離れさせた。

「おい!離せよ!助けないといけなんだよ」

「僕にはお姉ちゃんが必要なの!」

「じゃー助けろよ!」

「それならお兄さんが僕の事を止めてよ!本当は僕だってお姉ちゃんを助けたいし!本当は傷つけたくないよ!」

妹の言葉で俺は自然と涙が溢れてしまった。なんでだろう涙が止まらない。こんな言葉を俺も言いたかった。でも言える訳が無い.、俺の力はみんなより強すぎるからすぐに怪我人が出てしまうから。

でもこの子は俺とは全然違った。なんて綺麗な子なんだろう。

「綺麗だ・・・」

「えっ?」

「俺は君の事が好きなのかもしれない」

「何言って・・・」

「君の名前を教えてくれないか?」

「ふうか」

「ふうか・・・いい名前だ」

俺はつい勢いをつけてふうかに抱きついてしまった。ふうかは驚いていたけどすぐに俺を受け入れてしまう。時雨には悪いけどこのままふうかと一緒に居たい。

ふうかをこの手で守りたい、俺の者にしたい・・・ておかしいいつもならこんな事考えた事無いのに・・・。

こんなの・・・俺じゃない!俺じゃないんだよ・・・。

また涙が溢れてきてしまう、なんでだろう、分からないけど涙が溢れるんだろう。ふうかから離れて涙を止めようとするけど、でも全然涙が止まらない止めたいのに・・・。

泣いている俺に気づいたふうかは俺の頭を撫でてくれた。ふうかの顔を見たらふうかの顔は今でも泣きそうな顔をしていた。なんで泣きそうな顔をするんだろう。ついふうかの顔に手を伸ばそうとしたけど。時雨の事を思い出してすぐに時雨を部屋に連れて行く。

「時雨、大丈夫か?傷はもう塞がっているか良かった」

「はる・・・妹のふうかは何も悪くないの・・・だから・・・」

「分かってる、分かってるから今は寝ろ」

「ありがとう・・・」

時雨は俺に感謝を伝えて眠りについた。ちゃんと寝たか確認をして時雨の部屋を出た。出たらドアの前でふうかが待っていた。俺は気にせず横を通ろうとしたらふうかに腕を掴まれてしまった。

ふうかの手は凄く震えていた。きっと怖いんだろう。姉が居なくなるんじゃないかって。いや絶対に怖いに決まっている俺も怖いから。だからふうかの気持ちは分かる・・・分かるけど何か引っかかる、なんでだろ何が引っかかるんだろう。まぁ気にしなくてもいいだろう。

「ふうか、時雨は大丈夫だ、だから安心しろ」

「僕のせいなんだ・・・僕がお姉ちゃんを傷つけたんだ・・・僕のせいなんだ・・・」

「ふうか・・・」

自分を責めたい気持ちは分かる。俺も倒れていなければ時雨がこんなにも傷だらけにならなかったかもしれないから。だから今回は全部俺のせいだ。いますぐ自分の顔を殴りたい。

