街角ラプソディー

影山 みはつ

第1話  仕事中に

此処は、ガルステアバーナと言う童話に出て来そうな街並みが広がっていた。


メアリーは「いらっしゃいませ」と話をして、お客の靴を磨いていた。


男性が「おお、メアリーちゃん。久しぶりだね。此処磨いて欲しいんだけど」と靴を差し出した。


メアリーが「喜んで」と楽しそうに話をして、男性の靴を磨き始めた。


メアリーは「ふぅ、疲れた」と顔を真っ黒にして、タオルを持って洋服の袖で汗を拭いた。


チャリンと言う音と共にゴールドのお金が地面に落ちた。


メアリーが「あぁ、いけない。落ちちゃった」と急いで取りに来ようとした時、ある男性が「これ、落ちましたよ。君のだね」とゴールドのお金をメアリーに渡した。


メアリーが「ありがとうございます」とお辞儀をした後、何も言わずに去ってしまった。


メアリーは「一体、どんな男性が私のお金をいつも拾ってくれるんだろう?」と思い出しながら靴を磨いてはポカーンと口を開けていた。


お客がそれに気づいて「メアリーさん。そんなんじゃ仕事にも何もならないじゃないか。ちゃんと磨いてよ」と文句を言われる始末。


メアリーが「ごめんなさい。ただあの人の面影が私の父に似て居たから、どんな人なんだろうなって想って居ただけなの」とお客に話を始めた。


お客が「へー、そんなに素敵な人が居たのかい?私も一度だけでも良いから会ってみたいものね。靴磨いてくれてありがとう」とお金を財布に入れて片付けを始めた。


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