観覧車

すい

プロローグ

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観覧車は、今日も私たちをのせて回っている。


高く昇って、またゆっくりと地上に戻るだけの、

静かな変わることのない軌道の上で。



すぐ隣にいるようで、手は届かない。


見えているのに、触れられない。


そんな距離が、

私達にはどうしようもなくちょうどよかった。


 


ふたりで乗ったことのない観覧車。

なのにいつだってそれが、いちばん私たちらしかった。




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