「僕のせいなんだ・・・」

「ふうかのせいじゃない、今は落ち着きな何かあったら俺に相談してきてくれていいから」

「いいの?」

「いいよ」

「ありがとう」

ふうかと話を終えて俺は家に帰ることにした。

家につくと姉が玄関の前で待っていた。怒られると思ったら姉は俺の事を強く抱きしめてきた。俺は何のことか全然分からなかった。

でも俺にも分かる事がある、姉のましろが泣いているって事は分かった、どうして泣いているのかは分からないままだった。

どうして泣いているのか聞きたいけど聞ける訳がない、こんなにも泣いているから。

「はる、どこに行ってたの・・・?心配したんだよ?」

「お姉ちゃん心配させてごめんね」

「いいの、はるが無事なら」

姉はいつも俺の心配をする、なんでここまで心配をするのか俺には分からなかった。心配なんてしなくていいのに・・・。

心配されるとなんか辛くなる、だからもう心配して欲しくない。そんな俺の気持ちなんて聞いてももらえない、少しは俺の話も聞いて欲しい。

姉は強引に俺を家の中に入れようとするけど何かに焦っているみたいに見える。家の中に入るとすぐにお風呂場に連れて行かれて服を脱がされて体に何か無いか調べられる。

「どこにも傷は無いよねちゃんと見せて」

「姉さん離して」

「大丈夫だからね」

「離せって言ってんだろ!!」

俺はついキレてしまって姉を殴ろうとしてしまった。でも玄関から誰かが入ってくる音がしたけど、どうしても姉を殴らないと気が済まなかった。

拳を持ち上げた時お風呂場のドアがガチャッと開いた。ドアの前に立っていたのは小雪だった。俺の状態を見て走って止めに入る。

「はる!辞めるんだ、ましろは何もしてないだろ!」

「俺は男だ!いじめられてた時とは違うんだ!それなのにこいつは!」

「はる!」

小雪は俺の目を隠したまま優しく話しかけてくれる。

「はるもう大丈夫だよ怖がらなくていい俺達が居るから何も怖がる必要なんてもう無いんだ、それにいじめてきた人達とは学校が違うだろ?」

「でもまたあいつらが来たら俺は・・・」

「俺とましろが何とかするだから今は眠りなさい」

小雪の言葉を聞いて俺は体から力が抜けて眠ってしまった。それに気づいた小雪は俺の体を持ち上げて部屋に連れて行こうとするが後ろに振り返ってましろに話しかける。

「ましろ、はるを傷つけるなって言ったよな」

「小雪には関係ないでしょ」

「関係ないだと、言ったよな俺はずっと前からはるの事が好きだとそれなのに関係ない?」

「はるは私の妹だよ」

「ふざけんなよ!はるは俺のだ!誰にも渡すもんか!」

「いい加減にしてよ!」

二人は言い合いをしていたけど小雪は一旦俺を部屋に連れて行く。


俺ははるが好きだった初めて会って「俺はこの子が好きだ」と気づいた、その日からはるの事しか考えられなかった、でもある日はるが髪の毛を切って俺の家に泣きながら来た。その時のはるは笑顔を無くしていた。

話を聞いたらみんなにいじめられたと言っていた。俺は許せなくて殴りに行きたかったけど、今ははるのそばに居たかった。はるを優しく抱きしめるとわんわん泣いていた。

だから俺は決めたんだ、はるを強くしてやると。

「はる、俺がお前を強くしてやる、女が嫌だったら男として生きろ!」

その俺の言葉を聞いてはるかは強く頷いた。

その日から俺ははるを強く鍛えた、何度も何度もはるは泣いていたけどそれでもはるは諦めなかった、すぐに諦めてちゃんと女の子らしくいてくれたのに。早く諦めて欲しい。

俺は何度もはるを殴って強くなってもらおうとしたけど何故かはるは何度も立ち上がる。驚いたけどもう一度はるの顔を殴る。また立ち上がったはるは俺のお腹を殴ってきた。

痛かった。こんなにも強くなっていたなんて知らなかった。知らなかったけどただ弱い。こんなんじゃ俺は倒せない。

だから俺ははるのお腹を本気で殴った。倒れるはるを見るのは辛かった、凄く辛かった。何でこんな事をしているのか分からなくなる。それでも俺ははるを強くしないといけないから。いつかはるに昔みたいに笑って欲しいから。

「私は・・・あいつらに勝ちたい・・・だから私はいや俺は・・・男として生きてやるんだ!」

バシッ!。

はるの本気の拳が俺のお腹にくるさっきよりもいい力だった。さすがの俺でもこれは痛すぎる。思ったより痛いかもしれない。ここまで強くなるなんて思わなかった。

「ゲホッ、はるお前はもっと強くなれる俺がそうしてやる・・・だから俺に付いてこい」

「俺もっと強くなれるの?」

「なれるさ俺が絶対に強くしてやる約束だ」

「小雪が言うならきっと俺は強くなれるんだね」

「あぁ」

「これからよろしくな小雪」

その日から俺は沢山はるに強さを教えた。はるはどんどん強くなった。きっともう俺が教える事も無くなるちょっと寂しいけどはるが強くなるならそれでいい。俺がはるを変えてしまったんだから。責任を取らないといけないから。



目を覚ましたら自分の部屋に居た。

「昨日何が合ったんだっけ・・・うぅ・・・胸が苦しい・・・」

トントン。ガチャ。

誰かが俺の部屋のドアを叩いて返事もしてないのに中に入ってくる、薄めでドアの方を見るドアの前で立っていたのは小雪だった。部屋の中にゆっくり入ると俺の顔色を確認したら手を握ってくる。

「はる」

優しい声で俺の名前を呼んでくれる。

「苦しいよ・・・小雪」

小さな声しか出なかったけど小雪はちゃんと聞いてくれた。これだけで嬉しかった。きっと苦しいからだろう誰に触れていたい

「はる分かってるよ俺と一緒に寝ようか」

「うん・・・」

小雪はゆっくり俺の布団に入って抱きしめてくれる。 何でだろう凄く暖かくて落ち着く、 ずっとこうしていたいぐらいだ。

あれ?眠たくなってくるおかしいないつもならまだ眠くならないはずなのに・・・。もう寝ちゃおうかな。きっと明日になれば苦しいのも治ってるはずだから。早く明日になって欲しいな。

