第13話 普通のJKの日常?
久音『魔術士が2人、教室に向かっています!』
マナ「オッケー、亜音がもう廊下の端っこにスタンバイ済みっすよ〜」
亜音「こっからなら、教室に向かえば背中が丸腰。やるわよ」
『ドンッ!』
一発の銃声が響いた。
マナ「背中から2人、一発で仕留めたねぇ!さっすがマグナム弾!」
今日はキングコブラに357マグナムで武装してきた。
マナ「いいね〜、敵が1人だったら、自分の手を犠牲に威力を抑えなきゃいかんかったね〜」
シティーハ〇ターは名作だからねぇ。
久音『一発で2人仕留めたとは、さすがですね〜』
姉さんは、例の名作は知らないらしいな。
亜音「他に敵影は?」
久音『ゼロです』
亜音「よし、じゃあ教室に戻るわ」
***
だいたい週に2回くらいのペースで刺客がやってくる。サバゲの延長のノリで、日々ウェポンを換えるまでに慣れてしまった。
亜音「リボルバーは弾丸の汎用性はいいけど、音がデカいわね。威力も考えるとガバの45の方が全体的に上だと思うわ」
久音「でも、でも、キングコブラのノーズ部分の美しさは突飛でてますよね?」
マナ「分かる。けど、ウチらはまだ、美しさで装備を選べるほどの玄人じゃないのよ。あくまでも実用性重視っすよ」
まあ、玄人でもそうだと思うけど……
マナ「次はウチ、何を使おうかな。マグナムの威力は分かったから、いっそコルトポケットとか、デリンジャーとか使ってみよっかな」
久音「ポケットならまだしも、デリンジャー単体はやめて下さいよ〜」
マナ「冗談ッスよ。命あっての物種だもんね。
そこら辺はちゃんと考えておきますよん」
亜音「はいはい、じゃあ私らは夕飯の買い出しに行こっか」
***
今日は生姜焼き弁当が特売だな。夕飯決定。
姉さんはお菓子コーナーで釘付けになっていた。
久音「これ!ニャンコの食玩シリーズ第3弾が出てます!買って買って!」
子供かよ。
亜音「じゃあ、1つだけだからね」
久音「え〜!コンプしたいからボックスで買って下さいよ〜」
まあ、生活費は姉さんがくれたカードで全部出してもらっているから、私にそれを止める権利は無いんだけど。
亜音「しょうが無いわね。今夜は生姜焼きだけに」
久音「?……はい、ありがとうございます」
亜音「生姜焼きだけにな!!」
周囲『ザワザワ』
姉さんは私を無視して、棚の上にあったボックスを手に取った。ツッコんでくれ。死にたくなるじゃないか……
帰宅後……
亜音「なんでさ?、全6種なのにボックスは8個入りなの?、2個かぶるじゃん、詐欺じゃね?」
久音「食玩の箱買いって、そういうものですよ〜。例えかぶりがあっても、全種類コンプ出来るんだから良いじゃないですか」
マナ「ネットオークションとかで買うのは駄目なん?」
久音「それはそうですけど、開ける時のドキドキとかあるじゃないですか〜」
『そういうもんかね〜』といいながらビールを煽る。生姜焼きとビール、最高。
久音「日本って20歳以上じゃないと飲酒は禁止ですよ……」
亜音「だ~か~ら~、路上で実銃撃ってる人間が、今さら“お酒はハタチになってから”とか言うなよ」
久音「それはそうですけど、飲み過ぎは体に良くないですし……」
亜音「1日頑張ったご褒美に呑んで何が悪いってのよ。人生、面白おかしく生きられればいいのよ」
『そんなもんですかねぇ』と言いながら、姉さんは私が注いできたファ◯タグレープを飲んだ。
実は赤ワインを混ぜてやった。
グイグイ飲む姉さん。
久音「……ぷはっ。このジューチュ、おいひいれふね!」
鈍いし、相当弱いな。
これじゃあまだ、酒の本当の美味さが分からないのも無理はないか。私、今完全におっさんだったな。
久音「おかわり、くらはいませんかぁ?」
マナも面白がって、今度は赤ワインだけを注いで渡す。
久音「ゴクッ、ゴクッ、ゴクッ、おいひ〜い!亜音さん、手が止まっていますよ〜、どんどん飲みまひょうよ〜」
絡み酒か……
久音「わらひが飲ませてあげまひょうかぁ?」
うざい。飲ませるべきではなかったな。
どんどん近づいてくる姉さん。『どうせなら口移しでもいいんれふよ〜』コイツ、駄目だ。
私の首に手を回してきたので、ポケットに入れていたスタンガンを腹に押し当てスイッチを入れた。
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