ミリオタJKとポンコツスナイパー 〜クラウディアス教団編〜

アルミ@(あるみあっと)

第1話 Introduction

AM8:30

都内某所、私立高等学校 1年教室…



「きりーつ、きおつけー、れーい、ちゃくせ…」


『ガラッ!』


1時限目の始業あいさつ中、突如教室のドアが開かれた。そこには時代錯誤な古式の和服姿の男が1人。まるで陰陽師だ。



男「……間宮まみや亜音あのん


男はボソっと呟くように声を出した。窓際の席の私と目が合うと、『ニヤァ』っと不気味な笑みを浮かべ、掌をゆっくりと前に突き出した。



「みんな伏せろぉ!!」


クラスメートの掛け声と共に、私は自分の机を蹴り倒してバリケードにし、同時にカバンからコルト380オートを取り出す。

そして、教室入り口で呪詛を唱え出した男に向かって躊躇無く二発撃ち込む。


姉さんに言われた通り、腹部と心臓付近に1発ずつ見事命中した。狙い通り侵入者は絶命した。



程なくして、久音くいん姉さんが教室に入ってきた。何事もなかったように男の遺体を担ぎ、一礼して教室を後にする。



教師『はーい、授業始めるわよー。えっと、今日は教科書の56ページからねー』


最初にみんなに声を掛けた、親友の道明寺どうみょうじマナとエアグータッチする。


私は倒した机をもとに戻し、念の為マガジンに1発押し込み教科書を広げた。


やれやれ、今日もいつもの1日が始まった。



***



ーー放課後


久音「今日は1人だけで済みましたねぇ」


亜音「ええ、それよりも1人でも侵入を許しちゃったのは頂けないわね」


久音「すみません。今回の陰陽道を使った転移の場合、魔力を使わないので察知することが難しくて……」


亜音「冗談よ。あれくらいなら私1人で十分だし、姉さんはよくやってくれてる。学校の外でも何人か倒してくれたんでしょ?硝煙の匂いが付いてるわよ」


久音「え?匂いますか?なんか嫌だなぁ……」


亜音「姉さんの悪いところは自分を過小評価し過ぎるところよ。もっと自信を持ちなさい」


久音「え、あ、はい。頑張ります!」


私よりも5歳も年上だとは、とても思えないな……



***



私は16歳の高校1年生。久音姉さんは21歳だ。


今、この街一帯には結界が張られており、侵入者を防ぐと同時に、住民に私達の異常で違法な行為をスルーするように暗示をかけている。


私は、呪術を生業としている間宮一族の遠縁にあたるらしい。

血は薄いのだが、その血を根絶やしにしようとする連中や、その他もろもろに命を狙われているのだ。


そして、この久音姉さんは、そんな私の護衛に付いてくれている。

本名かどうかは分からないが、裏の世界では“クィンシー”と言う暗殺者らしい。


日本で、私の姉として振る舞う以上は、それではおかしいということで、間宮まみや久音くいんと名乗っている。


身寄りの無くなった私の、仮初めながらも唯一の家族だ。

そう、今からちょうど1年前。父さん、母さん、弟の4人家族の中で、私1人だけが生き残ったのだ…

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