うとうとしていたら小雪に頭を撫でられていた、このまま寝てしまおう。ゆっくり目を閉じて眠りにつくことにした。

寝るのは怖いけど今日は小雪がそばに居てくれるから怖くない、小雪のおかげだ俺が強くなれたのも小雪のおかげだ。感謝しても足りないくらいだ、全部小雪のおかげなんだ。これからもきっとそばに居てくれるだろうし助けてくれるだろうし守ってくれるだろう!。

目が覚めたら小雪はもう居なかった、それに苦しくなくなっていた、きっと小雪のおかげだろうか。でもまた苦しくなったらどうしようかと考えると不安になってきてしまう。

「はる?起きたの?夜ご飯の時間だよ」

「うん今行くよ」

「今日ははるが好きなカレーにしたよ」

「本当だ!凄く美味しそう」

「でしょ!」

「やっぱり姉さんは料理が上手だね」

姉は何故か俺の好きなカレーを作ってくれていた、最近はなかなか作ってくれなかったのにどうして今日は作ってくれたんだろう。

「はる明日も学校に行くんだよね?」

「行くけど、何で?」

「お母さんと話し合ったんだけどねやっぱり私と同じ学校に連れて行こうかって話し合ったんだよね」

「なにそれ俺は姉さんと同じとこなんて絶対に行かないから」

「心配なの分かってよ貴方は病気なの私がそばに居ないといけないの」

そんなの分かってる俺が一番分かってるよ、でも時雨とさよならなんて絶対に嫌なんだ、せっかく仲良くなれたのに離れるなんて死んでも嫌だ、それにふうかともっと仲良くなりたいから。これまで通りみんなと仲良くしたい。

姉は急に俺の顔を真剣に見てきてそのまま手を握ってくる俺も姉の顔を見ると姉は泣いていた。何で泣いているのか俺には分からなかった、いや分かっていたけど分かりたくなかったんだ。

「姉さん俺はあの学校に残るよ」

「どうして?」

「友達が居るから」

「私の学校に来ても出来るよ」

「それでも俺は行かない」

これは俺の本音今は友達も出来たあの学校に来たから時雨にも会えたもしあの学校に来なかったら時雨に会えなかっただろう、きっとこれは奇跡だ、時雨は俺の過去を知らないし女の子って事も知らないけどそれでもいつも笑顔で俺に話しかけてくれる、これが本当の友達なんだなって思った、俺が変われたのは全部時雨のおかげだそれにふうかにも会えた。こんな上手く進んでいくのは怖いけど大丈夫だろう。

だから俺は姉のとこには行けないんだ、いや行くつもりなんて無いけど。

とにかく早くご飯を食べて明日の準備をしないと、明日は時雨とふうかに会えるだろうか、会えたらいいな、明日が凄く楽しみだなそんな事を考えながらご飯を食べる。姉はまだ何か言いたそうとしていたけど普通に一緒にご飯を食べる。

静かにご飯を食べ終えて部屋に戻る姉の方を見ると何を考えていた何を考えているのかは分からなかったけど気にするのを辞めた考えても意味が無いからだ。今は明日の事だけを考えないと早く寝ないとな。

俺はゆっくり目を閉じる。真っ暗で怖いけど今は我慢をしないと・・・早く朝になってくれ。そんな事を考えていたらいつの間にか眠る事が出来た。



目を覚ますと朝になっていた。良かった、無事に朝になってくれた。ちゃんと朝の薬を飲むために朝ご飯を食べに下に降りる。降りるともう姉は居なかった、でもご飯は置いてあっ

た。いつもは待っててくれるのに今日は待っててくれなかったらしい。そんな事は気にするのを辞めて早くご飯を食べて学校に行かないと。ご飯を急いで食べて学校に向かう。いつもより早く走る。

