ゴースト・プロトコル     第3話

 『20th Century Boy』


 おばあちゃんが亡くなってから1年が経つ。

 お葬式でトムとニコは2人で号泣した。

 体中の水分が無くなるくらい、あきれるほどに2人は泣き続けた。

 トムはそれを昨日のことのように思い出した。

 トムは支度をして家を出た。

 ニコとの待ち合わせ場所へ向かう。

 待ち合わせのコンビニ。ガラスの向こうで少年漫画を読んでたニコがトムに気づき、ニッコリと微笑んだ。

 ニコは漫画好き。

 しかも、少年漫画を好む。

「お待たせ」

 店から出てきたニコにトムはそう告げると、ニコは首を振った。

「ぜんぜん待ってないよ。

わたしもついさっき着いたとこだもん」

 ニコは嘘をついた。 

 本当は30分前には着いていた。  

 ニコは人を待たせるのが嫌いだった。相手がトムだったら、なおさらだった。

 ニコはカーキのダウンジャケットにデニム。斜め片掛けのリュックといった男の子みたいなスタイルだった。キレイなロングヘアーはツインテールにしていた。

 ボーイッシュな格好といったギャップが、ニコのかわいさを際立たせていた。

『ニコ、ツインテール、メッチャ似合ってる。

スッゴくかわいいよ』

 トムは素直にそう言いたかった。

 隣でニコニコ笑っているニコがたまらなく愛おしかった。

 ニコはトムの隣で、右手をヒラヒラと手持ちぶさたにしていた。

 まるでさみしい蝶々のダンスみたい。

 トムはそれを気づかない振りをした。

 いつからだろう。 

 女性として成長したニコを、幼なじみから女の子と意識してしまってからというもの、トムは急によそよそしくなった。

 ある日、トムはラジオから流れてきた古い曲が気になった。

 音楽配信全盛の時代。

 トムはラジオから流れる聞いたことのない、センスの良い曲を聞くのが好きだった。

 気になった曲をネットで検索して、その曲の歌詞を調べた。


きみはおれに出会うために生まれてきた

おれはきみのおもちゃ

きみの20センチュリーボーイ


 ニコの横顔にトムが見惚れていると、視線に気づいたニコがトムを見てニッコリと笑った。

 トムは思った。

 ぼくは、きみのおもちゃだよ。


 第4話へ続く

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