第6話 人の怨念

 観念した明延が話を続けた。

「実は別院で育っていたと思った羽の姫は……」


 ある城の中、それは地獄と化していた中に、

沢山の死んだ兵士の中で蠢いている女がいた。

沢山の死体が覆い被さっていて、城はもう落ちるのに一途もない状況であった。


「四郎!し、しろ、四郎」

 女は叫んでいる

しかし、女の声だけが悲しく響いているだけであった。


 その悲惨な城の焼け落ちた瓦礫の前で髪が真っ白になった女が佇んでいる


「おのれ!おのれ……ふうううううむ」


 鬼と思われる形相に女雨が降り注いでいる、

そして人とは思われない声で何か言ってる。

近くで雷が落ちて、その女の顔を不気味に照らす。


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