走っていたら時雨を見つけて話しかけてしまう。

「時雨!」

「はるじゃんおはよう」

「はる先輩おはようございます」

「ふうか?ごめん気づかなかったよ綺麗すぎて」

「え?」

時雨の後ろに居るふうかが顔を赤くして俺に話しかけてきたからつい褒めてしまう。

それを見ていた時雨はニヤニヤしていた。何でニヤニヤしているのか全く分からなかった、でもふうかは分かっていたらしくて時雨を睨んでいた。

「はるー聞いてよふうかさはるの事が気に・・・」

「お姉ちゃんやめて!」

「二人ともどうしたんだ?」

時雨の話の途中でふうかが時雨に口を塞いだ、あれ?ふうかの顔が赤い気がするけど気のせいだろうか?。でもなんか仲良さそうでいいな、俺も姉と仲はいいけど時雨達とは全然違うから羨ましいかもしれない。

「ふうか、はるに頼んでクラスまで連れてってもらいなよ」

「えっ!!!!」

「俺で良かったら連れて行くよ」

俺の言葉でもっと顔を赤くするふうかの肩に手を置いて俺の方に体を寄せる。

「はる先輩?!」

「この方が迷子にならないだろ?」

「そうですけど」

「時雨、先生に昼休みに職員室に行くって伝えてくれるか?」

「分かったよ妹の事お願いね」

「うん」

時雨から離れたふうかは不安なのか俺から離れないようにぎゅっと体を寄せてくる。なんか恋人同士みたいだ。色んな人に勘違いをされそうだ。一旦ふうかから離れようとしたが離れてくれない。このままだとまずい、どうしよう本当に勘違いをされてしまう。

不安なのは分かるけど、分かるけど・・・!。勘違いされたら俺もふうかもやばいんだよな、やばいもんじゃない!。とにかく離れよう。

「ふうかごめんちょっと離れるよ」

「嫌です!」

「近くに居るから」

「僕から離れないで下さい」

こうふうかに頼まれて離れる事は出来なかった、学校の中に入るとみんなからの視線が俺とふうかに向けられる。

「何あれ?」「嘘!犬神さんの彼女なの!」「あんなにラブラブして羨ましいぜ!」こんな言葉が聞こえてくる。ふうかも少し気にしていたが離れることは無かった。少し歩いたらふうかのクラスの前まで来る事が出来た。

クラスの中には入らずふうかから離れるとなぜか俺の服を掴むふうかはまだ不安そうだった、初めての学校だからだろうか。どうにか安心させる事は出来ないだろうか。

今俺に出来る事はふうかの頭を撫でてあげる事だけだ。頭を撫でてあげるとふうかは笑ってくれた、その笑顔に見とれてしまう。ふうかってこんなに可愛かっただろうか。

何だこの気持ちはこれが恋ってやつか?でもだめだ・・・だって俺は本当は女の子だからふうかの事は好きになってはいけない。

それにふうかにはちゃんと男の子を好きになって欲しいから、だから俺を選んで欲しくない、ふうかには辛い思いして欲しくないから。笑ってて欲しいから、あんないい笑顔が出来るんだからきっと色んな人に気に入られるだろう。

「ふうか行っておいで」

「嫌です・・・」

「大丈夫だ何かあったら時雨のとこに行けば平気だ」

「僕は・・・はる先輩がいいんです、はる先輩と一緒に居たいんです!」

何だろうこの気持ちはふうかが泣いているのを見ると心が痛い、それに何だか頭がくらくらするような。

「ふうか・・・」

バタンッ。

俺はふうかの名前を呼んでそのまま倒れてしまった。

その時頭の中から声が聞こえてくる声がする方を見るとそこには俺が立っていた。でも俺の目はこいつと違う。俺の目が黒なのにこいつは赤だ。

「やぁ俺」

「誰・・・?」

「どう見てもお前だろ」

「違う俺はお前みたいに目は赤くない」

「今のお前は人間だからだよでも今の俺は吸血鬼だ」

吸血鬼?そんなの本当に居るのか?いや居るわけ無い俺は信じない絶対に信じない信じてたまるもんか。

「信じなくてもいいさでもなお前もう死ぬんだろ?」

「俺は死なない」

「でも体はしんどいだろ?」

「いつか治るから小雪も言ってたし」

「治らないよ」

「嘘つくなよ!」

「嘘じゃないんだよ自分にも分かってんだろ何故気づかないふりをするよ!」

なんか本当に自分に言われているみたいで悲しくなってきてしまう、何でこんなにも心に来るんだろう、何で涙が溢れてくるんだろう、こんなのおかしい。俺じゃないはずなのに俺に言われてるみたいだ。

こんな気持ち初めてだこの人に甘えたくなってしまう甘えたらだめなのに。でも今すぐ抱きつきたい抱きついて話を聞いて欲しい。でも甘える訳にはいかないんだ俺は昔の俺とは違うし変わったんだ。こんなやつに負けるもんか。

