異世界放浪録 with MMORPGキャラ

黒川貞兼

序章 転生?〜異世界の最初の街へ

プロローグ あるゲームの終わりと

『もうすぐ、終わるね』


画面のチャットに表示される文字列に寂しいものをかんじる。


画面にはあと数分でサービス終了するとあるMMORPG【アストレイア・サーガ】が映っていた。


自分のキャラの傍には、パートナーとなってるキャラが寄り添ってる。


【ああ、そうだな】


「……十年近く遊んでたし、自分の半身みたいに感じるんだよな」


返事を打ち込みながら、言葉がこぼれる。


なにしろ学生生活中に出会い、社会人になってもプレイしてたゲームだ。


自分の一部……いや、半身と言っても過言じゃない。


思わず零した言葉に、切なさを感じる。


『……カイトはリアルと私のいるこのゲーム、どっちかしか選べないとしたらどっちがいい?』


【どうした急に】


『いいから』


【そりゃ……このゲームじゃないかな。リアルはこのゲームのように、頑張れば報われるとは限らないし……オフ会に来てくれたことないユエにも会えないし】


オレの言葉にオレのキャラに寄り添うキャラがジト目を向けてきた気がした。


『こっちも訳あり。是非もなし』


【なら是非もないな】


なんて言っていたらポップアップが表示された。


「ん? ……ユエが■■■■に招待しています、参加しますか……?」


あと一分を切ったところで突然表示されたソレに目を丸くする。


「……あれ、メッセージ打てない……というかポップアップ選択しないと何もできない!?」


キーボードもマウスも受け付けない状況に困惑し、少し悩んだあと、あと10秒というところではいを選んだ。


『――良かった、選んでくれて』


【コレなんだったの?】


『――すぐに分かる』


どういうことか聞き返そうとしたが、画面が更新されてサービス終了しましたの表示に切り替わってしまった。


「…………とうとうユエとはリアルで会えなかったな。……ネカマかもしれなかったけど、アレだけ仲良くできたし、それはそれで友人とかにはなれたかもしれないのに……」


パソコンをシャットダウンさせてベッドに横になる。


色々な想いが胸に溢れ、気がついたら意識を手放していた――。


――*――*――


「――?」


目を覚ますと、満天の星が煌めく夜空が見えた。


はて、どういうことだろう。


「――カイト」


声のする方を見ると、そこにはゲームで結婚したユエ本人が居た。


「え? ユエ?」


「ん、そう。――騙してこっちの世界に魂引っ張ってきたけど、数万年待つのは想定外だった」


「……???」


なんか唐突にとんでもないことを言われた気がした。



――*――*――




「つまりあのゲームで知り合ったオレの魂をこっち?の世界に呼んだと。そのときに、裏技使ったから地球世界管轄の神様に怒られ、魂勝手に連れてきたせいでこっちの世界の管轄の主神に怒られた。んで、1人でオレが目覚めるまで数万年待ってたと」


事実は小説より奇なりとはよく言ったものだと思いつつ告げた言葉にユエは頷いた。


「ん、そのとおり。ついでにあのゲームでのカイトの姿形や能力やアイテムをこっちの世界に合うよう調整とかでそこそこ時間かかったから、調整前に起きて待たせることにならなくてよかった」


「お、おう」


なんかズレてるなーと思いつつ、撫でると彼女は目を細めた。


「方法は想定外だったが……こうしてゲーム内とはいえ結婚したユエと触れられてうれしい」


「ん、私も。……本当はこの箱庭で2人だけでもよかったけど、カイトの人生奪った分、第二の人生楽しんでもらいたいから、行こうか」


オレの手を引くユエ。


そして近くにあったドアを開いて、その先へと二人で踏み出した。

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