第4話

父の親兄弟の死因のほとんどが「脳溢血」、つまり高血圧が原因で脳の血管が破れる、または血管のこぶが何らかの刺激で破れる、そういう感じで。

父の母、つまり私の父方の祖母は「嫁の不倫が発覚したことで頭に血が昇って身罷った」という話。

その嫁の夫(父の兄)もその時は堪えたけど最終的に倒れて数年後お亡くなり、だからな。

ちなみに嫁は健在。


閑話休題。


脳動脈瘤が見つかって、母と私は「破れる前に処置を」

父は「急がないといけないのか??」めちゃくちゃ躊躇ってたのを「いつ破れてもおかしくないんだから、破れたらどうしようも無くなるから」って説得して即入院即手術。


病変部はちょい奥まった部位だったがクリッピング自体は問題なく終わり、術後せん妄はあったけど想定内で。


ただ数日して父本人が「なんかおかしい」と言い出して、クリッピング周囲から血が染み出しているということで再度処置。


頭を切ったのでしばらくは言動が変だろうね、といいつつ母が面倒を見ていたけど、どうもおかしい、方向が分からない感じ、同じ話を繰り返すのが多くなった、家の中で迷うような振る舞いをする。

それらを伝えるべく病院に行って訴えると「手術そのものには問題ありませんから」


うん、そりゃそうだよ、誰もそこを突っ込んでるんじゃなくて「ボケてきたよね、急に?原因が分かれば安心するし何か処方や処置をすることがあればそれを頼みたい」って話なのに「年齢的に問題ないです」って、右も左もわからなくなってるのに問題ないの??


とはいえ2年くらいは「まぁ歳だからな…」でこっちも納得していた。車の運転もしていたしゴルフも行ってたし。

決定的だったのは免許更新の時の高齢者講習のテストがほぼ点数なかった時。

テスト直後は腹を立てて「もう1回させろ‼️」と。ただ教習所の先生たちもそういうのは慣れていて「うん、じゃあ来週来れる?来れるなら来週やり直しましょうね」

それで落ち着いて母の運転で家に帰る途中で「もう免許要らんか〜」と言い出したので「要らんなら返しに行こう、すぐそこだから」つって警察署に連れてって免許返納させたという、そこは本当にグッジョブだったと思う。


今でもたまに「俺が運転する」「あんた免許返したのに、運転できんよ」「??ホントか??」って会話してるけど。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る