「俺は生きるんだ何があっても」

「いや死ぬさ、だが生きる方法がある」

「方法?」

「探すんだお前に呪いをかけたものを」

「誰なの?」

「お前の近くに居るさ、そろそろ時間だな、はる頑張れよ」

「まっ・・・」

俺みたいな人は急に居なくなってぱっと目を覚ましたら学校の保健室のベットで寝ていた、何で俺はここに居るんだろうふうかをクラスまで連れて行って話してそこから何があったんだっけ・・・。

それも寝すぎた気がする、早く先生のとこに行かないと、俺は生徒会に入ると決めたから先生に話を付けないと。

行かないといけないのに何でこんなにも体が重たいんだろう。

そういえば俺みたいな人が言ってた「呪い」って何なんだろうよく分からないけど今考えても意味は無いだろう。

「失礼します」

「ふうか?なんでここに居るんだ?」

「はる先輩の事が心配だったんです」

心配か・・・姉と同じだ姉もよく俺の心配をしていた。別に心配をして欲しい訳では無いが出来ることなら心配させたくない。俺の体が弱いのが悪いから。早く治したい。

だから俺はふうかに笑顔を見せて立ち上がる。

「はる先輩!駄目です今はゆっくりしないと」

「でも先生に用があるんだよ」

「それでも!僕は心配なんです!」

「分かってる、分かってるけど!」

俺はつい涙が溢れてきてしまって泣いてしまった、でも先生に話があるから行かないといけない、生徒会に入って姉にこの学校に居させてもらうんだ。

「僕も一緒に生きます僕の知り合いも行くそうなので」

「知り合い?」

「はい、一ノ瀬さん入ってきて下さい」

「はーい」

一ノ瀬ってどこかで聞いたことがあるような・・・まさかね。俺は頭を振って一ノ瀬を待つ。きっと俺とは会った事は無いだろう。いつもみたいにかっこよくしとけば大丈夫だ、大丈夫のはずだ。

でも違った俺は自分の目を疑った。

「小羽?何でここに居るんだよ!」

「はる先輩!落ち着いて下さい!どうしたんですか!」

「小雪から何も聞いてないぞ!小羽!」

「小雪お姉ちゃんに話す訳ないじゃないですか」

「聞いた事ある苗字だと思ったよ」

小羽は小雪の妹だできれば関わりたくなかった、何でかは小羽は俺の事が好きでたまらないからだ、小雪に止めてもらったけどまだ俺の事が好きらしい、一度振ったのに・・・。

また小雪に連絡をするしか無いんだろうか、でも毎回頼るのも悪いしこのまま耐えるしか無いのかもしれない。何でだろう涙が溢れてきてしまう。

「はるせんぱ・・・?」

「助けて・・・」

俺はふうかの服を掴んで助けを求めた。その声でふうかは俺の事を抱きしめて小羽の方を睨んだ。でも小羽は何の事か何も分からなかった。それでも小羽は俺に近づいてくる.、よけい怖くなってしまって俺はふうかの服を強く引っ張る。

そんな事は小羽は何も考えず俺の手を握ろうとしてくる小羽の手を見るともっと怖くなってしまってついふうかの腰に顔を埋めてしまう。こんなに怖いって思ったのは久しぶりだ多分中学の時ぐらいだろう。

こんな気持ちもう無いと思っていたのにまたこの気持ちか・・・この学校にも俺の居場所は無いんだなって分かった、でももう逃げたくない昔の自分に戻りたくないから。

俺はゆっくりふうかから離れて立ち上がる。そのまま小羽を睨んで歯向かおうとしたけど小羽の目を見ると体が動けなくなってしまう。本当は今すぐ逃げたいけど逃げる訳にはいかない。早く立ち向かわないと。

足をガタガタ震えていたら小羽は俺にどんどん近づいてくる、また怖くなってしまう、小羽の目が凄く俺は凄く怖くてたまらなかった。こんな思いしたくないのになんで小羽は俺に関わろうとしてくるんだろう。

