時の流れ

影山 みはつ

第1話 切ない日々

静江が「加菜子。今からお昼だけど」と加菜子に話し掛けたが、何処にも加菜子は居なかった。

静江が「もう、加菜子は何処に行っちゃったのかしら?」と辺りを見回した。

加菜子はお弁当を持ってひっそり屋上に向かった。

加菜子は「ふぅ〜ん?どうしたら絵が上手く描けるんだろう」と考える度、頭の中が混乱していた。

そこに貴人が来て「お前また上手く絵が描けなかったんだって?」と面白可笑しく笑って居た。

加菜子が「あんたね?そんなに人の事を笑うなら、もう少し私の気持ちも考えて欲しいわ」と貴人に返事を返した。

貴人は「はいはい。分かってますよ」とコンビニで買ったサンドイッチを食べながら返事をした。

加菜子は家に帰ると無心になってご飯を食べつつ絵を描いていた。

加菜子の絵はファンタジー系のうさぎや、人の絵を描いて背景は青色にした。

そうこうしている間に、絵は完成に近づき気付けば夜の23時を回って居た。

加菜子はベッドの上で眠りについた。

翌日、加菜子は制服の襟を正し、バックを持って家を出ようとした。

その直後、「やっほー、加菜子」と静江が直ぐに声を掛けてきた。

加菜子が「静江?あ、これはね?」と大きなスケッチブックに静江が目をやった。

静江が「もしかして、絵かな?最近、課題ってこれなんだよね?見せて?」と加菜子のスケッチブックを開けた。

静江が「この絵良いね?私なんかデッサンみたいな絵しか描けないんだよね?」と加菜子のスケッチブックを見て羨ましそうにして居た。

そこに平然を装うように貴人が「絵、加菜子が描いたんだって。見せてくれよ」と頼んだ。

加菜子が「嫌だね。あんたに見せる絵なんて無いよ」とスケッチブックをわざと隠した。

貴人が「へっ、ケチ。俺もお前に見せる絵なんて無いよ」と後ろにスケッチブックを隠した。

静江が「また2人で痴話喧嘩をしている。本当に2人共懲りないんだから」と笑いが起こった。

加菜子が「そんな事ある訳ないでしょう?こんな奴と」と凄く睨んだ。

貴人が「こんな奴と一緒に居るなら、死んだ方がマシだ」と加菜子に不機嫌そうに話をした。

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