6:【蝸牛角上の争い】
読み:かぎゅうかくじょうのあらそい
意味:狭い世界でのつまらない事を巡る争い
見栄え:★★★★★(凶暴な暴れ牛の上での激しい死闘を予感させる字面)
残念度:★★★★★(実際はしょうもない争いを諫めるための成句である)
ギャップ:★★★★☆(蝸牛が何を指すかすぐわかるなら評価が下がるため★4)
解説:
争いを予感させる字面でありながら実際は争わない語句が続いているので、今回こそは本当に争いに関する単語を取り上げようと思う。
【蝸牛角上の争い】とは、読んで字のごとく【蝸牛】なる生物の【角】の【上】での【争い】である。
ここで重要になるのは【蝸牛】とは何者かだろう。
【
闘牛が一定の人気を誇ることからも分かるように、興奮状態にある暴れ牛は大変に危険な生物である。
その暴れ牛の角の上での争い――なんとも激しい死闘を予感させる字面である。
ところで、この【蝸牛】なる生物、漢字で書くとなじみが薄いかもしれない。
しかし、一定以上の年齢の読者であれば【カギュー】とカタカナで書けばピンとくるのではないだろうか。
そう、『ねじまきカギュー』のカギューのモチーフ――カタツムリである。
※『ねじまきカギュー』は2011~2014年に連載していた少年漫画である。
完結からもう10年以上経っているようで驚いた。時の流れは速いものだ。
【蝸牛】がカタツムリのことであると分かったうえで改めて【蝸牛角上の争い】という字面を見てみると途端にしょうもない争いに見えてくる。
実際、この語句はカタツムリの角の間のような狭い範囲で小さな領土を巡る争いを起こそうとしていた君主を諫めるための寓話を基にした故事成語である。
カタツムリの角の間の領土が人間の目から見れば小さく見えるように、人間の領土も地球全体から見ると小さな問題であり、民の命を犠牲にするほどの価値はないというのがこの語句の教えである。
……少々危険な香りが漂ってきた。
現代の世界情勢を鑑みた上で改めてこの語句を見てみると、驚くほど目と耳が痛くなってくるではないか。
出典の『荘子』は今からおよそ2300年も前の話である。
10年は過ぎてみれば案外速く感じたものだが、流石に2000年を速いとはいえないだろう。
それだけの時が過ぎてなお人類は昔と同じ過ちを繰り返しているのかと、何とも残念な気持ちになってしまった。
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