【Mystica=Mist】

蒼星白炎

プロローグ 【思い出して】

 


 そこは、空。


 どこにでもあり、

 どこにもない。


 誰の中にもあり、

 誰の中にもない。



 それは、白。


 無限の可能性であり、

 行き詰った最果て。


 全ての終わりであり、

 全ての始まり。





『思い出して。』



 貴女だれかの声が聞こえる。



「思い出して。」



 誰かあなたの泣いてる声が。



「思い出して――――」



 知らない、知らない、知らない懐かしい声。






「―――――――――――――――――――――――――助けて。」






 甘い、香りがした。

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