10話 怪しい事件
雷魚たちはしばらくものすごーく普通の学校生活をおくっていた。が、その出来事は突然起った。
休み時間に男子生徒がすごい勢いで教室に入ってきて真っ青な顔で言った。
「先生…………カイが……カイが……いなくなりました…………」
「!?」
突然のことに生徒たちは驚きを隠せない。
「どういうことだ?」
ロット先生が落ち着いていった。
「俺、カイとトイレに行ったんだ…そして…トイレをしながらカイの名前を呼んでも返事がない。横を見るとカイが消えてたんだ!たしかに俺の隣でトイレをしていた。ちょっと視界からいなくなっただけで消えたんです!トイレから出ていく音もなかった。」
「とりあえず待ってみよう」
ロット先生は落ち着いていたがかなり困った顔をしていた。そして休み時間が終わった。全員が着席しているはずの時間だ。カイの席だけが空いていた。
「これは…………カイはどこに行ったんだ?」
ロット先生は落ち着いていった。
「カイの捜索は放課後教師のみでする。いつも通り授業を再開する。」
放課後生徒たちは怖がって早々帰っていった。もちろんその中に雷魚たちも混ざっている。
「生徒が消えたってこわすぎでしょ」
小魚は身震いしていった。
「先生たちなら大丈夫だと思うけど…………」
そういった雷魚ももちろん不安である。そんな中1人だけ楽しそうなやつがいた。ムッシーだ。
「ふっふっふ。まとめて僕が解決するむし!」
「っていいながら僕の肩にのって は、はやくかえるむし! とかいってたけどね」
小魚はムッシーをぎろりと睨んだ。
「…………そ、それはび、び、び、ビビってたわけじゃないむしよ??????」
「………………………………」
全員が黙ってムッシーを見つめた。
「………………………」
その頃先生たちは…………
「では今から魔法学校緊急会議を始める。」
賢そうな老人が先生たちの顔を見回した。
「まず、ロッド君。なにがあったのか詳しく聞かせてもらう。」
「はい、『グランツ校長』。突然のことです。生徒のカイがきえたんです。今日もいつも通りの学校、いつも通りの授業、いつも通りの休み時間でした。しかし、その休み時間に突然カイの親友のライガが教室に入ってきてカイがトイレで少し目線を離しただけで音もなく消えたと報告。それ以外のことは…………」
「うむ、なるほどな、ちょうどロッド君がいた教室でよかった。君はとても冷静な行動をとってくれたようだからね。感謝する」
「いえいえ、しかしまだ怖がっている生徒が大量にいます。」
「そこはわしがどうにかする。問題はどこへ行ったかじゃ。トイレで消えた…………これは………… あれ しかないのう。」
「 あれ ですね」
その場にいた先生全員が真剣な顔をして強くうなずく。そして声をそろえていった。
「『学校七不思議 トイレの鎌男』!」
「不定期で生徒を襲う謎の存在だった。だが2年前男子トイレに鎌をもった男がいると男子生徒から報告があった。だがその次の日…その男子生徒はトイレでなくなっていた。鎌で切り裂かれたような傷がいくつもあった。私たち教師はそれを学校七不思議 トイレの鎌男とよんでいる。」
「誰に向かってしゃべってるんですか?校長」
といったフマスト先生。だが校長は知らんぷりをしていった。
「……………こほん、いまだ謎なのだ。やつのことは…今回は絶対に生徒を死なせない。奴の正体をあばくのだ!」
「はい!」
先生たちは覚悟の顔で言った。
「今日中には…………奴をつかまえる。明日では遅い。やつをくまなく探し回れ!」
グランツ校長の掛け声で先生たちは一斉に校内をまわり始めた。
(大丈夫。今回こそ…教師は私を合わせて7人いるのだ。大丈夫。)
そう心の底からおもうグランツ校長だった。
その頃小魚、雷魚、ムッシーの部屋では
「えぇーー!?」
小魚と雷魚が大声で言った。
「学校に行こう!?」
「消えた生徒をさがしだす!?」
