地球最後の告白
@Kaikun22Youtube
最後は2人きり
地球滅亡まで、あと2時間。
校舎の窓から見える空は、どこか赤みを帯びていて、日常のはずなのに現実感がなかった。
「これが最後の終礼だ。みんな、今まで本当にありがとう。」
先生がこう言った。
そして、みんな涙を流しながら、「いままでありがとう」と言って帰っていった。
帰り道のトンネルで、同級生で高校で一番かわいいと有名なはるに話しかけられた。
「ねぇ、ゆうとくん。ほんとはずっと、伝えたかったことがあったんだ」
トンネルに、はるの声が響いた。
「実は私、ゆうとくんのことが好きだったんだけど、最後くらいは、一緒に居れないかなと思って」
僕は当然
「いいよ」
と答えた。
世界が終わるのに、勉強も部活ももう関係ない。ただ心臓の鼓動だけが大きくて、自分の体が自分じゃないみたいだった。
はるが一歩近づく。顔と顔の間が数センチのところまで近づいて、あと少しで唇が重なるほどの距離まで近づいてきた。体がかすかに触れただけで、火花みたいに熱い。
その瞬間、世界の終わりなんてどうでもよくなってしまった。
はるは僕にこう言った。
「……好きだよ。最後まで、ゆうとくんと一緒にいたい」
僕とはるは少し震えながら、唇を近づけた。
トンネルの外から隕石が燃え落ちていく音がした。
地球最後の告白 @Kaikun22Youtube
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