なきむしなやつ

@Shining3301

第1話

 最近、うちに新しい家族ができた。俺とは違う性別で名前はくるみと言うらしい。俺は先輩としてこいつにちゃんと示しをしなければならない。そういうことで俺はつきっきりでいつも面倒を見てやっている。親は当然いつもいるわけではない。

 ただ最近困ったことがある。こいつはなきむしなのだ。ちょっとしたことですぐになくのだ。それがもううるさくてうるさくて本当に困っている。そのたんびに俺は駄目だと教えてやっている。だと言うのに一向に覚えようとしないのだ。困ったものである。そもそもこいつはまだここに来てある程度しか立っていないのだ。逆に言えばそのうち慣れてくれるだろうと思っていたのだが、こいつ親に向かってもなくことがあるのだ。まぁ自分でいろんなことが出来るわけじゃないからある程度は許してくれるだろうが、甘え目的でくっつくのはよくないだろ。だから俺がみてやってるってのに。

 それに、俺の静かな昼寝の時間にうるさくされるのが一番困る。俺は寝ることでエネルギーを蓄えているのだ。気持ちよく寝ているところに突然大きな声でなかれたなんてしたらたまったもんじゃない。しかもこいつ、家の中にいるからってなくわけじゃない。外に連れていかれているときもすぐになきだす。多分知らない人が怖いのかも知れないが。可愛いと言ってくれる人に対しても容赦なくなき喚く。これじゃ将来が心配だ。俺だって最初はこいつと同じような感じではあったが、色々わかってきたらなんとなく理解できてくるものだ。だから俺が色々教えなければならない。こいつは体の小さいやつだ。俺のでかい図体でしっかり教え込んでやらなきゃ。

 今は昼も過ぎ去ろうとしているときだ。今日はなくことはなかった。毎日それならいいのだが、とりあえず少しずつ分かってきているのだろうか。たまに一緒に遊んでやるのだが、そうすれば基本こちらに夢中になって楽しそうに笑い顔を見せてくれる。それでいいんだと思うが、まぁまだ簡単に全部理解できるやつでもないだろうから少しずつ理解していけばいい。

 ここら辺は田舎だからやけにうるさい工事の音や車の通る音、とにかくこいつをなかせるようなものはほとんどない、基本的にいい環境になっている。だからきっとこいつがなき喚くのをやめるのも時間の問題だろう。そう思ったら親が帰ってきた。車で帰ってきた。俺はとっさにやつの方をみた。するとそいつはまたなきだした。俺はまたそいつを止めるために教えるのだ。駄目なことだとそいつに鳴いて教えるのだ。

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