第3話 キミの事
この市がない世の中に居て、辰馬は「僕は何の為に生きて居るんだろう?」と凄く思うようになって居た。
僕が小さい頃に両親が居て、その両親は僕の存在すら、何処で何をしているのかすら気にして居ない。
僕は虚しくなって姉の杏奈に「僕は両親と暮らして居て誰も僕の事を心配してくれないんだ。誰が僕の事を大切に想ってくれるのだろうか?」といつも気が気では無かった。
そんな寝て居る辰馬に「ほら、そんな所で寝て居ないで仕事をしたらどうなの?」とその場で佳奈に起こされた。
佳奈が「いらっしゃいませ。何に致しましょうか?」とお店の伝票を持って現れた。
お客だと思えば、辰馬が「ばあちゃん。どうして此処に?」と振り向いた瞬間に、辰馬のおばあさんが「このコーヒーを貰えますか?あと、サンドイッチもね?」と笑って注文をした。
辰馬が「ばあちゃん。そんなお金何処にあるんだよ」と訊ねた。
辰馬のおばあさんが「それなら辰馬の給料から引いて貰えば良いですよ」とあっさりして居た。
辰馬が「ばあちゃん。人のお金を何だと思っているんだよ」とこっぴどく叱った。
佳奈が「はい。コーヒーとサンドイッチです」と話をして辰馬のおばあさんが座るテーブルに置いた。
辰馬のおばあさんが「ありがとう。どっかの誰かさんとは違って佳奈さんは優しいね」と笑顔で返事に答えた。
辰馬は「どっかの誰かさんで悪かったな?それを食べたらとっとと帰れ」とテーブルに置いてあったカップと皿を下げた。
辰馬のおばあさんが「おぉ、怖い。何様のつもりだと思って居るんだろうね?」と減らず口を叩いた。
そんな辰馬のおばあさんに佳奈は「ゆっくりして行って良いんですよ?そんなに急がず慌てずに食べて下さいね」と声を掛けた。
辰馬のおばあさんが「辰馬があんなに冷たいのに佳奈さんは見ず知らずの私に優しくしてくれる。辰馬みたいな人には勿体無いな」と佳奈に返事を返した。
佳奈が「あはは。そう言って貰えると凄く嬉しいです」と辰馬のおばあさんが話し掛けた。
辰馬が「ったく、減らず口の達者なババアだ。もう少し静かにしてくれたら良いのに」とおばあさんを呆れて見て居た。
佳奈が「お客さんなんだからもうちょっと優しくしてくれたら良いのに」と怒って話した。
辰馬は「ばあちゃんは、ばあちゃんで静かにしてくれたら良いと思う」と急に機嫌を損ねた。
辰馬の母親が「あれから会わなかったわね?母さんよ」と声を掛けた。
辰馬が「何で母さんが此処に居るんだよ。もう僕は父さんの事も母さんの事も忘れたのに今更何しに来たんだよ」と辰馬は実の母親に冷たく接した。
佳奈は「母親に会えて良かったわね?」と優しく気持ちを伝えた。
母親は「折角、辰馬の事を心配して来たのに、あんまりだわ」と呆れて帰って行ってしまった。
辰馬が「今日は踏んだり蹴ったりだった。でも、此処で働けただけよしとしよう」とその場で気持ちを切り替えた。
辰馬が「アイツ何して居るんだろうな」といつの間にか携帯をいじって居た。
舞が「ねぇ?ちょっと聞いてるの?辰馬」と声を掛けた。
辰馬が「はぁ?お前まだ電話を切って無かったのかよ」と呆れて居た。
舞が「あんた何か最近、私に冷たくない?」と辰馬に話し掛けた。
辰馬が「あぁ、はいはい。聞いて居ますよ。面倒臭いな」と面倒臭そうにして居た。
舞が「もう良いよ。好きにしたら良いでしょう?」とブチッと電話を切った。
辰馬が「アイツ、一体僕に何の用だったんだろう?」と舞との電話が切れて想って居た。
舞は「もう、何で辰馬は私との付き合って居た記念日を忘れて居たんだろうな」といつの間にか付き合って居た気持ちと悔しさでいっぱいになった。
辰馬が「佳奈?僕だけど明日会えないか?」と佳奈に電話を掛けた。
佳奈が「別に良いけど、何で急に?」と辰馬に不思議そうに訊ねた。
辰馬は「良いから良いから。じゃーな」と佳奈に話をして電話を切った。
舞は電話を掛けようとしたが、辰馬の携帯の電源が切れて居た。
辰馬はスケジュールに手帳で「告白をしよう」と書いて居た。
その様子を見て、母親から「気持ち悪い。どうしたの?あの子」と辰馬を見て引いた。
おばあさんが「そんなに、ニヤけて何か良い事があったの?」とさりげなく聞かれた。
辰馬が「いや、こっちの話だから何でもないよ」と話をした。
母親が辰馬の携帯を見て「告白をしよう」と書いてあったので、母親が「あの子、好きな人が出来たのかしら?」と横目で辰馬の様子を見て居た。
辰馬は、ボーッとして居た。
母親が「やっぱり図星なんだ」とクスッと笑って居た。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます