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西市をのんびりと散策し市を出た後再び琥珀に抱き上げられて移動することになった。
結局西寺にも行ってみたいとお願いしたところ満面の笑みと共に、二つ返事をもらった。
その笑顔でどれだけ周りの女性を落としたんでしょうか?
今は黒髪で見た目は顔の整った武官に見えるし、忌避されることはない。
それは主人としては正直嬉しい。
やはりこの時代、色彩の違いは忌み嫌われる存在になる。
外見が違うだけで排他される。
安倍家はその辺り全く問題ないし、春宮さまにもその辺りは全く偏見がない方で良かったと思う。
西寺の手前で降ろしてもらい、再び歩いて境内に入る。
私の時代にはもう史跡しか残ってないので、じっくり見ておこうと思う。
琥珀と2人でお参りをした後、のんびりと歩いて帰ることにした。
市政の状態も気になっていたし、何より内裏以外の妖達の数も気になっていた。
彼らは、場合によってはいい情報をくれたりするから探しているのだが・・・・・。
「意外にいないわね。」
「ほら、俺も居るし姫の新規も安定して居るとはいえ、制御していない分強いしな。様子をうかがっているのだろう。」
「なるほどね。まぁ、数は多いでしょうし、気にしたらいけない気がするわ。」
「そうだな。」
言い終わると同時に私を抱きあげた琥珀は、一気に宙へと舞い上がった。
そして、先ほどまで私たちがいた所には、黒いモヤを背負った人・・・・いやあれは人じゃない。
どうやら私たちを探しているようだ。
琥珀の腕の中でしっかりと体勢を取りつつ様子を窺う。
「周囲への害は今の所はなさそうね。目的は何かしら?」
「さぁ。ただ少し調べてみないとわからねぇな。」
私たちがいないことを確認すると、再び姿を消した。
姿を消したあと、場を清めてそのまま安部邸へと戻った。
与えられた部屋に入り、他の神将達に事情を説明すると、青にぃと朱桜が少し調べてくるといい再び市の方へ向かった。
雪華に干し桃を渡すと、台所へ持って行ってくれた。
私も夜中に抜け出して調べに行こうかな??
今日は朝から琥珀が傍にいたので、そのままずっと琥珀が傍にいるのだろう。
部屋からみんなが出て行ったあと、琥珀に抱き上げられるとそのまま膝の上に抱き込まれ、頬を擦り寄せてきた。
うん、猫みたい。白虎って虎だからネコ科扱いだな。
と納得する。
「そんなに放置した覚えはないんだけどな。」
「俺と朱桜は普段から傍にいたから余計に構って欲しいわけよ。」
「そこは、少し青にぃみたいに大人になろうよ。」
「何ってんの?青龍兄上が1番独占欲が強いじゃないか。」
「え?」
意外な一言に驚いた。
そうなのか。それは気づかなかった。
頬や目元にキスをされながら思考を飛ばす。
でも今までそんなそぶりや独占欲って見たことも無い感じたことも無いよなぁ。
「皐月、今は俺の事だけ考えて欲しいんだけど。」
重なった唇に驚くまもなくするりと舌を滑り込ませてきたかと思うと、口内に自由に動きつつじわじわと神気を取られるのが分かる。
ザラついた舌に腰のあたりがゾワゾワする。
しばらくして、がっつり神気を取られてぐったりした私と対照的に、ご満悦顔の琥珀がいた。
「抜け出そうなんて、思えないだろう??」
思考はダダ漏れだったのか、図星を指されて視線が泳ぐ。
「まだ、動けるなら今から抱き潰して、徹底的に神気奪うけど。」
「え?やだ、怖い!!」
目が本気なだけで、抜け出さないと言うことを約束をすると解放された。
そういう概念というより、主人はみんなで共有する感じなの?
神将達は、問題無いわけ???
それは断じて断る。
キスはともかくそれ以上だけは絶対!!というよりも、何か腹立つ。
「そんな事言う、琥珀嫌い。」
ポツリとつぶやいた言葉は、効果は抜群で急に狼狽しだしたが知った事じゃない。
「雪華。」
「どうした?」
呼びかけと共に戻ってきてくれた雪華は首を傾げながらもすぐに答えてくれた。
「
「わかった。妾が傍におろう。」
「皐月?!」
「何を言ったのかは、だいたい想像はつくが言葉が悪かったのぅ。」
コクンと頷けば、ペイっと琥珀を廊下に投げ出し、そのまま他の神将達が入ってこれない結界を張ってもらった。
愛称で呼ばないと、琥珀達は焦り出す。
本気の私の拒絶を示すからだ。
少しは反省をすればいい。
その日私は雪華と一緒に眠りについた。
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