何度引き離しても付き纏ってくる、どうしたら離れてくれるんだろう、考えても何も思い付く事は無かった、でもその時ふうかが俺の前に立って言った。

「一ノ瀬さんはる先輩が困っているじゃないですか」

「はる先輩も私の事が好きなはずだよ!ね?」

「好きじゃない・・・」

「好きだよね?」

またあの目だこの目にはどうしても逆らえなくなる、もう俺には逃げ道は無いのだろうか。そう思っていたらふうかが口を開いた。

「はる先輩は嘘を付いています、そんな事も分からないんですか?一ノ瀬さん」

「そんな訳ない」

「はる先輩、僕はる先輩の事が好きです」

「え?ふうかが俺の事が好きなのか?」

「はい優しくされてから凄く心にきてそこから好きになったんです」

ふうかが俺に好きだと言ってくれたことに驚いたけど、何故か凄く嬉しくて涙がまた溢れてきてしまった。こんなに嬉しいって言う気持ちは初めてだった。涙がどんどん溢れてきてしまって前が上手く見えなくなってしまった。

ふうかも俺と同じ気持ちだったんだなって嬉しくてたまらなかったから涙が溢れてくるんだろう。本当は笑ってありがとうって伝えたいのに全然笑えない、いつもならすぐ笑えるの・・・。

「俺は・・・」

「はる先輩もし僕の事が好きだったら僕に抱きついてください!」

「ふうか・・・」

「僕を信じてください!」

こんなふうか初めて見た、まだ出会ったのは2回なのに何でこんなに本気で俺の事を好きだと言えるんだろう、今日教室に行く時だったあんなに震えるぐらい人と話すのが苦手なはずなのにそれなのにふうかは俺に気持ちを伝えてくれた。俺も答えるべきだ。

ふうかの為にも小羽の為にもみんなの為にも、答えなきゃいけない自分の気持ちに、自分の気持ちをふうかに伝えなきゃいけない。

伝えないといけないって分かってるけど、分かっているけど伝えるのが辛いし怖い、だって俺は本当は女の子だから、もしそれを知ったらふうかは本気で俺を嫌いになるだろう。

だから凄く怖いんだ、嫌われたくないし失いたくないから。

「俺はふうかを信じたい・・・でも怖いんだ・・・」

「じゃーはる先輩私のとこに来てください私は貴方の事をよく知ってます」

「小羽・・・やめろよ頼むから」

「じゃー来てくださいよ」

小羽は俺の本当の性別を話そうとしているんだ、いつもそうだ卑怯な手を使う俺の性別を言えば俺が従うと思っているんだ、みんなそうだそれならふうかも・・・・。駄目だ、そんな事を考えるとふうかの事も信じれないし小羽のとこにも行きたくない。俺はどうしたらいいんだろう。 俺は誰を信じたらいいんだ!。俺はただみんなと仲良くしたいだけなのに普通に楽しく話していたいだけなのにどうして俺はこんなに苦しまなきゃいけないんだよ・・・。

ここに時雨が居てくれたら良かったのに俺が頼れるのは時雨だけなのに、でも俺の好きな人はふうかだ、こんな事話せる訳ない、話しちゃいけないんだ。

笑わなきゃいつもみたいに笑わなきゃ早く、早く!。何でいつもみたいに笑えないんだよ!何で涙が溢れてくるんだよ!おかしい、俺は今おかしいんだ!。

そんな事を考えていても何も変わらない俺は前に進まなきゃいけない、いつまでも逃げていたら駄目なんだ、ふうかもきっと勇気を出して俺に好きだと教えてくれたんだ、それならちゃんと向き合わなきゃいけない。

もう俺は昔の俺とは違うんだ。

「小羽」

「はる先輩!」

「ごめんな」

「え?」

俺はゆっくり小羽の横を通ってふうかの前に立った。その時のふうかは驚いていたけど涙を堪えて俺の方を見ていた。だから俺は答える事にした。ふうかの事が好きだと。

「ふうか好きだ」

「僕もです」

「いつも隠してる事を話せる仲になろう、いや今日からふうかは俺の彼女だ!」

そう俺は言ってふうかを抱きしめた、その時ふうかはもっきり泣いた。俺も声を堪えて泣いていた。でも小羽は俺達の方を振り返って大声で話し始めた。

「はる先輩貴方は最低な人ですね」

「小羽?お前・・・まさか!」

「ふうかちゃん聞いてよはる先輩はね」

「やめろ!」

俺が止める為に小羽のとこに走って向かったが遅かった。

「本当は女の子なんだよ」

小羽はふうかの目の前で俺の性別を話してしまった、俺が手を伸ばした時にはもう遅かった、いや手遅れだった。もう嫌われてしまったな俺の恋愛もここまでか・・・。

俺が下を見ていたらまたふうかが前に出てくれた。何だろうって思って上を見たらふうかの手は凄く震えていた。

「ふうか・・・?」

「僕は人間じゃないんです・・・」

「何言ってんの?おかしくなったの?」

「僕は吸血鬼です!」

「えっ?」

「はっ?」

ふうかは震える手を自分の目に当ててゆっくり深呼吸をしたらふうかの雰囲気が変わった、両目が赤くなって牙が生えていた、普通は怖がるはずなのに何でだろう全く怖くない。こんなのおかしいのかもしれないけどそれでも全然怖くなかった。