「いやだー!!」
「なぜむし!」
「だってこわいやーん」
「こわくないむし」
「わかった、わかったよムッシー。」
あきれた顔をした小魚にムッシーは顔を輝かせて言った。
「つれてってくれるむし!?」
「はっはっは。冗談じゃない。1人で行って来いって言おうとしたのー」
小魚はあおり気味に言った。
「ふん。わかったむし。いってくるむし。」
「え?え?がちでいくの?ま、まってーみんなと一緒にいこうよ」
「えーーー」
「俺からもお願い。」
雷魚が言った。
「まったく、わかったむし」
「怖いから行きたくないけど。ちなみにムッシー。いつまで学校にいるの?」
「謎を解くまでむし」
「あ、終わったわ」
小魚と雷魚は絶望した。そして3人は宝魚、晴魚、ノエルをさそって学校にいった。ノエルよろこんで「いいよ」といったが宝魚と晴魚はもちろん行きたくなかったがムッシーと雷魚に小魚まで強い意志を感じて仕方なくOKした。学校の校門まで来た。
「こわいこわいこわいこわいこわいこわい…………」
小魚は震えながらこわいを連呼している。
「びびるなむし!何のために友達呼んだむし?」
「怖さ和らげるため」
「うん。それでも?…………これ?」
がくがくがくがくがくがくがくがく。小魚の足は途切れなく震えている。
「よし!レッツゴーむし!」
それからしばらく6人は学校探索をしたがなにも起こらなかった。先生たちも探索しているが学校はものすごく広いため幸い出会うことはなかった。
「ね、ねぇ。もう帰ろうよ…………こわいぃ」
晴魚が初めて弱音をはいた。
「もぉー。晴魚までーなんでこんなんでびびるむしか??」
「だってこわいもーん」
「答えになってないむし」
「こわいよねぇー!晴魚ぉー!」
「こわいよねぇー!小魚君ー!」
「な、なんか似てるな、この2人。」
宝魚がビビっている2人を見つめながら言った。それに雷魚、ノエル、ムッシーは
「うん、うん」
とうなずいた。
「怖いなら2人で帰るといいむし」
「えー!それはやだ」
「うん、やだ」
「んじゃいくむし」
そしてしばらくたった。
「なぁ、宝魚、」
なれたのか小魚は普通にしゃべっている。
「宝魚ってこういうの怖くないん?」
「いや、こわいよ」
「めっちゃ平気そうやん」
「うん、怖いけど小魚ほど症状ひどくないよ?」
よくみると小魚は全身ががくがくふるえていた。
「さむそw」
ノエルはからかっていった。
「さむくねぇーよーいま春と夏の間くらいだぜ??」
といった小魚にノエルはさらにからかっていった。
「えー、がくがくふるえてさむそうだけどなぁーw」
「う、うぅ」
小魚はがんばって体の震えを止めようとしている。
「ノエルは?怖くないの?」
「全然こわくないよ!むしろ楽しい。」
「ま、まじか。兄ちゃんは?」
「うーん、宝魚みたいな感じ。」
「へぇーつまんn…………いやいや、すごいね」
「小魚…………お前今つまんなって言おうと…………」
雷魚が言った瞬間すごい音がした。
ガシャァァン!!!!窓ガラスが割れた。
「!?」
ムッシー、宝魚、雷魚、ノエルの4人は驚きだけで済んだが、小魚と晴魚はそうはいかない。
「んんんんんぎゃぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
そして窓から黒いシルエットが舞い降りてきた。懐中電灯をあてたが、全身真っ黒なパーカー、フード、黒いマスクでよく顔が見えない。身長は雷魚たちと同じくらいだ。
「だ、だれむし!?…おまえは?」
ムッシーがすかさず聞いた。
「喋るいもむしか…おもしろいな。」
「だれときいてるむし!」
「おれか?おれはな…鎌男だ。」
「鎌…男?」
6人は動揺を隠せない。そんな様子を見た鎌男はニヤリと笑った感じがした。
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