空は僕の変わりに涙する

YUMA

雨の出会い

 僕は雨が嫌いだ、登校する時に濡れるし、気分も落ち込む。雨を見ているとため息ばかりで楽しいことなんてこれっぽっちも無い。つまらない授業がより一層つまらなく感じる。窓越しに外を眺めていると校門から誰かが走ってくるのが見えた、隣のクラスの松島楓だった…

 彼女を見ていたら突然目が合った、僕は少しビックリして肩がビクついた、彼女はこちらに気づき走るのを止めた。授業が終わって廊下に出たら、松島さんが話しかけてきた。「ねぇさっき目合ったでしょ!」と早口で元気な声で話しかけてきた。

 その元気な声に圧倒され「うん…」という小さな声しか出なかった、松島さんはそれに反比例するように大きな声で話し続けた。「君、雨が好きなの?」と聞かれ僕は即答した。「雨は嫌いだ」

 すると松島さんはビックリした顔で言った、「なんで嫌いなの!」さっきより大きな声で聞かれ僕はそれに負けじと答えた。「だって濡れるし、じめじめするし、気分だって落ち込むじゃないか!」松島さんの顔を見ると少し怒った顔をしていた。チャイムが鳴り、教室に戻ろうとしたら松島さんは言った「君名前は!?この事についてもっと話し合いたい!」僕は頭の中が真っ白になりながら名乗った。「小堀優です」名乗り終わってすぐ僕は教室に逃げるように入った。

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