それよりふうかに悪い気しかしなかった、隠していた事を話させてしまったから。申し訳なくて心が苦しかった、苦しいけどなんか心が楽になった。

ふうかなら俺の事を受け入れてくれる気がした、だって誰にも言えなかった俺の性別を聞いてもまだ近くに居てくれている。

そんな事を思っていたらふうかは口を開く。

「僕は拾われたんだ、本当の家族の事は知らない、でも僕は人間では無いから生きている意味なんて無いと思っていた」

「ふうか?何言ってんだよ、生きていちゃいけない人なんていなんだよ」

「そう思ってくれる人が居るから僕は生きているんだ」

そうかふうかはずっと誰かの為に生きてきたんだ、俺みたいに逃げずに一人で戦っていたんだ。それなのに俺は何をしていたんだ。

こんなにも頑張っている人が居たのに俺はそれすら気づけなかったなんて、こんな俺は違う弱気になっている場合では無い。

守らないと。以前は人を守るのが怖かったけど、今は怖くない。

「小羽お前は何をしたのか分かっているのか?」

「私ははる先輩の事を考えてしたんだよ?」

「俺の事を考えてだと?」

「そうだよ!だから一緒にいようよ」

小羽は俺に抱きついて離れようとしなかった。でも抱きしめられた時心臓が痛くなった。

頑張って小羽から離れて姉に電話をかけた。

「もしもし姉さん・・・あのさ・・・げほ」

ポタポタ。

「はる先輩!」

「はる?どうしたの?もしかしてまた・・・今から向かうから待ってて」

姉の言葉を聞いたら安心してそのまま倒れてしまった。

「はる先輩!一ノ瀬さん先生を呼んできて!」

「えっ?あっ・・・」

「早く!」

「わっ分かった」

ふうかと小羽のおかげで先生が早く来てくれて救急車を呼んでもらえた。そのおかげで俺の命は何とか助かる事が出来た。

でも俺はなかなか目を覚まさなかった、もしかしたらもう命がないのかもしれない。だとしても俺はまだ生きないといけない。

早くこの病気が治ったらいいのにと毎日のように思ってしまう、思うけどきっと治る事は無いんだろう。でももし治るなら治って欲しいな。

そんな事を考えていたら俺はゆっくり目を覚ました。

「ここは・・・どこ・・・?」

「犬神さん?目が覚めたんですね」

「えっと?はい」

「ここがどこか分かりますか?」

「病院ですかね」

「そうです、良かったですちゃんと分かっててもらえて」

看護師さんはこれから家族の人がここに来てくれるらしい。

でもどうせ姉しか来てくれないんだろうな、分かっているのに何故か来てくれると期待をしてしまう。

来るまで横になって眠ろうと思ったら部屋のドアが思いっきり開いた。

「はる!もういい加減にしなさい!」

「母さん一旦落ち着け」

「そうだよお母さん」

「ごめんなさいね・・・それじゃ言わせてもらうわね」

「母さん・・・?」

「はる少しの間遠くの街に行きなさいお父さんと一緒に、それでその病気を治してきなさいそれまで帰ってきてはいけません」

待ってくれ・・・母さんは何を言っているんだ?、治るまで帰ってきたら駄目って何?。何で姉さんも父さんも母さんも泣いているの?。

こんなのおかしいじゃないか、おかしいよ・・・。

俺は頑張って笑おうとするが上手く笑えない。どんどん涙が溢れてきてしまう。

きっとこれが運命だったんだろうな、運命ってやっぱり怖いもんなんだな。ああみんなとお別れは辛いな、それにせっかくふうかと仲良くなれて好きって言ってもらえたのにな、俺もふうかの事が好きで大好きだったのにな。これからもみんなとずっと一緒に居たいのに。

でもそれすら叶わないなんて・・・なんで俺生きてるんだろう。なんか分からなくなってきてしまった、前まではみんなのために生きてきたけどもうみんなと会えないなら生きている意味なんてもう無いじゃないか。

