どの業界にも、ルールを理解しようとせず、現場の人間に感情をぶつけてくる“そういう人”はいます。
本作は、薬の販売という法律に基づいた現場で働く立場から、その理不尽さと疲弊を静かに、しかし的確に描いていて、深く共感しました。
個数制限や資格者確認は、店や個人が勝手に決めているものではなく、安全のために国が定めたルール。
それを無視し、「早くしろ」「聞かれるようなことはしていない」と怒りを向ける姿は、今の日本社会が少しずつ変わってきていることへの警鐘にも感じます。
声を荒げることなく淡々と語られているからこそ、現場で働く人の疲れや切実さが伝わってくるエッセイでした。
本当にお疲れ様です、と言いたくなる一編です。