プロローグ


幼かった頃は、男の子も女の子も関係なくて、

ひたすら遊び回っていた。


あたしは周りの女の子たちより少し背が高くて、

男の子に混じって走り回るのが好きだった。


幼稚園から小学校低学年の頃は、

まだ男女の違いに深く気づかず、

幼なじみの男の子と無邪気にはしゃぎながら、

一緒に笑って、転んで、ケンカして――

ただ、それだけで毎日が楽しかった。


でも、気づけば、男の子たちと遊ぶ時間よりも、

同じクラスの女の子たちと過ごす時間の方が

少しずつ増えていった。


それが“成長の始まり”だなんて、

そのときのあたしは知るよしもなかった。

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