匂いフェチ娘の恋愛戦線
パンチでランチ
第1話
主人公・白石みのりは高校二年生。
成績はそこそこ、見た目も普通――ただし、ひとつだけ人には言えない秘密があった。
「……ああ、今日もいい匂い」
みのりの“性癖”は、男子の体育終わりのシャツの匂いをこっそり嗅ぐこと。
もちろん危ないことはしていない。ただ、廊下を通りすぎる風に混じる汗と洗剤の匂いだけで、脳がとろけそうになるのだ。
そんなある日、同じクラスの人気者・佐伯が、みのりに声をかけてきた。
「白石ってさ、なんかいつも変なタイミングで深呼吸してるよな」
「えっ!? き、気のせいだよ!」
動揺を隠せないみのり。だが佐伯はにやりと笑う。
「もしかして……匂いフェチとか?」
「~~っ!!」
図星を突かれて顔が真っ赤になるみのり。
普通ならドン引きされるところだが、佐伯は不思議そうに首を傾げる。
「俺、そういうの嫌いじゃないよ」
「……へ?」
「なんか、面白いし」
予想外の反応に、みのりの頭は真っ白。
自分の“めちゃくちゃな性癖”が、恋のきっかけになるなんて――。
こうして、フェチ子とクラスの王子様(?)の、ドタバタなラブコメが幕を開けた。
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