第8話 萩と月

 小笠原家別院の裏手に二人の姿

そこに大熊一派が現れてくる。


「容易は周到だ、もうこれで後は任せたぞ」

そういうと大熊達は去っていく。


 何食わぬ顔で二人は別院の中に入っていく


 明日は中島家の本家に行くという日になる、


「母上、心配です、夜も眠れません」

「羽の姫、姫はここで充分に教育したから、大丈夫です」

「しかし、もしばれた時にはどうすれば」

「その時の作法も教えたはずです」

「羽の姫には侍女として、すっぱの阿せいを連れて行きます、その者がつなぎ役をしてくれますよ、だから心配しないで良い」

「母上は?」

「近くで見守ってますから安心しなさい」


 萩の花が風に吹かれてさやさやと動いている。


 その花を照らす月の明かりが女の心が必ず成就することを確信しているようだ

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