なんで俺がこんな思いをしないといけないんだ、俺はずっと一人で頑張ってきたのに何も意味がなかったじゃないか。

いやきっといい事があるはずだ父さんと遠くの街に行けば何かが変わるかもしれないし、それなら行くしか無い。早く病気を治してここに戻ってくるんだ。そう俺は心に決めた。

少し入院をしたら何とか体は治ったけど病気自体はまだ治っていない。家に帰ってきたら父さんは荷物をまとめていた。前の話は本当だったんだなって思った。

呼吸を整えて俺は目を閉じて自分の部屋に行くと姉のましろが俺の部屋に居た。それも俺の服とかをまとめてくれていた。俺はつい頭に来てしまって姉に睨みつけてしまった。

本当は行きたくないのにみんなは行って欲しいのかもしれない、もしかして俺の居場所はもう無いのかも、分かっているみんなは本当は俺の病気が治って欲しいから父さんと遠くの街に行って早く病気を治して欲しんだろう。

だから俺は一旦この家から出る事にしたんだ、それがみんなの為になるんなら俺は何でもするんだ、でもなんでこんなにも心が苦しいだろう、きっとまだここに居たいからだろう、早く病気を治してここに戻ってくるんだ、そしてまた家族で楽しく暮らすんだ昔みたいに。あっちの学校でも上手くやれるんだろうか、いや上手くやるんだ俺は強いから何でも出来るんだ、好きな人の為にも頑張らないとでも本気は出さないようにしないといけないけど、どこに行っても俺は俺だから上手くやれるって思っているから。

でもそう心では思っていてもきっと上手く行かないんだろう、なら早く病気を治してここに帰って来よう。

みんなの為に俺が頑張らないと、頑張ったらきっと良い事があるはずだから、神様は俺の事を見ててくれてるはずだから。頑張ろう。

「はる?帰って来てたんだね」

「うん」

姉がいつもみたいに俺に話しかけてくれる、でもその気遣いが心に刺さってしまう、何で姉は平気な顔が出来るんだろうか、悲しくなんだろうか。なんかもうどうでも良くなってきてしまった。

「はる?どうしたの?そんな怖い顔して・・・」

「姉さんは俺の事本当は嫌いだったんだな」

「何言ってるの?」

「じゃー何で母さん達を止めてくれなかったんだよ!!」

「はる落ち着いて私ははるの為に止めなかったんだよ」

「何が俺の為だよ嘘ばっかじゃないか!俺の学校に姉さんの事を知ってる人が居たんだぞ!姉さんのせいで俺の生活がおかしくなったんだぞ!」

俺はつい姉に当たってしまった。本当はここに居たいのに勝手に違う学校に行かされて。誰も俺の事を考えてくれてない。誰とも離れたくないのになんで離れないといけないのか、何度考えても分からないままだった。

でもそれでも俺はどうしてもみんなと離れたくなかったんだ。なのになんで俺の親たちは俺をみんなから離れさせるのかは本当に分からないままだし、親と姉は俺の病気を治すためと言っているけどもしかしたら俺と居るのが辛くなってきたのかもしれないし、だから分からなくなるんだと思う。それでも今は笑う事しか出来ない。

みんなとさよならすると思うと辛くて悲しくてたまらない、本当は姉に当たりたい訳でもないし、でも少しは親たちを止めて欲しかったんだ。ただそれだけだったのに・・・。誰も俺の事を考えてもない、少しでいいからちゃんと俺の事を見てくれよ・・・。

「はる・・・ごめんね、でも私達も本当は一緒に居たいんだよ?その気持ははるにも本当は分かっているんでしょ?」

「分かってる、でも!」

「もういいんだよ、はるの気持ちも私達は分かっているから、だからね私達も病気を治せる方法を探すから。待っててくれるかな?」

こんな真剣な姉の顔は初めて見た気がする、いつもは穏やかでいつも俺の事を一番に考えてくれていた姉がこんなに真剣な顔になるのはきっと俺の命が危険に近いからなんだろう、じゃないとここまで真剣にもならないし。それに夜泣いたりしないし小雪にも毎回泣きながら助けを求めたりしない。

俺の病気は誰かに呪をかけられて死にかけてる、でも誰に呪をかけられたのか分からないし普通の人に呪をかけられるのか、もしかして・・・人間じゃないのかもしれない。

「姉さん、どうしてそこまでして俺の事を一番に考えてくれるの?俺姉さんに何もしてあげてないのに・・・」

「はるは私の大切な妹だからだよ、それにはるが私から離れたのもきっと私のせいなのは分かってるから、だから辛い思うをさせてしまったから少しは支えてあげたいんだ」

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「初めて好きになった女の子は吸血鬼だった?!」 吉田みき @yosidamiki

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